ブラームスはお好き?

2007/08/04(土)15:54

よい床屋の条件

ブラームスのひとりごと(49)

 今日、床屋に行って来た。  この町に来て1年以上になるのに、  まだ「いつもの」店が定まらない。  今日も初めてのお店。  そして今日も憮然として帰ってくることになった。  この田舎町には、「よい床屋」がない。  僕の「よい床屋」の条件はそんなに多くないのだけど、  それを全部満たしてくれるお店がない。  府中にいたころはまあまあお気に入りのお店があったし、  その前に福岡にいたころは「これぞ」というお店があったから、  月に1回の「床屋タイム」が楽しみだったのだけど。  この町に引っ越して以来、髪を切ることがとても億劫に感じるようになった。    必要なのは、まず、清潔感だ。  清潔感のためには、外観も内装も古過ぎてはいけない。  鏡や水周りがくたびれていたり、シャワーの出が悪かったり、椅子がキコキコいうようでは駄目である。  また、ハサミや剃刀の小道具や、シャンプーやローションなどが時代遅れなものを使われているようでは困る。  髪の毛は、適度に湿らせてカットしてほしい。  乾いたままだど、僕の毛髪は細くパサパサしているので、切った髪が額に落ちてくるとものすごく不愉快なのだ。  だいたいからして、僕の頭は「物」ではないのだから、気配りというか、僕という客が不快がらないだけの配慮が欲しい。  やたら力を入れすぎないでほしい。  ただ単に髪が短く仕上がればよいというものではないのだ。  「商品に傷がつかなればいいだろう」という程度の、プロセス無視のデリカシーのない床屋はお断りである。  あと、店員さんは若いほうがいい。  床屋の辞書には熟練という言葉はないのか、オジサンで僕を満足させる腕の持ち主に出会ったことがない。  仕上がりにしても、プロセスにしても、「スタイルが古い。」  これに尽きる。  僕のようなしゃれっ気のない短髪でも、スタイルの古い新しいというのがちゃんとある。  若い人は、仕上がりだけでなくて、プロセスへの気配りもちゃんと教育されているし、  「短めに」  という指示だけでこちらの意を汲むことを知っている。  オジサンに  「短めに」  と言っただけでは、何をされるかわからない。  最近、マッサージをサボる床屋が増えてきた。  昔は「お値段込み」みたいな感じできちんとしてくれたのだけど、  「ま。適当に。うちは床屋だから。」なんて割り切りで、  マッサージに関するプロ意識が欠けている。  ひどいのになると、別料金制になっている。  最期に、終了後にコーヒーを勧めるのはやめてほしい。  僕はここに髪を切りに来ただけであって、それ以外に用はないのだ。  床屋とは余計な話はしない。  天気のこと意外は話しかけるな!  これは鉄則である。  レジでマイルド・セブンを箱から一本突き出して勧めてくるのは、もはや論外である。  今日の床屋も失格だった。    「そんなに言うなら、美容室に言ったら?」  と妻は言うが、  男子たる者はスニーカーを履いて床屋に行くものなのだ。  悪いけど、それだけは譲れない。   

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