南トルコ・アンタルヤの１２ヶ月*** 地中海は今日も青し

[最新トルコ＆アンタルヤ事情] カテゴリの記事

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  平和と平安への希求

  真夏の焼け付く太陽と青い空の下ではためくトルコ国旗。歓喜と祝祭のためのものではなく、追悼と祈りのために掲げられたものである。街を行き交う人々の動きは、いつもと同じようでいて、どこかぎこちなく見える。抑制された声で会話しあう親子。地元の人間の目撃談に耳を傾ける通行人。爆発音の静まった後の、奇妙な沈黙と静寂。警察官の多さと、進入禁止のテープが、その場所を一目瞭然に示していた。復旧作業は急ピッチで進められていた。瓦礫や割れたガラス片は、夜を徹して行われた清掃作業によってほとんどその場から姿を消していたし、バイクなどの炎上した跡は何処にも見出せなかった。何台も横付けされたガラス業者のトラックと、取り付けを急ぐガラス職人たちの姿が、一刻も早い復旧への希望を表していた。ベレディイェ（区）は、いち早く新しい看板を掲げ、その下に大きなトルコ国旗を吊り下げた。歩道の上には、ある政党によって行われた抗議行動の名残である、赤いカーネーションが残されていた。****マルマリス、イスタンブール、そしてアンタルヤと続いた連続爆発事件により、再び観光業への大打撃が懸念されている。一部の海外メディアでは、トルコへの渡航自粛を勧める論調が幅を利かせているらしい。最近トルコ国内では、この手の事件に関するニュースそのものを小さく扱おうとうする報道自粛傾向がさらに強まった。テレビ・ニュースでは、トップの扱いではない。新聞は全国紙の１面にではなく、５面、６面あたりに小さく掲載するのみ。地方版および地元テレビ局にいたっては、完全無視。まるで事件そのものが発生しなかったかのような錯覚さえ覚える。トルコ国内および地元の観光業へのダメージ回避、観光客および住民のパニック回避、業界への遠慮、・・・などいろいろな理由が考えられるだろうが、詳細情報をまっ先に知る権利のある国民や地元民のもとに情報は届かず、国際通信社を経由していち早く海外に詳細情報が流れる構造は、決して望ましいものではない。海外では一層不安が掻き立てられ、当の国内では常習化して一層危機感が弱まっているように見えるのは、気のせいだろうか。いつも応援ありがとうございます。同様の事件が引き続き起こされないこと、他の都市へ引き継がれないことを祈ります。人気blogランキングへ 

  2006/08/29

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  「国際４月２３日子供の祭典」＠ホスト都市アンタルヤ

  *昨年の４月２３日の日記（１）（２）（３）来る４月２３日は、トルコでは「国民主権と子供の祭典（Ulusal Egemenlik ve Cocuk Bayrami）」という国民の祭日にあたる。歴史を遡れば、１９２０年４月２３日トルコ大国民議会（TBMM）の第１回会議を記念する日であり、トルコ国内に限ったお祭りの日のはずなのだが、アタテュルクによってこの日が「トルコのすべての子供たちへの、世界中の、子供の祭典を持たない国の子供たちへの贈り物」と位置づけられたため、「世界子供の祭典（Dunya Cocuk Bayrami）」とも呼ばれている。この祭日に合わせ、ＴＲＴ（トルコ・ラジオテレビ協会/トルコのＮＨＫのような存在）主催、コチ財団の後援で、毎年、世界数十カ国から多数の子供たちがトルコに招待され、その年のホスト都市となった町では、さまざまな催しが繰り返され、その様子はテレビを通じて全国に放映される。民族衣装を身に着けてのパレード。民族舞踊をはじめとした自国の文化が披露され、国境・国籍を超えた子供たち同士の文化交流・民間交流が行われる。そのホスト都市に、今年はアンタルヤが選ばれた。今日１７日に開幕する「第２８回、国際４月２３日子供の祭典（Uluslararasi 23 Nisan Cocuk Senligi）」参加のため、今年は世界３８カ国から、合わせて約１８００人の子供たちが昨日までにアンタルヤ入りした。各国の子供たちにはそれぞれ、アンタルヤ市内にある合わせて４０校の学校がパートナーシップを務め、子供たちは４月２３日のフィナーレまでの約１０日間、学校の生徒たちの家にホームステイするのだという。****今日の午後、アタテュルク大通りに面した銀行に出掛け、約１時間ほど順番を待った後、ようやく用事を終えて通りに出ると、道路はガランと空っぽ。車の進入禁止となっているらしかった。来る時にミニビュスの中から見えたジュムフリイェット広場では、大きなスクリーンや音響装置などが設置されていたので、何かのトレン（式典）が開催されるだろうことは察しがついていた。さらにジュムフリイェット大通りには、空気を入れて膨らまされた大きなゲートが設置されており、「子供の祭典」の文字が見えたので、４月２３日の子供の祭典に関連する催しの準備だろうとは思っていた。アタテュルク大通りから、労働銀行交差点までやってきた時、後方からパレードの近づく音が聞こえてき、初めて事の次第を察した私。「国際４月２３日子供の祭典（Uluslararasi 23 Nisan Cocuk Senligi）」の本日が開催日であり、カラアリオール公園を出発地点とするパレードがつい先ほど始まったところだったのだ。時刻を見ると、まだ１０分ほど余裕があった。私は迷わず、絶好の観察ポイントと思われる労働銀行の角で足を留め、パレードの様子を見守ることにした。   アゼルバイジャンの子供たち ボスニア・ヘルツェゴビナの子供たち, 中国の子供たちクロアチアの子供たちわあっ！日本からも！剣道着に身を包んだ東京錬武会の子供たちリトアニアの子供たちメキシコの子供たちモンゴルの子供たち****アンタルヤ市内数箇所、および近郊のシデ古代遺跡などを舞台に行われる催し、アンカラへの表敬訪問などのプログラムをこなした子供たちは、アスペンドス古代劇場で行われる４月２３日のガラ・プログラムを終え、ピクニックで緊張をほぐした後、いよいよアンタルヤを離れ、帰国の途に着く。風光明媚なアンタルヤと、ここで出会った世界中の子供たち、トルコの子供たち、トルコの素晴らしい思い出を胸に。なおガラ・プログラムは、２３日午後４時からＴＲＴにて全国に生中継される。*TRT/23 NISAN 公式サイト

