退院までの食事【2回目の絶食治療】7月くらいから急性GVHDの食事療法としてどんどん食事の段階を上げて行きましたが、GVHDは治まる気配が無く。常食に近くなった9月の中旬は、食欲がなくほとんど残していました。10月になると食事量は朝0%昼10%夜5%といった感じでジュースやヨーグルトも残していました。 そんな期間が長く続いたので、10月25日からは2回目の絶食が始まりました。1回目の絶食は1ヶ月でしたが、2回目は2ヶ月を予定しました。前回の経験から1ヵ月後からは水分摂取をはじめることとしました。 11月17日から水分の経口摂取が始まり、11月30日からは栄養剤としてエンシュアリキッドをとりました。この頃から下痢が治まり始め、固形物を摂取しているわけではないのに、正常な便になってきました。 12月24日のクリスマスイブから重湯が始まりました。クリスマスプレゼントだったようです。そこに添えてあった手書きのメッセージカードを紹介します 『Merry Christmas 長い入院生活に前向きに取り組まれて姿に、スタッフ一同元気をもらっています。今年はクリスマスケーキは食べられなくて残念ですが、心温まるクリスマスをお過ごし下さい。12Bスタッフ一同より』本当に心が温まった。周りの人全てに感謝した。これだけ良くしてもらえて治んなかったらうそだと心から思った。 正月からは1週間もしないうちに次々に食事の段階があがっていった。なんか退院の直前に常食になったのはちょっと強引かもしれなかったが、半分は食べられた。 【経腸栄養剤】 2003年11月30日 経腸栄養剤(経口・経管両用)エンシュアリキッド250kcal/缶 2003年11月30日 経腸栄養剤(経口・経管両用)ラコール200kcal/パウチ 2003年11月30日 経腸栄養剤とバランス栄養食品 【食事の段階と実例】 食事の段階と概要については、別項[腸管GVHDに対する食事療法]を参照してください。 --------------------------------------------------------------------- 1段階:2003年12月24日夕食 クリスマスイブ おもゆ・清汁・100%果汁・バランス栄養食品 1段階:2004年1月1日朝食 元旦 ほうじ茶・おもゆ・甘い葛湯・清汁・飲むヨーグルト・練り味噌 --------------------------------------------------------------------- 3段階:2004年1月14日朝食 ほうじ茶・全粥・きぬさやの味噌汁・卵豆腐・小松菜の煮びたし・飲むヨーグルト --------------------------------------------------------------------- 4段階:2004年1月23日朝食 退院前日 ほうじ茶・パン・卵豆腐・ほうれん草ソテー・マーマレードジャム・飲むヨーグルト 4段階:2004年1月23日昼食 退院前日 ほうじ茶・そうめん・小松菜の煮びたし・サラダ・白身魚あんかけ・バランス栄養食品・洋ナシ缶詰 4段階:2004年1月23日夕食 退院前日 ほうじ茶・米飯・卵スープ・さわら照り焼き・アスパラ・ニンジンとしらたきの煮しめ・ヨーグルト --------------------------------------------------------------------- 【感想】 経腸栄養剤は気に入ったものをいろいろ試して、飲みやすいものを飲んでくれということだった。エンシュアリキッドのバニラ味は両親に言わせると昔飲んだ脱脂粉乳みたいだと言っていた。コーヒー味はコーヒー牛乳みたいで割りと好きだった。毎日2本飲む事を目標にしていた。 ラコールは薬臭くて私にはあわなかった。バニラ味もバナナ味も口をつけただけで、全部飲んだことが無かった。 バランス栄養食品は少ない量でカロリーもあり栄養素もそれなりに入っていて、取ったほうがよいとされたがどうもあわなかった。毎回テルミールが出てきたが1日1本飲んだら十分。残りの2本は御見舞いに来てくれた人にあげていた。私はホテルオークラのスープの缶詰がお気に入りで、コーンポタージュやパンプキンスープなどを、皿にあけて電子レンジで温めて飲んでいた。 普段の生活では、クリスマスと正月ぐらいは贅沢したくなるものだが、全国に同じような思いをしている仲間がたくさんいるんだろうなと考えた。正月の朝食を作ってくれる栄養管理室の皆さんには頭が下がる。作る人は、おもゆで正月を迎える人を心の奥底で励ましていてくれていたに違いない。特別ありがたい味がしたものだ。 |