日本語のフォーム
今日は午後からの授業なので、少しノンビリできるツキです。最近、1年生に日本語の普通体を教えました。いわゆる友達言葉です。それまでは丁寧体しか教えていなかったので、日本語に別のフォームがあると知った学生達は興味津々です。日本人は自然に使い分けていますけど、日本語にはフォームがたくさんありますよね。男言葉とか、女言葉とか、実際そんな話し方をする人がいるのかどうかわかりませんが、「わたくし、~ですことよ」みたいなお嬢様言葉とか、「わしは、~じゃ」みたいな博士言葉とか、時代を遡れば、「拙者、~でござる」というような武家言葉や、「まろは、~ぞえ」みたいな貴族言葉もあります。日本人だったら、こういった言葉を聞いても、どんな立場の人物が発している言葉なのか簡単に推測することができますし、意味もちゃんと分かりますけど、外国人にとっては、大混乱のようです。さらに、日本語には妙な誤用や略語を数多く含む若者言葉や、日本人でさえ使いこなすのは難しい敬語、それに、微妙にアクセントや語尾の違う方言、使ってる本人達も、おそらく完璧に理解しているわけではないであろう、大量の和製英語や片仮名語があります。特に2ch用語なんて外国人から見たら、全くもって意味不明だろうなあと思います。中国で、日本のアニメをよく見るのですが、画面の下に出てくる中国語訳の間違いが多くて、けっこう笑えます。アニメって、こういう日本語のフォームの違いを強調した話し方をしているから、それらを正確に訳すのは、相当の技術を必要とすることのようですね。