  2006/04/17

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  アンタルヤ発、地中海クルーズはいかが？

  結婚・出産以来、（トルコ）国内旅行に出ることもままならなくなった私であるが、訪れたい旅行先のリストだけは、年々増え続けている。また、両親が家業をやめて初めて旅行に出られるようになってからは、両親に少しでも海外を見せてやりたいという思いから、「老親と家族６人でできる旅」には何が相応しいか、時々空想にふけるようにもなった。子供と老人がいる場合に、私が一番頭を悩ますのが、移動の足。その次に荷物運び。都市から都市へ、目的地から別の目的地へ。電車やバスなどの公共機関を乗り継ぐ移動ほど疲れるものはない。移動の度に発生する荷物の取りまとめと運搬、これまたしかり。理想的なのは、ゲートウエイとなる都市までは飛行機。そして空港から出発地の空港まではすべて車を利用すること。車なら、宿泊ホテルから次の宿泊ホテルまで、ドア・ツー・ドアでの移動が可能。宿泊に必要ない荷物は車の中に置きっ放しにできるし（ただし、国、都市によっては、荷物は外から見えない場所に隠しておく必要がある）、移動の途中で欲しい物を取り出すことも簡単。車は、道をよく知ってるベテラン運転手付き。それなら全員が風景を楽しめるし、いちいち地図でルートを確かめたり、分かれ道で余計な喧嘩をする必要もない。さらにミニバス・タイプなら、ひとり１席以上とれるので、足を上げたり横になったりと何かと楽ができる。（実際は、予算の関係でドライバー＝夫で、７～８人乗りくらいのワゴン車がせいぜいだが、その考えを実行に移し、今まで２回、ドイツとスイスで親子孫６人レンタカーの旅を実現したことがある）しかし、この考えを発展させていくと、最後に行き着くのはやっぱりクルーズの旅！になる。港を出港してからは、移動も食事も、観光もアトラクションも、全部おまかせ♪荷物運びの必要がない、運転の必要がない、交通事故の危険性がない（万に一つ？）、レストラン探しが必要ない・・・楽チンなのだ。観光はオプショナルだし、フォーマル・ウエアも必要だし、何かとチップは必要だけど・・・。だから、次回両親と一緒に家族旅行をする機会がもしあれば、エーゲ海、もしくは地中海クルーズ！とひそかに決めていた。といっても、何もアテネまで行ったりする必要はない。エーゲ海クルーズならクシャダス発着、地中海クルーズならイスタンブール発着のクルーズ船がちゃーんとあるのである。クシャダス発着エーゲ海クルーズは、４日間か５日間でパトモス島～（ロードス島）～クレタ島～サントリーニ島～ピレウス（アテネ）～ミコノス島を回るパターン。イスタンブール発着地中海クルーズは、８日間でドブロヴニク～ヴェネツィア～バーリ～カタコロン（オリンピア）～イズミールなどを回りながらイスタンブールに戻ってくるパターン。トルコ発着のクルーズはそれくらいだと思っていたら、なんと！いつのまにか、アンタルヤ発着の地中海クルーズ船も就航していたのだ。これは知らなかった。今年もクルーズ・シーズンが近づいているらしく、最近盛んに広告写真を見るようになった、このアンタルヤ発地中海クルーズ。船名は「Orient Queen」 写真提供© Andreas Alexandrakis, Limassol 2005.スケジュールと寄港地は以下の通り。　　　　　　　　　　　　　　　　 到着　　　　 出発水曜：　アンタルヤ　　　　　　　　　　　 ２２：００木曜：　ロードス島　　　　　０９：００　　１８：３０金曜：　ピレウス（アテネ） １１：３０　　 ２３：５９土曜：　ミコノス島　　　　　 ０８：００　　２３：００日曜：　マルマリス　　　　　１３：００月曜：　マルマリス　　　　　　　　　　　　０３：３０火曜：　ベイルート　　　　　 ０６：００　　１７：００水曜：　アンタルヤ　　　　　１４：００えっ？なぜにベイルート？と不思議に思って調べたら、どうやら「ABOU MERHI DRUISES」というレバノンの客船会社が運航しているもののようだ。湾岸諸国に拠点を置く初の豪華客船として、２００５年１０月にバーレーンで初就航。パナマ船籍。８階建て。船室数は４１４室、総客数９１０名。つまり、アンタルヤはただの寄港地、というわけになるのか。まあ、それでもアンタルヤ発着には変わりがないが。今年２００６年度のアンタルヤへの初寄航は５月３日水曜日。またマルマリスへの初寄航は５月７日日曜日となる。ベイルートまで、わざわざ４７時間半もかけて往復するのはちょっと退屈だなあ・・・と思いきや、マルマリスで下船という手もあるらしい。大きな宣伝広告を打ち出している「hey travel trends」という旅行会社のキャンペーンでは、水曜アンタルヤ発、日曜マルマリス着、４泊５日のツアーで、５月３日から６月１４日までのローシーズンにつき、ツイン一人当たり料金は、最低３９０ユーロから始まるようだ。私たちのようにアンタルヤに住む者としては、アンタルヤに着いてくれるのが一番だが、旅行者としてトルコにいらっしゃる方は、トルコの有名リゾート地と地中海クルーズの両方を一度に味わえるプランとして、一度検討してみられてはどうだろうか？  *なお、各クルーズの詳しい運航スケジュール等は、こちらの方に記載しました。ぜひ参考にされてみてください。【追記】トルコ人を配偶者に持つ方から、ギリシャ・ヴィザについて心配する声が多く聞かれましたが、たまたま見かけた記事によれば、ORIENT QUEENのアンタルヤ発着の開始にあたって、トルコ人やロシア人がヴィザなしで渡航できるよう配慮されたとのこと。ORIENT QUEENだけの特典だと思いますが、耳寄り情報ですね♪

