「大団円」「アンコール」へ戻る「大団円」TULIP2007-2008“run”ツアー メンバーがステージを去っても、ちゃんと戻ってくるはず。だって、あの曲をみんなで歌わなきゃ。 それに、ステージは明るいまま。来るぞ来るぞ、ほら来た~。 メンバー再登場。客席も一気に明るくなる。 歓声と拍手の中、正式な(?)メンバー紹介。 生ギターコーナーでは、財津さんが勝手に決めた呼び名で読んでいて、フルネームで紹介していなかったから。 財津さんが自分の名前をいったあと、感謝の気持ちを述べたり、再会の約束をしたり。 そして、次の曲のために、がぜん張り切る財津さん。 客席に向かって、あれこれ言葉を投げかけてくる。それをオウム返し。そう、それは発声練習。 あのメロディーが流れてきましたよ。さあ、歌いましょう~♪ 25.「魔法の黄色い靴」(1972年シングル) この曲で終わるというのが、お約束に。 財津さんが指揮をとって、客席の大合唱で幕を閉じるというパターン。 それはそれで、楽しい。やっぱり最後は大団円、ハッピーに終わるのがいい。 このツアーでも、客席の1列目にいて、財津さんの目にとまった人は、マイクを向けられ、ひとり歌っていた。 財津さんは小さな小さな声で歌ってみたり、ほとんどを客席の大合唱に任せたり。自由気ままという感じ。 プレ公演の和光で、最後の曲だと思って、すべての力を出しきってしまうくらいの勢いで、こぶしを振りあげて歌ってみたら・・・ 最後じゃなかったんだよね~。 「魔法の黄色い靴」で終わるのは、もう飽きたっていう意見をどこかで耳にしたんだろうか? メンバーは、曲が終わっても立ち去ろうとはしない。えっ!何?なに? 上田さんがリズムを刻む。あっ、これって・・・なんだっけ? 26.「二人で山へ行こう」(1973年アルバム「TULIP BEST 心の旅」) 上田さんのリズムに続き、姫野さんのギターが奏でるメロディー。うわっ!うそ~! びっくりしたなんてもんじゃない。「2222年ピクニック」同様、鳥肌が立った。 曲が何であるか、わかった途端、客席は、それまで以上にうれしい動揺を抑えきれずにいたような。 この曲をライブで聴くのなんて、私にとって初めての経験。もう心臓がバクバク。 そして、なぜか、吉田さんの顔がパッと浮かんだ。 吉田さん在籍時、いわゆる第1期の曲は、たくさんやっているというのに、これは、ちょっと違うんだな。 97年の最初の再結成の時、せっかくなので、あまりTULIPを知らない友人をライブに誘ってみた。 一応、予習のつもりで聴いてもらおうと、前もって、ライブでやりそうな曲を選曲したテープを渡して。 TULIP通な友人のアドバイスで、「道化者」・「二人で山へ行こう」・・・この流れは、やらないだろうと、選曲せずに。 確かに、97年の再結成TULIP、その後も演奏されることはなかった。が、35周年のツアーでは、ついにそれが。 どうして、「魔法の黄色い靴」のあとに「二人で山へ行こう」なのか? 大きな意味があるのか、それとも、驚かせたかっただけなのか、それは、わからない。 でも、“未来を見つめるバンド、TULIP”には、ふさわしい曲のような気がする。 すべてをやり遂げ、達成感に満ちた顔つきの5人。大きな歓声に満面の笑み。 メンバーがステージの真ん中に集まって、深々とお辞儀。時にはバンザイ三唱をすることも。 もう、その5人の姿が、まぶしくて、まぶしくて。汗のせいなのか、それとも、自分の瞳が潤んでいるからなのか。 キラキラした時間をありがとう。 ステージの去り際、姫野さんは肩にかけていたタオルを客席に投げ込む。 わりと遠くまで投げられるので、いい肩をしているな~と感じたんだけど、よくよく考えてみると、 汗で湿ったタオルをしっかり丸めて、かためて投げるから、遠くに飛ぶのかな~と思ったり。 同じく、肩にかけていたタオルを投げる上田さん。こちらは、ひらひら状態で投げるので、 客席の前方の人がGETすることが多かった。 安部さんは、使っていたピックを手渡したり、ポイッという感じで投げ渡したりしていた。 5人は手を大きく振りながら、次々とステージから去って行く。 まばゆかったステージの照明が落ち、コンサート終了のアナウンスが、非情にも流れる。 ここで、夢の時間から、現実世界へ。 終わっちゃった。でも、また、きっと逢えるよね。 さてさて、この現実世界から、またまた、夢の時間を味わえた公演もあった。それは・・・ 「夢中さ君に」(1973年シングル「心の旅」B面) 福岡公演の2日目、メンバーがステージをあとにして、公演終了のアナウンスが流れても、客席からは、アンコールの声。 再びアナウンスが流れても、まだ帰らない。そして・・・ やる曲がないということで、この曲をやることに。どんな曲でもうれしい。 財津さんの呼びかけで、日頃、裏方の仕事に徹しているスタッフもステージ上に登場。 これは、用意されたことではなく、誰もが予期せぬ幸せな出来事だったと思う。 みんなで歌い、耳を傾け、心はひとつに。 その場にいた、すべての人たちが、もしかしたら、TULIPになっていたのかもしれない。 「私のアイドル」(1974年シングル「ぼくがつくった愛のうた」いとしのEmilyB面) 今回のツアーの最終公演の大阪のみ、演奏し、歌われた。 TULIPを愛してきた人にとって、TULIPは永遠に自分の中にアイドルとして生き続けるわけで、 この曲を聴くと、気持ちが高揚して、胸の中で何かが暴れだす。 最終公演のサプライズとして、この上ない。用意された感もあるけれど、ちゃんと用意していてくれたんだという喜びのほうが強い。 あとあと、NHK BS 2で放送するためのものかと、よこしまな考え方をしなかったわけではないけれど・・・。 でもね、終わりよければ、すべてよし。 <終> ちょっとまって!・・・続くかも。 ジャンル別一覧
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