「つきちゃん 　ひーちゃん」「なぁに」

相変わらず雨が酷くて滅入ってくる。

　エアコン2台をフル稼働させてやっと部屋の温度と湿度が保てている感じ。
ひすいの事を考えるとエコなんて言っていられない。



　あんよもキレイにしなくちゃね、とお手入れにと余念のないひすい。
大きなあんよでお耳を掻き掻きした後は特に念入りにお手入れしている。

　娘の仕事はお盆休みがないので気が付かなかったけど
世間ではお盆休みとなっているところが多いよう。

　この雨とコロナで帰省とか墓参がままならないといった記載に加えて
逝ってしまったあの子は帰ってきてるかななんて書き込みもあちこちで見かける。

　つきみが逝って2回目のお盆。

　人の宗教の行事をそのままうさぎに当てはめるのも何だが
それでもやっぱり帰ってきているのかと考えてしまう。

　帰ってきて欲しいといった方が良いか。

　特にお盆らしい何かをするでもないのに子どもの頃からの行事でもあり
ノスタルジックな気持ちになるのがお盆だったりする。

　ひすいのお陰で日々の暮らしはつきみと暮らしていた頃と変わりなく過ごせている。
ひすいを撫でて可愛いねと声をかけて幸せを感じて。

　それと同時に　つきみも可愛かったな　もっと撫でたかったな　と
そんな思いも沸いて来て切なく苦しくもなってくる。

　もしつきみが帰ってきているのなら
まま　幸せだったよ　つきみの事今でも大好きだよ　と伝えたい。　

　そして　ありがとう　とも。至らないままだったね。
ひすいがいなければ立ち直る事もできなかったかも。

　でももう大丈夫だから。安心してね　つきちゃん。


「ひーちゃんつきちゃんいる？」「いるよ」



　つきちゃん。
お帰り。新しいお家だけど分かってたよね。
だってままの心の中にはいつもつきみがいるんだもの。


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