巨匠たちのトリプル・コンチェルト
先日の函館出張のお供はこのCDでした。 有名な録音ですよね。 ヴァイオリンがオイストラフ、 チェロがロストロポーヴィチ、 ピアノがリヒテル、 オーケストラがベルリン・フィルで、 指揮はカラヤン。 ベートーヴェンの三重協奏曲はあまりメジャーな曲ではないけれど、 これだけの『顔』が揃えば当然一度は聴いてみたくなるのが人情というもの。 今回飛行機の中で初めてじっくり聴いたけど、 3人の巨匠のソロも、オーケストラを指揮するカラヤンも、 どこか座りが悪そうな感じがするのは、飛行機が揺れたせいばかりではなさそうです。 これは「協奏曲」というよりも、4人の巨匠の「競争曲」ですな。 個性がまともにぶつかり合ってます。 しかも巨匠たちは、この穏やかでスケールがそれほど大きくないこの曲において「兎を殺すのに牛刀を用いる」ほどに力を持て余してしまっているようです。 4者の強烈な個性は、完全にこの曲のキャパシティーを超えてしまっているのでしょう。 が、きっと4人は不敵に目配せし合いながら、「まあこの辺にしといてやるか」と余裕で遊びつつ踏みとどまっているのでしょうか。 曲の器からこぼれず、曲の器を砕かず。 ギリギリのところで見事にまとまっています。 カップリングは、オイストラフとロストロポーヴィチによるブラームスのドッペル・コンチェルトで、こちらは豪快かつ小気味よい演奏。 オケはセル=クリーヴランド管。ソロが濃いのに後味がすっきりしてるのは、ひとえに彼らの力でしょう。 いずれにせよ、この顔合わせを実現させたプロデューサーは凄いですね。 この夢のトリプル・コンチェルト、もし今のアーティストで実現できるなら・・・と想像するのも楽しいですね。 この熱いコンチェルトの録音のおかげで、氷点下の函館出張もなんとか風邪をこじらせずに帰ってくることができました。 しかし、九州人にマイナス1℃の吹雪はこたえました。 函館山からの夜景と雪の五稜郭は綺麗でしたけどね。 【お知らせ】 このブログもおかげさまで2周年。33333アクセス達成まであと少しというところまでやってまいりました。 日ごろのご愛顧を感謝いたしまして、ワタクシ「ブラームスがお好き」においてもささやかながらキリ番プレゼントを企画させていただきます。 もし、33333のキリ番を踏んだかな?という方がいらっしゃいましたら、メッセージにてお知らせください(ニアピンも可ですよ)。 そうですね、プレゼントは僕がこれまで紹介したCDの中からお好きなものを一枚、というのはいかがでしょうか?