とるこ音楽観察日記。

いつものように何となくトルコのテレビをみていた先日、すごいクリップを発見した。
覚えられるわ～とか思って、歌手名とか題名とか大抵メモしなかったので、
しばらくするとやっぱり覚えていられずに、記憶から飛んでしまった(笑)

記憶の端切れを拾い集めて、何とか題名が
　　　　　Ask-i Hurrem(ｱｼｭｸ･ﾋｭｯﾚﾑ)
だったよなぁ、と思い出してYoutube検索してみたら何と、ヒットしなかった(泣)
仕方ないからググってみたら、今度はヒット！！
でもそのクリップは置いているサイトが無かったので、今回は紹介できない…。


で、一瞬だけ見た、そのAsk-i Hurrem、どんなクリップだったかというと。

解説は、まず題名から。
Hurrem(ﾋｭｯﾚﾑ)というのは、オスマン帝国の１０代皇帝スレイマン１世の后で、
ロクセラーナ（「ロシア女」の意味）という呼び方で、よく知られる女性である。
スレイマン１世に非常に愛された女性だけれど、
オスマン帝国を衰退させた原因を作った人物として、歴史上の評価は非常に低い。
けれどもいろんな逸話で有名な人物なのだな。
宝塚で舞台化したら、面白いかも。

さてそんなスレイマン１世の時代はおそらくオスマン帝国の絶頂期で、
その時代には、数多くのモスクを代表とする大建築物を設計し建てた
ミマール・シナンも活躍していた。

んで、そのクリップはミマール･シナンの建てたスレイマン・モスクなどの
建造物をその時代の風景とともにＣＧで復元させて、
クリップを見る私たちが、まるで空を飛ぶ鳥になってその風景を見ているかのような、
実にキレイでいい眺めの映像なのだった。
全く風景のＣＧのみで、歌手は出てこないけれど、
その映像を壊さないような囁くような歌だった。

う～ん、これで伝わるかなぁ…。


ググったところで歌手名が判明したので、その歌手名からYoutube検索をかけると、
別の曲だけれど、非常に似たクリップがあった。
まぁ、何も言わず１度見てくだされ。
Can Atilla(ｼﾞｬﾝ･ｱﾃｨｯﾗ) - Sultanlar Askina(ｽﾙﾀﾝﾗﾙ･ｱｼｭｸﾅ)
（↑リンクをクリックすると、別窓でYouTube上のクリップが見れます。）

ここに出てくるスルタンは、オスマン帝国の７代皇帝「征服者」メフメット２世。
１４５３年、当時コンスタンティノープルと呼ばれていた
東ビザンツ帝国の首都（今のイスタンブル）を、
彼が攻略し陥落させた映像がＣＧでクリップ化されているのである…。


オスマン帝国の侵略に抵抗するビザンツ帝国は、
ボスフォラス海峡の入り口、金角湾に鉄の鎖をかけ、船団が航行できないようにする…。

そこでオスマン帝国側は、人海戦術で船を陸地に揚げて引っ張り、
海峡の向こう側へ船を運んで再び海に降ろし、そこから市街地に攻撃をかける…。

その映像の合間には、当時まだ教会だったアヤ・ソフィアや
その前の広場にあるオベリスク（エジプトから持ってきて据えてあった）、
等々の当時の風景が、細かく美しく再現されているし、
コラージュされたオスマン調の文様もキレイで、ため息が出るくらい…。


ってなわけで、これらのクリップは歴史絵巻クリップと命名することに勝手に決定！(b^ー゜)♪


しっかし、こんだけ映像の美しさ、素晴らしさについて延々書いたのに、
歌についてのコメントは、特に無いのだった(笑)


※　最新の歴史研究の結果、「オスマントルコ」という呼び方より、
　「オスマン帝国」の方がふさわしいということなので、その部分を訂正しましたm(__)m