  2006/04/13

• あのアクビルが、アンタルヤにやってくる！？

  イスタンブールっ子には、今やすっかりお馴染みのアクビル（Akbil）。アクビルは「アクッル・ビレット（Akilli Bilet）」の略で、「お利口さんチケット/スマート・チケット」という意味。つまり、市内の公共交通機関のほとんどすべてに利用できる電子式の便利なプリペイドチケットなのだという。「という」としか言えないのは、話だけはよく聞くし写真でも見るのだが、私、実はまだ実物を見たことないし、もちろん使ったこともないから。もうイスタンブールには１年半もご無沙汰しているし、せっかくイスタンブールに滞在しても、出掛けるのは家の周辺のみ。ほとんど繁華街にお出掛けしない田舎者なのである。あ～あ、恥ずかしい。ところが。アンタルヤにも、このアクビルを導入しようという計画が大急ぎで進行している、らしい。アンタルヤ大市庁総務長の話では、現在、契約要件を準備している段階で、遅くとも２～３ヶ月以内には入札が行われる予定であるという。現在、アンタルヤ市内で運行されている公共交通機関は、市バス（特別市民バス）、ターミナルバス（テルミナル・オトビュス）、ミニビュス、トラムワイ（トラム）の４種類。いずれも運賃はその都度、乗車時・乗車後に、しかも運転手に手渡しするというアナログなシステムが運用されている。この運転手と乗客との間で発生するお金のやり取りは、停車時間を引き延ばし渋滞の原因となったり、運転手の注意を散漫にし事故の原因となったりするために、長年問題視されてきた。アクビルが導入されれば、少なくとも運転手は運転に専念することが出来るし、停車時間は短縮され、乗客はいちいちお財布を引っ張り出したり、あらかじめ小銭を用意する心配がなくなる。良いこと尽くめ、という印象ではあるが・・・・。アンタルヤには、アクビル導入以前にまず改善されねばならない問題がある、と思う。それは、アンタルヤ市内の公共交通システムそのものを見直すこと。トラムワイの路線・便数を増やし、市民の足として確立させること。必要があれば、メトロなどの新たなライル（レール）・システムを構築すること。ミニビュスの車体を新しくし総数を減らし、路線を見直し無駄な路線を整理すること。市バスの路線・便数を増やすこと。毎日のように市バスやミニビュスを利用する私を例にとると、例えばこんな不便な状況に置かれている。車なら５分で着くアンタルヤ考古学博物館。ここへバスで行こうとすれば、市バスかミニビュスで１０分。一番近いと思われる停留所で下りて、さらに１０分近く歩かねばならない。同じく車なら１０分で着く新工業団地。もしバスで行こうとすれば、二つのミニビュスを乗り継いで、１時間弱かかる。車なら、１５分ほどで着くオトガル。こちらもふたつのミニビュスを乗り継いで、１時間少々。つまり路線が健全に、無駄なく組まれているとは、到底思えないのである。これだけ外国人・トルコ人問わず市外からの訪問者を抱えるアンタルヤで、少なくともオトガルへのアクセスだけは、トラムワイ、メトロのようなライル・システムが市内の東西南（北）から確保される必要がないだろうか？いや、空港からの市内中心部へのアクセスだって、メトロ一本でアンタルヤの中心街ドーウ・ガラージュ辺りへ繋がってくれたら・・・・。エキスポ・センターから空港へ。空港からメイダンへ、そこからドーウ・ガラージュへ・・・。いや、せめてメイダンまででもいい。そこからトラムワイでカレカプス。あとは従来のトラムワイ路線と同じ。ただし路線は、現在のように博物館が終点ではなく、そこからファレス・ホテル、シェラトン・ホテルの前を通ってミグロス交差点を通過し、海岸沿いにリマン地区まで延びると完璧である。オトガルから南下する路線は、ミグロス交差点で東西を走る路線に合流する。オトガルから空港へは、チェヴレヨル（環状線）の下を通るメトロによって、直通化される。こうなれば、北はオトガル、東は空港、西は港。このアンタルヤへの３つのゲートウエイがひとつに結ばれることになるのだが・・・・。アクビルを発端として、そんなことをつらつらと考えていたら・・・今日になって、アンタルヤの将来を明るく照らす一条の光が差し込んできた！今日付けの新聞記事によれば、以前から問題提議はされながらも一向に話が進展しなかった、新たなライル・システムを構築しようというプロジェクトが、とうとう実現化へ向かう一歩を踏みだしたという。アンタルヤ大市長メンデレス・テュレルが公表した「軽ライル・システム・プロジェクト」は、アンタルヤ北部ファーティヒ地区（オトガルのさらに北。アンカラ・ヨル（アンカラに向かう国道）の始発点にあたる）を始発とし、１６の停留所を経てメイダン交差点に到達するトラムワイ路線の新設を手始めに、市内中にトラムワイのレールを張り巡らそうとするもの。（ちなみに、新路線の始発から終点までの所要時間は２５分、平均時速は２７km/h）ファーティヒ～メイダン路線完成の後には、さらにリマン～イェシルバフチェ路線、メイダン～空港路線、オトガル～ジャム・ピラミッド～メイダン路線に着手する予定だという。（なお、新設されるトラムワイ路線上を走る現行の公共交通機関は、トラムワイの完成と同時に全廃される）試算では、２０１０年には、一日当りの乗客キャパシティは１５万人まで可能となり、朝晩のラッシュ時には４．５分毎に１本のトラムワイが発車できるようになるだろうという。なお、このプロジェクトの必要経費は、初年度だけで２，２９７万ドル。総経費は１億２千万ドルに上る。市は現在、財源の確保を進めている段階で、確保でき次第、入札に入る予定という。ああ！私が思い描いた、オトガルと市内中心部とを結ぶトラムワイが！空港と市内中心部を結ぶトラムワイが！我が家の近くを通るトラムワイが！・・・・・・しかし、本当に実現するのだろうか・・・・・・？首相が代替わりすれば、市長が代替わりすれば、ガラリと政策の変わってしまうのが常のトルコ。特に政権政党が変われば、前政権政党の行った政策、残した計画を打ち壊すような態度に出るのがトルコ人。ＡＫＰ出身の現市長は、アンタルヤにご執心のエルドアン首相の肩入れのおかげで、これまでも立体交差点、エスカレータ付きの歩道橋などいくつもの土木プロジェクトを成功させてきたが、次期も続けて市長の椅子に座れる保証はどこにもない。（まあ、これまでのところ派手な宣伝も効いてるし、次期も安泰なのは見え見えなのだが・・・）プロジェクトが途中で頓挫せず、アンタルヤに「夢のライル・システム」が無事誕生してくれることを祈りたい。

  2006/04/12

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  アンタルヤにローカル版スタバ誕生！？

  つい先日、走る車の中から見かけ、目が釘付けになった。工事現場にかかった巨大な垂れ幕。丸の中にコーヒーカップをデザインしたコーヒーショップのロゴ。車はあっというまに通り過ぎてしまったが、ついつい目で追ってしまう。わあっ！ひょっとして、アンタルヤに初のコーヒー専門店誕生！？もしそうならスゴイ！ウレシ～～イ♪バンザ～イ！！！いや、何をそんなに騒いでいるの？と不思議に思われる方。アンタルヤは都会だと思ってらっしゃる方。コーヒーショップ如きで？？と首を捻られた方。アンタルヤには、いまだスターバックス・コーヒーはありません。グロリア・ジーンズ・コーヒーなんて、誰も知りません。コーヒーを専門的に飲ませてくれるコーヒーショップなんて、私の知っている限りではありません。（←怪しいけど）つまり、正真正銘、アンタルヤ初のコーヒーショップになるわけ。（たぶん）このお店を皮切りに、アンタルヤにもようやくコーヒー旋風が吹き荒れる！？ことになるかも！？ちなみにアンタルヤでも最近は、パスターネや映画館の中にあるコーヒースタンドなどで「フィルターコーヒー」が飲めるようになったけど、そのほとんどは「ドリップコーヒー」ではなく、エスプレッソ・マシンを用いた薄いエスプレッソ。しかもお値段も高くて３ＹＴＬ（約２７０円）はする。（あ。たぶん唯一の例外が５Ｍミグロスの中にあるダルマイヤー）だから、日本式のドリップコーヒーを飲みたければ、安くて味も安定したマクドナルドやバーガーキングになってしまっていたのだ。コーヒー党の私としては、ものすご～く待ち遠しい。オープンは、４月８日だという。場所は、カレカプス。アッタロス２世の像を正面に、左手に数１０メートル進んだジュムフリイェット大通り沿い。オープンしたら、またこちらでご報告します。ちなみにトルコ在住の方。この[KAHVE RUYASI/COFFEE DREAM]というブランド、ご存知ですか？？検索してみたけど、こんな名前のコーヒーショップ・チェーンはどこにも見つからなかったので・・・。ロゴデザインも平凡だし、どうみてもイェルリ・スタバ（地元版スタバ）という感じだけど、そんなことまあいいさ。ブランドにこだわらない私としては、安くて美味しければいいんだもんね♪

