戦略「脳」を鍛える

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<著者>
御立 尚資 (みたち たかし)

<内容>
ビジネス書に書かれている戦略は成功例の「後講釈」で、もちろん知っていないと話にならない「定石」である。 しかし、既に実例が戦略だけでは競争に勝てない。 競合優位性を確保するための武器はインサイト(洞察力)、これを鍛えるのがこの本の趣旨だ。

第一章 インサイトが戦略に命を吹き込む
戦略論プラスアルファを生み出すユニークな直感力の事例と説明

第二章 思考のスピードを上げる
右脳と左脳のコラボレーションでスピードアップ
(論理思考とパターン認識の組み合わせ)
戦略論のエッセンスでバターン認識する:コスト系、顧客系、構造系、競争パターン系、組織能力系のコンセプトワード
グラフ発想、シャドウボクシング

第三章 三種類のレンズで発想力を身に付ける
視野を広げる拡散レンズ、
狭く深く見るフォーカスレンズ、
思考をジャンプさせるヒネリレンズ

第四章 インサイトを生み出す「頭の使い方」を体験する
架空の例を使ったシミュレーション

第五章 チーム力でインサイトを生み出す

<感想>
優れたコンサルタントに接すると、あるところまでは戦略論の通りで問題なく着いていけるのだが、あるところでパッと驚くべき展開を見せつけられる事がある。 この背景にはインサイトを養うノウハウがあった。

BCG(ボストンコンサルティンググループ)の花形コンサルの面目躍如である。

このインサイトを生み出すのが戦略論の知識の上にユニークな発想を加速していく「スピード」とさまざまなものの見方を可能にする「レンズ」であると説く。

そして、そのスピードはケースのパターン認識、グラフ発想と「シャドウボクシング」(自分の考えを客観的、批判的に見る = クリティカルシンキング)で鍛えられる。

「こんなことバラしていいの」とも思える内容だが、コツが分かっても膨大な実例をこなさないと頭に入ってこないことが分かっているので著者は自信をもって公開しているようだ。

唯一の欠点は問題集。 すぐに答えが出ており、しかもその答えを前提に次の段階に進むので、読者(俺だけ?)はうんうんうなって悩まずに読み進んでしまう。
また、ものの見方を広げるレンズは考え方としては目新しいものではない。 豊富な実例は説得力がある。

<勝手にレーティング>
納得度:4.5
オリジナリティ:4
実用度:4
アマゾン: 4.5
合計:17

<他の作品>
なし

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