変わる魚の放流のあり方。
変わる魚の放流のあり方。放流しても魚は増えない?2023年2月9日北海道大学のホームページに面白い研究結果が掲載されましたね。↓北海道大学ホームページhttps://www.hokudai.ac.jp/news/2023/02/post-1173.htmlタイトルのとおりなんですが・放流しても魚は増えない・放流した種とその他の種で餌や生存場所をめぐり競争が激しくなる、結果生き残れる魚が減ると言ったものです。これは近年この業界からチラチラ耳にしていた方も多かったのではないでしょうか。野生魚を増やす試みで、私達北海道の釣人で身近に起こったのは網走海区漁業調整員会による委員会指示です。↓●関連の人気記事サケ釣りポイントが今年も消える。道東編。この網走海区の漁業調整委員会は多くの人がなるべく納得しやすい形で、様々な根拠や今後の検証を視野に委員会指示をしました。野生魚に関する調査・研究の推進、さけ・ます親魚の河川遡上を促す取組などがあげられます。今回の北大の研究ではサクラマスと言うキーワードがありましたね。また、後志海区漁業調整委員会も似たような委員会指示をしました。●サクラマス資源の安定的かつ持続的な利用を図るためには、親魚の河川遡上を促進させ、計画的かつ安定的な捕獲・採卵を行う必要がある。●後志地域は来遊資源に大きな変動があり、親魚確保が不安定な状況となっている。このため、令和4年度の「ふ化放流計画」から親魚捕獲数を右表のとおり増加させるとともに、珊内川・古宇川・野束川・尻別川の河口規制を見直すことで、将来にわたってサクラマス資源の維持・増大を図ることを目的とするもの。と言う理由です。※右図↓引用:北海道ホームページ後志海区漁業調整委員会の指示の目的は、ちょっと今回の研究発表とは方向が少しずれてしまうかもしれません。親魚の河川遡上の確保です。そしてふ化放流の為の親魚の確保です。理由としては網走海区と若干違いますし、ちょっと弱い気がします。ただ、誤解があると困るのであえて書くと、過度な放流をした場合、魚が減るかもしれませんが、例外的に、非常に余裕のある環境があり、多くの魚が追加で生きられ、種の間で競争が少ない場合この限りではなさそうです。全ての放流が悪いと言う訳ではなさそうなんです。ちょっとわかりやすく野生魚とふ化放流魚の遺伝について北海道大学院農学研究院の荒木仁志さんが発表していだいたている資料がありました。↓サケ学入門 サケマスの自然再生産と保全-野生魚とふ化放流魚の遺伝学―(引用北海道大学HP)https://my.plaza.rakuten.co.jp/diary/update/draft/?d_date=20230227&d_seq=17543565また、違う参考文献も掲載させていただきます。令和元年度水産学進歩賞受賞の文献です。サケを食べながら守りつづけるために 森田 健太郎 日本水産学会誌86(3),180-183(2020)(引用J-stage)https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/86/3/86_WA2730/_pdfちょっと前は放流を続けないとサケマスは絶滅してしまう。なんて話もありましたが、これからは野生魚をどれだけ有効的に増やし利用し、保全するかが焦点の一つとなりそうです。まとめ本当は産卵が終わった後のサケマスを楽しく釣れて、食べられることができれば最高ですが、そうはいかないのが難しいところですね。これからまた時代が一つ動きはじめそうです。最新のサクラマス、ニシン、ホッケなどの北海道の釣り情報はこちらからご覧ください!↓↓↓