  2006/03/24

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  コイン式公衆トイレ、アンタルヤにデビュー！

  そろそろミニビュスを降りる頃だなあ～と頭をもたげ、窓の外をふと見やると・・・「おおーっ！あれはっ！」 なんと、アンタルヤのへそ。カレカプスの近くに、コイン式全自動（？）公衆トイレがお目見えしていたのである。つい昨日までは何もなかった空間に、突如出現した最新型公衆トイレ。最近新聞もろくろく読んでいなかったので、事前情報もなく、久々の感動～！コイン式全自動（？）公衆トイレなんて、昔パリでしか見たことなかった。トルコにとっくに上陸してたんだろうか？イスタンブール、アンカラ、イズミール等にお住まいの皆様。お住まいの町にはもう設置されてるのでしょうか？デザインも十分モダンだし、車椅子ごと入れるので中は広そう。まだ設置されたばかりで、ランプはCLOSEDになってたけど、今度暇があったらぜひ、初体験してみたい。トルコのコイン式全自動（？）公衆トイレ～♪しかし、まてよ。銀行のＡＴＭとかエレベーターとか、とかく全自動のものが始終壊れるこの国で、トイレが壊れて中に閉じ込められたら、どうしよう～！？やっぱり、しばらく様子を見るとするか・・・。ちなみに、料金は１ＹＴＬ（約８５円）。１ＹＴＬコインの他に、５０ＹＫＲ、２５ＹＫＲコインも使用可。使用時間は最大２０分。それを過ぎると、警告ブザーが鳴って、ドアが自動的に開くんだそうだ。トイレの長い方は要注意。

  2005/10/27

• 衝撃の数字！～トルコの子供たちの置かれている衛生環境と保健状態とは？

  学校ネタが続いて恐縮だが、現在の国民教育相ヒュセイン・チェリッキ（Huseyin Celik）の筆記体に関する見解がどこかにないかと探しているうちに、ある衝撃のレポートを発見して驚愕した。昨年度、国民教育省によって全国の小学校で実施された健康診断の結果、明らかになった衝撃の数字の数々である。が、本当にこのような記事を紹介してよいものかどうか、少しばかり躊躇しないでもない。イスタンブール在住の友人でトルコ暮らしの先輩、そして人生の大先輩でもあるmadamkaseさんから以前に言われたこんな言葉が、いまだに日記を書く際の私の戒めとなっているからである。「書くことは大事。でも、書かないこともまた大事」そうなんだなあ～。仰天ニュースに珍ニュース、胸を痛めるような悲惨なニュースが毎日のように新聞を賑わしているトルコではあるが、興味を引いたからといってむやみにウェブに載せてしまうことが、トルコを自分の第二の故郷と思い、永住覚悟で住む者として相応しい態度なのかどうか、いったん筆を休めて自問自答したほうが、本当はいいのだろうと思う。それでも、やっぱりこの数字は、自分ひとりの胸のうちにしまってはおけない。ひょっとしたら、９月末の全国紙にも同様の記事が掲載されたかもしれないので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれないが・・・。以下、インターネット紙『OBJEKTIF HABER』２００５年９月２８日の記事より抄訳。****　国民教育省は、トルコ全体で１９，０００校に及ぶ小学校において、２百万人を超える子供たちに対し健康診断を実施した。診断の結果、かなり衝撃的な結果が明らかになった・・・・　２００４年に実施された診断の結果によれば、学校の８３％では都市水（※上水道のことか？）が、１５％については水のドラム缶が使われている。２％に相当する５７４校では、まったく水がなかった。　２，５８８校では保健上適切なトイレがないことが確実となり、３，６３１校では、手洗い場に石鹸やそれに相応する洗浄剤が見当たらなかった。１，８７７校で、ゴミが保健上適切な形で集められてはいなかった。　２０万２千人の子供たちの喉に健康上の問題があることが判明した。寄生虫、斜視、視覚障害、耳・鼻・肺・皮膚の病気がこれに次ぐ。調査では、３，４４４人の結核の子供、５，３９７人の心臓病の子供の存在さえ確実となった。　口と歯の診察を受けた約１５０万人の子供たちの約半数である７２万３千人は、まったく歯を磨いたことがないことが明らかにされた。６歳児を含めた２４万４、９４５人の子供たちの永久歯に虫歯がある。　国民教育省による健康診断後、２４万４，３１２人の生徒にカルテが書かれ、４万４千人以上の生徒に無料で薬が与えられ、１１万８千人以上の子供が、保健所や病院に送られた。（トルコ語の原文は、こちら）****ふーーーっ。言葉が見つからない。トルコの学校のトイレの汚さについては、このブログでもリンクさせていただいてるzeynepさんも「学校の清潔度」というタイトルで先頃書いてらしたが、おそらく調査の対象となった学校の中には、想像を絶する劣悪環境におかれたトイレもあるということなのだろう。その約２、６００校のトイレというのは、いったい・・・・？まさか、完璧にトイレがないというわけではなかろうから・・・・。（ねえ？）私が最も驚くのは、歯を磨いたことのない子供が７０万人以上もいること。歯磨きの習慣を持たないトルコ人が多いことは、以前私も日記に書いたことがあるが、こうして具体的な数字を間近で見ると、情けないを通り越して無力感を感じる。国民教育省は学校の教育項目の中に保健の時間を設けて、徹底的に保健知識を与えるべきだし、生徒とともに父兄にも必要な講習を与える必要があると思う。健康保健省と組んで定期的に学校での健康診断を義務付け、健康保健省は地域での無料健康診断制度などを実施すべきである。それよりなにより、まずは、最低限のトイレ、手洗い場、水道施設の整備だろうか。（涙）国民教育省よ！余計なことに知恵を絞ってる暇と金があったら、この現状をまず何とかせ～よ！

