月夜に夢を  

2007/08/20(月)01:34

奥秩父:南天山

Mountain(29)

お宿の朝食は バイキングで7時15分~。 その前に温泉で朝風呂を済ませ 準備をしておいたところで いきおい出発は遅くなる。 宿の近辺で 遅いスタートでも安心で 暑くないある程度の標高のところ・・・。 その条件で探した山が 南天山だった。 「谷奥にあって目立たず風采の上がらぬ山容のため登山者の注目度は低い」 ガイドブックにも 散々な書かれようだったが 確かに交通の便が悪い。 大滝村のダム沿いに続くループ橋やたくさんのトンネルを通り抜けた挙句  とうとう砂利道になって ようやく登山口である鎌倉橋にたどりつく。 ただし この道はずっと車のクーラーをつけずとも涼しかった。 この日も下界では最高気温を更新したのだということだったのにもかかわらず。 鎌倉橋→尾根コース→南天山(△1483)→歩道終点→沢コース→鎌倉橋 登山口にあるポストに登山届を入れて ふと案内板を見ると「熊出没注意」の赤い字。 最近地元のひとが見たということで 登山道から外れないように念押しの注意書き。 とりあえず 熊よけの鈴がしっかり鳴るようにつけなおしてみたりして。 しばらくずっと沢沿いを近づいたり離れたりしながら行く。 水に近いところでは ひんやりとした空気を感じる。気持ちがいい。 ここの沢は 空間が大きくて視界が広がるにもかかわらず 山に抱かれているかんじ。 雰囲気のいい場所がかなりあり 思わず 公園みたーいって感想を漏らしたら いや 公園がここのような雰囲気を模して造ってるんだろう、逆だろう、と彼に諭される。 滝も見事で 観光名所になってもいいぐらいだと思うんだけど ひっそりとここでその美しさを披露している。ふたり占めだもんな~贅沢だわ。 (この日結局 この山で誰にも会わず。南天山まるごとふたり占め) 道は結構整備されていて 沢を何度も行ったりきたりするときにかけられている木の橋も ちゃんと横木があって歩きやすいし そうそう危険なところもない。 道標もわりとまめにあるが 端が壊されているのが多いのが気になった。・・・熊か? そのうち沢コースと尾根コースとわかれている場所があって  登山地図に載っているのは どう考えても尾根コースらしいということでそちらへ進む。 名前からして 尾根を伝って行くイメージだけれども 違う。 尾根へ出るまでひたすら登るコースということだと思う。 ここまでほとんど高度を稼いでいないため いきなり急登。 しかもずっとジグザグの 可も無く不可もなくといった変わり映えのしない道が続く。 山の同じ側の斜面をただ行ったり来たりしながら登るだけなのだ。 こういった道は みな 何を楽しみに歩くのだろう? あの角を曲がったら・・・云々 という期待も出来ないし 困難も無い分単調だし 景色も変わらないし 救いは 高度計の数字ぐらいじゃないだろうか。 まだか まだか とたびたび見てしまった。 木の種類が変わってきて ようやく尾根へ出る。 頂上まで150メートル。ここからが岩がごつごつで面白かった。鎖はなかったけど。 昨日の両神山より木々に邪魔されていない分 展望は360度。 ただ隣の山々まで距離があるように感じたけれど。 稜線をたどって歩道をずっと行ってみる。確かに折角の尾根なのに展望なし。 歩道終点のところで 鎌倉橋へくだる道標がある。これが沢コースか。 地図に無いのだが 帰りはこちらから降りてみることにする。 尾根コースより土がふかふかで気持ちがいい。膝によさげ。道は狭いけど。 やはりジグザグにおりて 枯れた沢の跡のようなところを通り 分岐点へ。 ここでお昼にすることに。 ちょっとの間 沢に浸していただけで ぐんと冷たい飲物が手に入る。 行きに浸して行って 帰りに引き上げて飲んだら 重たくないし一石二鳥じゃない? と思いつく。今度試せそうなルートがあれば 一度チャレンジしてみたい。 たっぷりくつろいで さあ帰ろう。と この後。 すっかりいい気分で歩いていたあたしは 右上後方からうなり声を聞いた気がして 肝を冷やした。・・・熊? 急遽彼と前後を代わってもらい 休憩もとらずに一気に下りる。 彼はといえば そのあたりから適当な棒を拾って手に持ち すっかり戦闘態勢。 車までたどりついて ようやくほっとした。ふう やれやれ。 帰りは こまどり荘の温泉に。 看板に大きな赤い字で「木曜定休」って書いてあったので半ばあきらめつつ 一応車をおりてきいてみたら やってたよ~。よかった。 宿泊施設のお風呂を日帰り用に4時までなら解放しているようなのだけれど めっちゃこじんまりしていながらも 掃除が行き届いていて好感が持てます。 シャワーもボタンで一定時間で止まるタイプじゃなくて 一般家庭のものと同じ。 あたしが入ったときは 幸いだーれもいなかったので  浴槽が小さくとも何の問題もありませんでしたけど 混んだらきついかな。 問題はむしろ更衣室にあって 日帰り用じゃないだけに洗面所の電気が暗いのですわ。 化粧するにはちょっと不安になる光加減です。 ドライヤーも一個しかないし。 まあ 場所柄 大繁盛するほど大入りってことは無いんでしょうし ね。 一度泊まってみたいなーと思わせるようなところでした。 小さい子連れが多かったのは すぐ下の川で遊べるからかな。 ほんと帰りたくない このまま遊んで暮らしたい そうは思っても 働かざるもの山にのぼれず 暑い下界へと戻ったのでした。 ふと気がつくとこの二日間 あたしが費やしたのは コインランドリーの洗剤代50円 のみ。 いやあ 実に素晴らしい充実したお休みでした。

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