2005/10/13(木)00:47
こどもの本とたべもののはなし。
MOEの10月号で、絵本とお菓子の特集を組んでました。
カレルチャペック紅茶店の山田詩子さんとか、そうそうたる顔ぶれの方が好きなお菓子や本の中に出てくる印象的なお菓子などを語った特集号でした。
『ぐりとぐら』のおおきなカステラとか、『ぐるんぱのようちえん』のおおきなビスケットとか、『しろくまちゃんのほっとけーき』のホットケーキとか・・・絵本の中のおいしそうな食べ物がレシピつきで再現されていたのでした・・・。
考えてみれば、本にはおいしそうな食べ物がたくさん出てくるんですね。
うちはそんなに裕福ではなかったので、中々外食の機会も、母がお菓子を作ってくれる機会がありませんでした。それで自分で本に出てくるお菓子や食べ物に憧れて、色々とまねしてみたことを思い出してしまいました。
私の場合は、ベバリー・クリアリーのヘンリー君シリーズ「ビーザスとラモーナ」、「ラモーナは豆台風」という姉妹を描いた作品で出てきたフィグロールというクッキー。
イチジクのジャムを挟んだクッキーの一種と註記されていたので、ビスケットに母のお友達(私の塾の先生でもあった方)から頂いたイチジクのジャムを挟んで食べてみたことを思い出したのでした。
これは後年、大人になって図書館でバイトしたときに本物を食べる機会があったのですが・・・かなり違ったものでした。
だって、「挟んだ」とあったのが実際は「巻き込んで」あったんですから。
実際の現物と訳されているモノとが違うということは時代が古くなればなるほどあるもので、食べ物の場合はそれが以外と顕著だったりするのです。
昔読んだ本の中で、ざーっと読み流してしまったシーンでも、今読み返してみると昔は見えなかったことが見えてきます。
版の古い翻訳ものの本を読むとなおさらそれを感じます。
岩波少年文庫に入っていた『ロールパンチームの作戦』のロールパンというのは実はベーグルのことだし、新潮文庫版の『赤毛のアン』の中で出てくるバタークッキーが実はショートブレッドだったとかね・・・。
どちらも今は家で作ろうと思えばレシピも簡単に手に入るし、材料だってちゃんとそろいますよね?
そのことによって、現在がどれほど恵まれた時代であるか、本の訳と食べ物を通じて感じてしまう私なのでした・・・。