北国の遊び方 ~北海道の釣りブログ~

2021/08/14(土)11:04

このやり方はアウトでしょ。マグロ釣れすぎてもはや赤信号。

マグロ(81)

もはやマグロを対象とした遊漁が赤信号です。 今年は、えっ?もう終了なの?って勢いなんですが・・・・。 開始早々始まった取組で、正直に対応した遊漁者が逆境に立たされています。 もう、誰も正直に対応する人いないんじゃないかな? 今回いつもより文字数多いので苦手な方はお戻り下さいませ。 このやり方はアウトでしょ。マグロ釣れすぎてもはや赤信号。水産庁と北海道の微妙な表現の違い日本海各地でクロマグロ釣りがシーズンインしているようですが、今年から色々な取組みが始まったところですね。 ちなみに、このクロマグロを対象とした遊漁では水産庁からのお願いは2つです。 それは資源保護、資源管理が必要だと前置きして 〇30kg未満は放流。 〇30kg以上は報告。 とのこと。 引用:水産庁ホームページ参考 ↓ 水産庁ポスターPDF そして北海道の水産林務部からの通知は 引用:北海道ホームページ 参考 ↓ 【R3.6.1~】クロマグロを対象とする遊漁者・遊漁船業者の皆様へ 微妙な表現の違いはあるものの、水産庁と違うのは最後にこう書かれてあります。 〇なお、遊漁者や遊漁船業者の皆様には、漁業者の資源管理の取組にご配慮いただき、大型のクロマグロであっても、引き続き、採捕を自粛されますようご協力をお願いします。 魚の大小関係なく採捕を自粛して下さいとのことです。 採捕を自粛して下さいとのことなのでリリースすれば釣りは問題ないようです。 採捕の報告したらたった二週間でギブアップ 先程も書きましたが大型魚は6月1日より報告が必要になりました。 その概要は以下をクリック ↓ 太平洋広域漁業調整委員会指示第 39 号の5に基づく遊漁者によるくろまぐろの採捕に関する事務取扱要領 その3Pにこう書かれています。2 個人情報の取扱いに関する同意 上記報告の内容について、水産資源の資源評価、操業実態の把握、国際的な枠組みにおける資源管理その他の漁業生産力の発展に資する取組に活用するため、国の機関、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。)その他の関係機関(これらの機関から委託を受けて当該取組に関する業務を遂行する者を含む。)へ提供されることがあることに同意します。 少し切り抜きます。 ・水産資源の資源評価 ・操業実態の把握 ・国際的な枠組みにおける資源管理その他の漁業生産力の発展に資する取組に活用するため この情報が関係機関に提供されることがあるそうなんです。 さて、本題に入りますぞ!! 今回問題になったのはこの協力要請です。 ↓ 参考水産庁HP 遊漁によるくろまぐろ(大型魚)の採捕に関する協力要請について(令和3年6月17日)(PDF192KB) 少し切り抜きます​現在、特に日本海においては、くろまぐろを対象とした遊漁が盛期を迎えており、6月1日から現在までに報告のあった大型魚の採捕状況は、水産庁がこれまでに都道府県を通じて実施してきたアンケート調査の結果に基づき当初想定していた水準を大幅に上回る数量となっています。  今後、このまま遊漁によるくろまぐろ(大型魚)の採捕が高水準で推移すれば、漁獲可能量制度に基づく現在の枠組みにおける適切な管理が困難となり、遊漁によるくろまぐろの一斉採捕停止等、更なる規制処置の導入を検討せざる得ない状況となります。  つきましては、本年12月末までの期間、日本海・九州西地区において、くろまぐろを目的とした遊漁を控えるように、関係者への指導方、ご協力をいただきますようお願いします。​ えーーー!!!!!!!! 6月1日にこの報告が始まって協力要請が出たのは6月17日。 なんと、たった二週間ほどでマグロが釣れ過ぎで、もうヤバイですとなっているんです。 しかも、こんな気になることも書いてありました。 水産庁が都道府県で実施してきたアンケ―ト調査の水準を大幅に上回っていると。 昨年、都道府県に登録されている遊漁船業者のうち業務規程の「採捕させる水産動物の主な種類」にマグロ類が含まれる遊漁船を対象としたアンケート調査では​ 引用:水産庁ホームページ​ マグロを対象としている遊漁船業者は令和2年で1110業者。 そして、マグロの採捕量は 小型5.6トン、大型は10.2トン。 全重量は15.8トンとなっていました。 それがなんと、今年漁業者も含め遊漁者にも報告させたらなんと、 太平洋、日本海、九州西を合わせたらたった16日で10トンを超えてしまったのです!! ※数にして、この広い日本の海で264匹です。 引用:水産庁ホームページ これ、もう笑えませんけどギャグでしょう!!! としか言いようのない事態です。 しかし、普通に考えればアンケートの数字はおかしい数字なんです。 仮にマグロを対象としている遊漁船業者が令和2年で1100業者いたとして、全体で15.8トンって数字はおかしすぎるんです。1業者あたり平均すると約14.2キロです。 そして、日本海・九州西・太平洋を合わせると242匹。1業者あたり平均すると約0.22匹です。 そんな訳ないですよね。 去年どんだけ遊漁船業者真面目に報告してなかったんだよ。って感じなんですけどね(笑) この数字を真に受けて、今年の遊漁における採捕量の想定水準を見込んだ水産庁もちょっと問題があったのではないでしょうか? その見込みのおかげでたった二週間でこの要請。やり方的にはアウトかと思います。 