2006/09/25(月)22:53
バルトーク・スイッチ
きっかけは、リストのピアノ・コンツェルトだった。
なにげなく近所のブック・オフで手にした一枚。
それほど好きでもないリストを繰り返し聴いた。
あざといリズムとドライなユニゾン。
なんでこんな曲を僕は聴こうとしているのだろう。
としばらく考える。
ふと、バルトークがリストのこの曲に敬意を払っていたことを思い出した。
未整理のCDラックから、バルトークを引っ張り出してきた。
幸い、妻は当直である。
彼女はバルトークを聴いて、「気持ち悪い」と言うかもしれないが、今夜はそんな心配はない。
手にしたのは、ヴァイオリン協奏曲第2番。
ソリストは鄭京和(チョン・キョンファ)、オーケストラはサー・ゲオルグ・ショルティが指揮するロンドン交響楽団。
*余談ですが、私のなくなった祖父は、今思えばショルティの風貌によく似ていました。祖父の弟である大叔父は今日亡くなった丹波哲郎に似ていますが、僕はその美男の血はあまり引いていないようです。
たとえ普段は忘れていても、
ベラ・バルトークを一度聴いことのある人は、彼の音楽から逃げることはできません。
今夜、僕の中で、バルトーク・スイッチが入りました。
この「呪い」は、バルトークにとことん付き合うまで解けることはありません。
今夜は最低でも「管弦楽のための協奏曲」と「弦楽・打楽器とチェレスタのための音楽」は聴かないことには寝れそうもありません。
不器用で無骨な、激しく切ない情念の塊。
ゲイエルの影を追いかけて、
バルトークの音楽は未来永劫響いていく。