月夜に夢を　　

久々にビデオ屋に行ったら　カードの期限が切れていた。ずっとお出かけだったもんな～。
もう一年以上前になるのかと思いながら　“明日の記憶”を借りる。

夫が定年を待たずして若年性アルツハイマーになってしまう話なのだが
そんな馬鹿な　そこに居るってなんでわかるんだ。しかもヒールで来るな山に。
ってぐらい筋書きそのものには　かなり無理がある。
だが　小さな場面場面のリアルさが積み重なって　胸に迫るのだ。
もちろんそれは　俳優たちの実力に裏打ちされるものなのだろうけれども。


とにかくあたしたちは　彼の仕事での場面が見ていられないってことで一致をみた。
早送りしたいぐらいだった。
クライアントとの約束の時間を忘れたらどうなるか
大事な会議に道に迷って遅れてしまったらどんな目でみられるか
相手の名前を思い出せなかったらどのくらい焦るか
結果は目に見えている。
彼にかかるプレッシャーが手に取るようにわかる。
社会人なら　一度や二度そういった類の恐れと闘ったことがあるのではないか。
仕事ができると言われてきたひとならなおさら　そういったミスは耐え難いはず。
あああ　夢にみそうだよ。


そしてあたしは　妻の気持ちのリアルさにもうなった。

夫になじられた挙句　つい本音が出る台詞
「あなたは　あたしが子育てで大変だったとき　あたしが病気になったとき
何をしてくれたっていうの？あたしは　娘とふたりでここまでやってきたのよ！！！」
そうなのよ、そうなのよ、全国のお母さんがた　かなりわかるわよねえ。
でもねえ　そんなこと言っちゃったら　角皿で頭割られちゃうから気をつけようねえ。

独身の女友達につい言い放っちゃう言葉
「あなたには　わからないわよ」
それを言っちゃおしまいなのよ。そんなこと　口に出した瞬間わかるんだけど
いっぱいいっぱいなときって　人間あるんだよねえ。どうしたって。
あたしも口に出してしまったことのある言葉です。その苦さとともに忘れられない。


かといえば　夫側の苦しさにも共感。

忙しそうに仕事から帰ってくる妻に　
「いいよな、おまえは　楽しそうで」みたいなかんじの言い方を。
仕事がしたいひとにとって　それが出来ない状態は　つらい。
社会から隔離された状態がきつく　自分が置いていかれたかんじで　つい　僻む。
仕事をすればそれにまつわる大変さもついてまわるのだと頭ではわかってはいても。

相手にしてみれば　「誰のために働いてんのよ」ってことになるわけだけど
それでも　専業主婦時代のあたしはまさにそれだった。
好きなように働ける夫が羨ましいを超えて　憎らしかった。
仕事って　誰のためでもない　自分のためなんだよねえ　ほんとうは。


実際　在宅介護は大変だと思う。
軽いときはまだしも　重くなったとき　患者ひとりで家に置いておけなくなる。
かといって　経済的なものは必要になるわけだし。


あたしは　働くぞ。
可能な限り　働き続けるぞ。
どんなに晴れた日に布団干せなくても　もう二度と専業主婦にはならないぞ。
心に誓う。



アルツハイマーは　新しい記憶から失くしていくのだという。
もし彼がそうなったら　あたしをあっちゃん（彼の元妻）と呼ぶのだろうか。
お互いさまとはいえ　そんなの耐えらんないって訴えたら
あっちゃんと一緒にいたのは若かりし頃だから　これからの君と混同することはない、
もし間違えるとしたら　近所のおばさんとかだろう。
だとよ。

どうやら余計な危惧らしい。


【6月9日（土）の記録】=========================
　　　○○.6kg（－0.2kg）　　　
　　（目標体重まで　あと4.3kg）
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夕方　コイビトの畑まで生ごみ持って早歩き。帰り10分ランニング。
そんなもんしか動けなかったけど　おやつ我慢したし。
お昼食べに行ったけど　デザート我慢したし。
（頼んでるメニューが爆弾ハンバーグじゃ　意味ないだろ）

本日の宣誓　外食時　デザートは我慢します！