  2005/10/07

• 男たちの立ちんぼ交差点

  アンタルヤにある、ある交差点。我が家から旧工業団地に行く時、土曜パザールに買い出しに行く時、空港、ベレキ、セリック、ペルゲ方面に向かう時には必ず通る交差点で、週に最低１回は通っている。が、今日の今日まで、実はそこが「立ちんぼ交差点」になっていることは知らなかった。ミニスカートかショートパンツにタンクトップ、底の厚いサンダルかミュール。ウクライナやモルドバから生活のために来た女性たち・・・・・ではない。薄汚れたような服装に、所持品といえばビニール袋やよれたリュックサック。平均して浅黒い肌と濃い目鼻立ちを持ち、仲間内ではクルド語を話し、トルコ東南部～東部から仕事探しのためにやってきた男たちである。石壁積み職人を来週から迎えることになっている私たちには、石壁積みの邪魔にならないように、現在はゴミや土砂で埋まってしまっている庭を掘ってきれいに清掃し、トラクターに積み込んで運び出す作業が待っていた。そのため、４人ほどの人夫に２日間ほど働いて欲しい私たちは、出入りの運搬業者や建具屋に手の空いている人夫を知らないかと聞いてみた。すると、その交差点に行けば、すぐ分かる。男たちがゴロゴロしているから、簡単に見つかるさ。と口を揃えて、教えてくれたのだった。何度も通っている交差点なのに、注意してみたことがなかったので、本当に簡単に男たちが見つかるか、半信半疑で出掛けた。すると、いるわいるわ。あっちの分離帯に３人、こっちの角では６人、そこには２人、あの木の下にも８人くらいいる、てな具合。大きなロータリー式交差点の周囲に設けられた緑地帯が、人待ち顔の男たちで占領されているのである。車をゆっくり走らせながら、品定めをするかのように男たちの風体を見ている私たち。それが妙におかしくて、「窓越しに口笛でも吹いてみる？」と悪い冗談を飛ばす私。交差点の少し先で車を留め、夫はひとりで男たちを「買い」に行った。まもなくして夫が連れてきたのは、なかなかに屈強そうな男たち５～６人。とりあえず現場を見せるため、中のふたりをワゴンに乗せて現場まで連れて行った。車の中で話を聞いたところ、仲間は全員バットマン（シリア国境に程近いトルコ東南部の町。ハサンケイフ観光の拠点でもある）出身ということだった。この男たちだけではなく、アンタルヤの工事現場で働く職人や人夫のほとんどは、雇用機会の少ない貧しい東部～東南部の出身者である。例えば、門番として現場に寝泊りしている左官職人のシナンはディヤルバクル出身で、郷里から同じ左官仲間や塗装職人の友達とみんなで出稼ぎにきているし、壁積み職人はガズィアンテプ、ハカン親方はマルディン出身である。今までうちの現場で働いてくれた人夫たちひとりひとりに出身地を聞いたわけではないが、作業中に彼らが交わす会話は、私たちには外国語同然のクルド語であることだけは間違いない。警察の取締りが厳しくなったお陰で、ここ２～３年のうちに交差点で客待ちをする女性の姿は完全に消えた（もちろん彼女たちは、今でも隠れたところで商売を続けている）が、その代わりに、雇用主を気長に待つ男たちの群れ立つ交差点が、こんな身近に生まれていたことは新たな発見だった。道路沿いに建築資材を扱う業者が軒を並べる幹線道路上にあって、東からやって来る長距離バスがオトガル到着前に必ず通り過ぎる交差点。近くには何でも揃っていて、繁華街への足の便もいい。住宅地の拡大と観光業の好調を反映し、雨後の筍のような勢いで土木・建築工事ラッシュの続くアンタルヤへ、自分にできる仕事探しと郷里の家族に送金する目的を抱いてやってくる東の男たちにとって、いつのまにかこの交差点は、アンタルヤのゲートウェー的存在になっていたのだった。

  2005/09/03

• 拷問バスよ、さらば！夢の「ミディビュス」登場か？

  昨日・今日と、猛烈な蒸し暑さに見舞われている、ここアンタルヤ。せめて湿度が低ければ、気温が４０℃を越えようとまだ過ごせるのだが、昨日で７０％、今日も６５％。屋外は息もつけない程の熱暑地獄と化している。座っているだけなのに、玉の汗が首から胸元から滴り落ちる。一昨日から、娘たちを家に置いて建築現場に出掛けるようになった関係で、日にカレイチまで２往復、計４回はミニビュス（小型マイクロバスを使った乗り合いバス。ドルムシュともいう）に乗らざるを得なくなった。が、これがとにかく辛い。日陰なんてほとんどない道端で待つこと５分。乗車時間３０分。バス停から現場までも、猛暑の中を１０分。片道４５分の道のり。極め付けなのが、天然ハマムとなったミニビュスの中。「暑い（熱い）」「狭苦しい」「臭い」の３重苦の世界なのである。小さい窓が４～５箇所しか開かない代わりに、日光は容赦なく入り込む。新鮮な風を入れるためにドアを開けたままで走ってくれればまだいいが、危険だから混みだすと逆に閉めてしまう。２人半分しかない座席に大人３人が身を寄せ合って座る。隣の乗客の汗でベタッとした腕に密着しないよう身をすくめる。腋臭くさい人が近くにいると、もう耐えられない。マーケットではデオドラント用品もいろいろ売られているのに、いまだ消臭意識が低いのだろう。ものすごい臭いを発している若い女性も多い。夏の厳しいアンタルヤで、公共交通機関がエアコン付きでないこと自体、許せないが、ミニビュスといえば１００％エアコンなしが常識。が、アンタルヤに公共交通機関はミニビュスしかないかといえば、台数は少ないが大型の市バスが走っていて、ミニビュスの料金１ＹＴＬ（約９０円）に比べ、９０YKR(約８０円)と気持ち安い。おまけに最近の市バスはというと、栄えあるエアコン付き！テレビ付き！の新型車両に徐々に切り替えられつつある。実際には、運転手の裁量で使われてないことも多いが・・・（苦笑）。（※観光的価値しか持たぬトラムと、お金持ち＆ツーリストにしかとても乗れないタクシーは、ここでは除外する）エアコン付きの市バスが運良く通りかかれば、もう天国！だけど、我が家の前の大通りでは、１０台のミニビュスに対し０～１台の市バスくらいの割合でしかやってこないので、ついつい一番早く来たミニビュスに乗ってしまうのが常なのである。そして、３０分間の拷問に耐えながら、エアコン付きの市バスが後ろから追い抜いていったりするのを、空しく眺める・・・。・・・・前置きが長くなったが、この度、ミニビュスを運行しているアンタルヤ・ミニビュス運行事務所では、大胆なミニビュス改革案を公表した。（以下、８月７日付『Hurriyet』紙アクデニズ版より、概要抜粋）１．新型車両の採用従来の小型マイクロバスをすべて廃棄処分にし、中型の「ミディビュス」を新規購入する。席数はミニビュスの１４席（←大抵１９人は座ってるけど？）に対し、２０席。昇降ドアは前方、後方の２箇所に作られるので、乗り降りが楽になる。そして、全車両エアコン、テレビ、セキュリティ・カメラ完備！とする。２．ドライバーの刷新アクデニズ大学の協力のもと、ドライバーに職業セミナーを受けさせる。外国語やコミュニケーションの講習を受けさせ、ユニフォームについても、よりモダンなものを採用する。中型バスのため、免許取得者も限られる。教育の徹底により、従来見られたような粗野な田舎者ドライバーは姿を消す。３．料金維持市内は１YTLを維持。エアコン付きなので、実質値下げに等しい。郊外については１．２ＹＴＬと、０．１YTL値上がりする。この料金は、最低１～２年は値上げしない。４．チケット制導入「都市カード（Kent Kart）」と名付けたカードを用意する。市民は一定の場所であらかじめ購入し、乗り込む際に読み取り機に通す。従来のように、運転手が料金の授受をする必要がなくなり、注意散漫による事故のリスク等も減少する。・・・・な～んとも！夢のようなプランではないか！なによりエアコン完備が嬉しい。私にはそれだけで十分である。でも欲を言えば、そのカード式チケット。１回限り乗り捨てではなく、ヨーロッパの都市でよくあるように、初回乗車の時刻が刻印されて、市バス、トラムも含め１時間とか１時間半以内の乗り継ぎが自由であれば、もっと便利になりそう。路線をもっと充実させれば、その必要もないかもしれないが。そう、それから降りることを知らせるブザー。市バスのように天井に１～２箇所しかないなんて、危険で不親切な設計にしないで、日本の公共バスのように各座席の横に設けて欲しいもの。ブザー式になると、今までのように「どこそこで下ろして」「適当なところで止めて」なんて声をかける必要も無くなる。お金リレー同様、ミニビュスならではの習慣がなくなるのは、ちょっと寂しい気がしないではないが・・・。でもねえ～。どうせトルコ人の立てる計画だから。いつから実施されるとも、まるきり書いてないし。糠喜びに終わらないことを祈ろうっと。。。。

