2005/12/03(土)22:01
人魚姫
☆ 人魚姫 ☆
「・・・・人魚のお姫さまは透きとおった両腕を
神さまのほうへ高くさしのべました。
そのとき、生まれてはじめて、涙が頬をつたわるのをおぼえました。
お姫さまは王女の額にそっとキスをして、王子に微笑みかけると、
ほかの空気の娘たちと一緒に、空へと昇っていきました。」
恋した王子様と、死ぬことのない魂の為に水の泡になってもいいから
人間になりたいと願った人魚のお姫様。
美しい声で本当の事を語れず、歌えもせず
その足を、歩くたび突き刺すような痛みが襲っても
王子様の傍にいる喜びだけを胸に抱き
他の女性を選んだ王子様の幸せを願い
選ばれた王女様をも愛し泡となることを受け入れたお姫様。
・・・ここで、このお話は、お終いなのだと思っていたの。
違うんだって。
もうひとつの願いの「死ぬことのない魂」。
お姫様が良い行いをしたので、空気の精になり
あと300年良い行いをしたら「死ぬことのない魂」を貰えるんだって。
きっと、もうひとつの願いは叶うことでしょう。
何となく嬉しくなっちゃった。
全てが泡になるんじゃ辛すぎるもの。
人魚のお姫様は、もう魂を手に入れられたかな?