そして、 遊漁船業者は真面目に報告したら間違いなくクロマグロを対象とした遊漁に規制が入ることをわかっていたのではないでしょうか? しかもちょっとこの文にトゲがあるな~と思ったのは遠回しにそちらが昨年のアンケート調査を適当に回答するからこんなことになってるんじゃないの?ともとれます。 何百万も何千万も投資して買った船。海が時化たら沖にはでられない。そして収入は入らないし、船のローンもあるし、生活にもお金はかかる。また、年中マグロは獲れない。 そんな不安と戦いながらこの業界にいる船長達にマグロを対象とした遊漁を控えて下さい。って開始早々言われて従う人っているんでしょうか??これも遠回しに廃業して下さいって言ってるようなもんです。 東北、北海道なんてまだシーズンインしてないエリアもあります。 まともに仕事も出来てないのにいきなり遊漁控えてって言われた遊漁業者の気持ちってどうなんでしょ? はい。わかりました。では控えます。うちの船一人1万8000円です。船に5人乗りますんで一日9万円の収入がなくなりました。燃料代経費差っ引いて5万円保証してくれるんですよね!! 6月から11月までの半年間、約180日、900万円ですね!!! って、してくれるわけありません。 遊漁船の船長の多くは組合があるわけではなく、個人でやっているので船を購入する時に補助金なんてものも無い方が殆どです。大半の方が大金を借金しているワケです。 これは開始早々やり過ぎなお願いだったんじゃないでしょうか。 少し話戻しますよ、この報告、どんなことに使われるんでしたっけ? ・水産資源の資源評価 ・操業実態の把握 ・国際的な枠組みにおける資源管理その他の漁業生産力の発展に資する取組に活用するため でしたよね。 これって、遊漁控えて下さいって言われたら本当の実態の把握や資源評価なんてできないんじゃないでしょうか?? こうなると、遊漁者もまともに報告なんてする人も激減するでしょうし、今後出てくる数字は偽りの数字でしかありません。 水産庁が言いたいのは、もうこんな実態の把握はどうでもよく、逆にとんでもない大きい数字が出てきたら国際的にも国内でも問題になりそうだし、どうにかして火消しをしたいようにも感じます。 この報告が始まってから色んな噂が飛び交いました。 採捕の報告をおこたるとあーなるとかこうなるとか。 しかし、蓋をあけたらたった2週間足らずで遊漁を控えるようにとこんな結果となりました。 釣り人も今ある決まり事の中で、真面目に報告したらとんでもないことに巻き込まれてしまったと言うところでしょうか。 ちなみに釣りとは、公共水面である海や川で、自然状態である水産植動物を採捕する行為の一つです。 そして遊漁とは営利を目的としないで水産動植物を採捕する行為のうち、調査や試験研究を除いたものです。 公共水面での遊漁があれこれ規制されることは時には必要だと私も強く思う一方、その方法だったり、実施時期だったり、目的が少しずれるとこんなにも悲しい気持ちになると思う一コマでした。 え?でも漁獲枠拡大を提案するの? さて、ラストです。 水産庁はクロマグロ資源管理の国際会議を前に漁業者と意見交換会を最近開催しました。 漁業者からは太平洋クロマグロの漁獲枠について増加して欲しいとの意見が多かったようです。 そして、その意見を反映させこの会議で漁獲枠拡大を提案する調整をするそうです。 3年連続見送られているこの提案は果たして通るのでしょうか? 拡大されたら遊漁の規制も緩くなるんでしょうか? また、問題になっている産卵期の巻き網は今後どうなるのでしょうか? 津軽海峡付近では、はえ縄も行われていますが、巻き網ほどの破壊力は無いでしょうし、この地域の漁師さんなんて針一本で勝負してる方が沢山いますからね。 もしかして、マグロ漁師と一括りに言われるのも嫌に感じている人も多いかと思います。 今回の件については、アングラーが比較的少ないマグロ釣りだったから、この程度騒ぎだったかもしれませんが、仮にみなさんが大好きなサケやサクラマス釣りに置き換えるととんでもない苦情が出たんじゃないかと思います。 サケマスの漁獲量が減っているから資源管理が必要です。今も資源管理を国で一生懸命しています。そこで遊漁の実態を知りたいから釣り人の皆さん、釣ったら報告してください!しかし2週間で今年サケマス釣りを遠慮して!って言われたどう思いますか? もう、担当部署の電話が鳴りやまないのが想像できますね。 色々な取組には必ず長所と短所が存在しますが、この取組は機能すらしなかったのが現状だと思いました。 私もこの釣りが大好きですし、ずっと続けたいです。資源の状況に応じてはシーズン途中で釣りができなくなるのを覚悟で行っています。 また、行政が行っている資源管理の一部には称賛の意見もあります。なので今回の記事も全てにおいて強い意見や感想があって書いたわけではありません。そして、協力できるところはしたいと思っていますが、このやり方には不平等感がありすぎて少し問題があったのではないでしょうか。 まとめ思わず熱が入って長くなってしまいました。 先日、中国地方のとある県水揚げのクロマグロが近所のスーパーで売られていましたが、とっても血が回っていて美味しくなさそうでした。多分巻き網でとって尾びれバンバン、血抜きゼロだったんでしょうね・・・。 さて、まだまだ北海道はまともにシーズンインすらしていませんが、今年はどうなることやら。 しばし行政の対応を見続けたいと思います。 最新の北海道の釣り情報は こちらからご覧ください! ↓↓↓

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