  2005/08/12

• 【速報】爆発事件！遂にアンタルヤでも？**追加情報あり

  午後、私と娘はカレイチの工事現場へ向かうためミニビュスに乗っていたが、ギュルルック大通りが通行止めになっていて、入り口にパトカーが何台か止まっていた。聞けば、爆発があってギュルルック大通りから、共和国大通り、カレカプス、ドーウ・ガラージュまでの区間が閉鎖されているという。チェシメ、クシャダス、イスタンブールに続き、とうとうアンタルヤでも爆弾テロが！？とゾクッとする。外国人の多い観光地を今後も狙うという犯行声明を聞けば、次に標的になるのはアンタルヤの他にはあるまいと心配していたのだ。なにしろ、つい昨日も、１日にアンタルヤ国際空港に到着する旅客数が５万９千人を越えるという記録を塗り替えたばかり。１日に到着する飛行機も約５００機にのぼり、平均３分に１機の割合で飛行機が降り立つという超人気観光地がアンタルヤなのである。ドイツ人を筆頭に、ロシア人、オランダ人などが中心だが、最近は韓国人、日本人のツアー客の姿も見られるようになった。ミニビュスは幸いにもドーウ・ガラージュの手前までは入ったので、なるべく近い場所で降りてカレイチまで約３０分ほど歩いた。途中、通行止めで車のいなくなった交差点に立つポリスに事件の模様を聞いてみたが、その先で箱が爆発した、などというが、詳しい情報は末端までは到達してないのだろう、はっきりとした情報を得ることはできなかった。その後、職人や近くのバッカルの人に聞いた限りでは、カレカプスとドーウ・ガラージュの２箇所で爆発があり、死者は幸いいなかったらしい。その後、通行止めは解除され、いつもの停留所からミニビュスに乗って自宅に帰ることができたが、近所のミグロス・ショッピングセンターでは、今頃になって駐車場に入る車を１台ずつ止めては、金属探知機で検査をするという対処に出ていた。チェシメ、クシャダスの爆弾テロの後、すぐにでも市内各所で反応が表れると思っていたが、実際はこのようにいつも後手後手である。自宅で開けてみた全国紙『Hurriyet』のインターネット紙面によれば、爆発箇所は噂通りカレカプスとドーウ・ガラージュの２箇所。１つ目は、カレカプスのアッタロス２世像の脇にあるゴミ箱で、清掃作業員がゴミ箱を空にする作業中爆発したものらしい。この爆発で、３人の清掃作業員が軽い怪我をしている。２つ目がドーウ・ガラージュの市民パザール内にあるスパイス・パザール前のゴミ箱で、旅行者１人を含む３人が軽い怪我をしたという。いずれも場所としては、観光客・市民問わず、最も通行客で賑わうアンタルヤの中心地。爆発の規模からいっても爆弾とは考えにくく、文化観光大臣が早々に「ガスの圧縮？を原因とする」と発表したことも考え合わせれば、爆弾テロの可能性はかなり低いと思われるが、愉快犯の仕業か、それとも、捨てられたスプレー缶がこのアンタルヤの猛暑のせいで偶然にも続けて破裂しただけなのかは、詳しい検査結果と追加情報を待たなければならない。いずれにせよ、これからは私たちも、ぼんやりと前を見て歩いてちゃいけないらしい。周辺によく注意して、不振な箱やカバン、ゴミ箱には、簡単に近づかないようにしなければ・・・・。****『Hurriyet』と並ぶ全国紙『Milliyet』のインターネット紙面には、より詳しい情報が掲載されていたので、そちらの記事を参照しながら追加・訂正しておきたい。―１４：２０に起こったカレカプスでの爆発では、３人の清掃作業員を含む５人が軽い怪我。―それに次ぐ１４：３０に起こったドーウ・ガラージュの爆発では、パザール下手に位置するバス停留所に停まっていたバスのガラスが割れて、５２歳のフランス人旅行者を含む４人が軽傷を負った。―アンタルヤ警察署長代理ヒュセイン・クズックは、「爆発の原因は、いまだ判明していない。爆発は、制汗材のような液状のものから引き起こされた可能性がある。専門家の分析が続いているが、今のところ爆弾との関連性は何ひとつ発見されていない」と発表した。う～～む。１０分差で発生した、いずれもゴミ箱からの爆発物。。。爆弾でないとしても、何者かによって故意に仕掛けられた可能性は十分あり得る。なにより、爆発した場所が場所だけに、意図的に選ばれたとしか思えない。以下独白。それにしても、またしても文化観光大臣の無責任発言。「ｇaz sikismasi （ガスの圧縮？）が原因となったものらしい」と発言したらしいが、一体どこからの情報なんだろう？まさか、ただの思い付き？勝手な想像？せめて日本の政治家のように、「只今、関係各機関に確認中」とでも言っておけば言質をとられることもなかろうに・・・。元コンヤかどこかの警察署長で、内務省勤めも経験しているのに、それではキャリアが泣こうというもの・・・。しっかりしてくれよ。アティッラ・コチ。

  2005/08/02

• 「ペルゲであなたも１本の円柱を！」キャンペーン

  １ヶ月近くも前の新聞記事になるが、手が空いたときに紹介しようと思い、保存しておいたものである。以下、２００５年５月８日付け『Ｈurriyet』紙日曜版、Gila BENMAYOR記者の記事より抜粋。多少加筆あり。・・・アンタルヤから、車で約２０～３０分。アンタルヤの東近郊にあるペルゲ古代遺跡は、アンタルヤ市内から最も近い古代遺跡として、アスペンドスと並びアンタルヤ観光には必ず含まれるほどの観光地である。ペルゲの名は遡ることＢＣ１３世紀、古ヒッタイト王トゥダリヤ４世の時代の青銅板にすでにパルハ（Parha）として登場しているそうだ。現在のところ、おそらくＢＣ１５世紀頃に建設されたと推定されている、長い歴史を誇る古代都市がペルゲである。ペルゲの発掘が開始されたのは１９４６年。現在、イスタンブール大学で古典考古学教授を務めるハルック・アッバスオール博士は、１９７０年代以降一貫してペルゲの発掘調査に携わってきた人物で、ここ２０年は発掘団長をも務めている。約２年前には、新たに発掘された墓の中から５つの石棺がオリジナルそのままの形で発見されたが、これはアナトリアではほとんど初めてのケースであるという。歴史的遺物のほとんどが、盗掘の被害に遭っているか、近郊農家住宅などに転用されているからである。このアッバスオール教授の夢は、ペルゲを考古学公園に仕立てることである。いったん公園にされれば、ここにある遺跡・遺物の保護はずっと容易になるだろうという。教授は、過去５人の文化大臣にペルゲの修復保護に関するプロジェクトを提出してきたというが、いまだかつてプロジェクトが具体的な形になったことはない。トルコは全土に無数の考古学的遺産を抱える国であり、昨年度文化観光省がペルゲの発掘調査に割いた予算は、わずか５００億リラ（約４００万円）。一方、ペルゲ遺跡から得られる観光収入は、２００３年度で１兆２億５千万リラ（約８０００万円）である。このような現状では、残された方法はスポンサーを見つけることしかないのだろうか？アッバスオール教授は昨年、文化意識開発基金なる団体との共同事業を始めた。この基金の提唱する「１本の円柱をあなたも建ててください」キャンペーンによって約１５リラ（※１５ミリヤール・リラ＝約１２０万円の間違い）が集まり、それによって列柱通りの１６本の円柱を起こすことが出来たという。アッバスオール教授は続ける。「しかし・・・・これらはまだ土台の残っている円柱だった。これから私たちが建てようとしている円柱には、残念ながら土台が残っていない」その土台は、いったいどこにある？そう、周辺農家の庭か、石灰石の切り出し場ならば・・・。つまり、今年このキャンペーンを繰り返すとすれば、好むと好まざるとに関わらず、大理石から新しく製作される以外にない。ここからは教授の呼びかけになる。大理石の修復にはスポンサーがぜひとも必要なのだそうだ。今年、列柱通りに３０本の円柱を建てる計画を立てているが、１０００ＹＴＬ（約８万円）の寄付をしてくれた場合には、その人の名前を金属プレートに入れて円柱の土台に貼り付けるという。（※正確には、傷みの少ない円柱の修復には５００ＹＴＬ、細かく分断されれた円柱の修復に１０００ＹＴＬとなる）ペルゲの古代遺跡に自分の名前の入った円柱を、あなたも建ててはみませんか？■「KULTUR BILINCINI GELISTIRME VAKFI(文化意識開発基金)」http://www.kulturbilinci.org/（トルコ語のみ）■『ペルゲで１本の円柱をあなたも建ててください』キャンペーン概要（振込銀行口座の詳細あり）http://www.kulturbilinci.org/pergecalisma.asp（トルコ語のみ）

  2005/06/04

• ハサンケイフへ急げ！

  【ハサンケイフ/Hasankeyf】トルコ南東部の都市バットマン（Batman）の南東約５０ｋｍに位置する、ティグリス河畔の町。地域一帯にはビザンチン時代に帰する６０００の洞窟住居跡、３００近い教会・モスク・メドレッセ（神学校）が点在し、そして中世期の最も見事な建築物の名残として、あの有名な「橋」の橋脚があり、渓谷を見渡す素晴らしい眺望を誇るカレ（城砦）がある。●歴史概略ローマ人の建設した要塞都市として、当時はCephaと呼ばれていた。（※シリア語で「岩」を意味するKifoに由来するとも）ビザンチン時代には主教区が置かれ、悩ましきペルシャとの国境に立つ前哨地点でもあった。ＡＤ６４０年、アラブ人がやってくると、名前はギリシャ語のKephasからアラビア語のHisn Kayfaへと変わり、時の流れとともにHasankeyfへと変化した。１１０１年から１世紀以上に亘りアルトゥーク朝（Artuklular/Artukids）の首都として栄え、随所に重要な建造物を残した。その代表がティグリス河にかかる橋だが、ビザンチン時代にすでに存在していた古い橋を、ＡＤ１１１６年にアルトゥーク朝の首長ﾌｧﾌﾚｯﾃﾞｨﾝ･ｶﾗ･ｱｽﾗﾝ(Fafreddin Kara Aslan)が大掛かりに修復したものである。１２３２年には、アルトゥーク朝はアイユーブ朝によって引き継がれた。１２６８年にモンゴルに攻略され衰退が始まると、そのまま復興することなく、１５１５年、オスマン朝に取り込まれた。・・・・・・今年、ハサンケイフの発掘調査は、６月１日の発掘開始を目前に例年より早く事前調査がすでにスタートした。アブドゥスセラム・ウルチャム（Abdusselam Uluｃam）教授を団長とし、６大学出身の２０人の専門家と８０人の学生、１２０人の作業員から構成される発掘団は、１兆４１７０億リラ（約１億１２００万円）の予算をもとに、今年は極めて広範囲の発掘調査を予定していると発表した。なぜなら・・・ハサンケイフの余命が、とうとう宣告されたのだ。ティグリス河に建設予定のウルス・ダムの着工が、いよいよ今年の１０月に決定されたのである。ウルス・ダムが完成した暁には、１万２千年も続く定住の歴史を持つといわれるハサンケイフの町は、ダムの下に完全に水没することになる。ウルス・ダム建設計画は、５０年も前から存在していたらしい。このダムから得られると予想されている電力量は、３８億キロワットと膨大なもので、トルコ全国の水力発電能力の１０％を保証するものと見込まれている。が、このウルス・ダムも、寿命はせいぜい５０年ほどだそうだ。１９７８年には、文化省により、この地域一帯は第１級ＳＩＴ（特別保護地区）に認定されている。近年は、時代遅れともいえるこのダム建設計画を白紙に戻そうという世論が、主流を占めていた。世界遺産への登録申請をしようという動きもそのひとつである。現エルドアン首相も、「ハサンケイフを水の下に沈めることはしない」「ハサンケイフは救われる」と、３度も公言したと聞く。それなのに・・・・ウルス・ダムの完成によって水の下の沈むのはハサンケイフだけではない。バットマン、マルディン、シイルト、シュルナック、ディヤルバクル地域で合計１８７にものぼる集落が姿を消し、７万から８万人にのぼる住人が移住を余儀なくされるという。ＤＳＩ（国家水道局）は、工事がもっとも迅速に進んだとして、ダムの完成は２０１２年になるとみている。文化観光省では、現在も継続されている発掘調査のスピードを早め、同時に別のどこかへ移転させることを計画中だと発表した。しかし、ティグリス河に開けた渓谷、無数の洞窟住居群・・・・この景勝の地をそっくり移転することなど無論不可能である。そして、残り７年で発掘を完了させることも・・・。・・・・・・ハサンケイフ。いずれ水の下に沈む町と言われて久しいが、とうとう秒読み段階に入ったのだ。今のうち。そう、今のうちに、一度ハサンケイフを訪問してみたい。シャンルウルファから東へ足を伸ばしたことのない私は、ハサンケイフを組み込んだ東南部への旅を、今ひそかに目論んでいるところである。

  2005/05/22

• 後任大臣決まる！＆国内線で、また値下げキャンペーン！

  ●後任大臣決まる先日の日記の中で、文化観光大臣エルカン・ムムジュの辞任について軽く触れたが、後任には、２１日付でアイドゥン出身の国会議員、現在６９歳になるアティッラ・コチが選任された。エルカン・ムムジュが現在、４１歳（トルコ式では４２歳）なので、大臣職が一気に３０歳近くも老化してしまったわけだ。政界に入る前、一時テキスタイル業界に居たこともあり、若いだけにファッションにも敏感で、スーツとシャツ＆ネクタイの合わせ方などはエルドアン首相にも見習って欲しいと思うムムジュに対し、後任のアティッラ・コチの経歴を見ると、あまり文化・観光とは縁のないところでずっとやってきたようだ。以下に、２２日付の『Hurriyet』紙の記事、およびトルコのWho's Who『Kim Kimdir?』（←新たにお気に入りに追加）によるコチの経歴を総合して、まとめてみた。■アティッラ・コチ（Atilla Koc）-------------------------------------１９４６年､アイドゥン生まれ。アンカラ大学政治情報学部卒業。３つの郡の郡長を経験後、シールト、ギレスンで県知事、コンヤで警察本部長を務める。一時、大アンカラ市事務長官、内務省相談役、総理大臣補佐官も務めた経験がある。既婚。３人の子供の父親。-------------------------------------------------------------→顔写真はこちら（TBMM:トルコ大国民議会オフィシャルサイトより）コチは、その最初の仕事として、『東地中海、国際観光旅行見本市２００５』のオープニングを行ったが、オープニング・イベントとして催された『Anadolu Atesi』ダンサーたちによるオリエンタル・ショーが長く続いたために、途中から腕組みを始め、時々中空を見上げるというように退屈な様子を隠さなかった、と２６日付けの紙面で報じられた。とりあえず、お手並み拝見というところだが、お爺様世代のコチには、近年目覚しい変化・変容を遂げているトルコの芸術・文化・ファッション界や、発展・拡大し続ける観光業界の変化とスピードに追い付いていけないのではないかと、私には危ぶまれてならない。少なくとも、今まであまり表舞台に立つことのなかったコチが、人生最後の見せ場とばかり、時代錯誤、的外れなリーダーシップを発揮しないことを願う。●国内線で、また値下げキャンペーン格安航空運賃で一躍顧客を掴んだ民間航空会社の先駆け、オヌル・エアーが、今また運賃の値下げを発表した。片道３便、往復６便を抱えるイスタンブール～イズミール間フライトのうち、イスタンブール６：３０発の早朝便、およびイズミール２２：４５発の最終便につき、平日は６９ＹＴＬ（約５９００円）のところを５９ＹＴＬ（約５０００円）とすることに決定したという。５０ＹＴＬ台という驚きの金額は、同路線を５０ＹＴＬ前後で走らせている高級バス会社各社に肉薄するものでもある。現在、イスタンブール～イズミール間を走らせている高級バス会社の中で、最も高い金額で運行するのが、ウルソイ（Ulusoy）の高級バージョン、ウルソイ・ロイヤルクラスで５５ＹＴＬ。ついでワラン（Varan）の５２ＹＴＬ、ウルソイとボス（BOSS）の４８ＹＴＬと続く。なお、この値下げキャンペーンは、当面２月２８日月曜日から、３月２６日土曜日までの期間限定であるが、競合するアトラス・ジェット等の反応次第では、引き続き継続する可能性もないわけではないと思う。悠長にバスなど乗ってられない忙しいビジネスマンには、うってつけのキャンペーンであろう。※オヌル・エアーのオフィシャル・サイトは、「お気に入り」に掲載してあります。

  2005/02/27

• スープのＣＭが外交問題に発展？

  ここ数日トルコ・メディアを賑わせたニュースの中で、私の関心を惹いたものがいくつかある。そのひとつに、文化観光大臣エルカン・ムムジュの辞任・離党問題もあるのだが、政治の話が苦手ということもあり、この件に関してはあまり触れたくない。親イスラム政党であるＡＫＰの中にありながら、頭にスカーフを被らない美人の奥様と連れ立ってコンサートやファッションショーに出掛けたりするライフスタイルや、自身のスーツの着こなしなどに見る現代性。若さ。実行力。それらの印象を総合し、漠然とムムジュを買っていた私としては、残念である。新しい政党を立ち上げるとか、いろいろな話がでているらしいが、当面は様子見を決め込もうと思う。私たちにとっての気がかりは、カレイチの復興プロジェクトの理解者であり推進者となるはずだったムムジュの辞任によって、カレイチの将来にまたもや薄暗い雲がかかるだろうことである。願わくば、新任の大臣には、このプロジェクトの意味を理解し、間違いなく実行できるだけの器量のある人物が就いて欲しいものだ。・・・・ヨーロッパで放映されたあるＣＭが、外交問題にまで発展している。結果として、ＣＭのスポンサー会社は、放映を中止することにしたそうだ。ドイツ、マンハイムに本社を持つトルコ企業であるＢ社は、食品卸業者としてヨーロッパでは有名な企業のひとつに数えられるという。自社の取り扱い製品であるインスタント・スープのＣＭに、ヨーロッパに住むトルコ移民たちの身に降りかかっている現実を風刺のかたちで取り込んだところ、自国の威信を傷つけるものだとして、ブルガリア政府が在アンカラ大使館を通じてトルコ外務省に通告するという事態になったそうだ。問題となったＣＭのシーンはこんな感じだ。・・・ヨーロッパに暮らすトルコ人夫婦が、自家用車によるトルコへの帰省途中のこと。妻は夫に声を掛ける“Okkes'im langsam(=yavas) git”（オッケシュ、ゆっくり行って）そこへ現れたユーゴスラビア、あるいはブルガリアの警官が車を停める。“Komsi（=Komsu） hizli gittin 200 yuro”(お隣さん、スピードの出しすぎだ。２００ユーロだ)夫は“Yuromu alirsin.Yok yuro”（ユーロを取ろうってのかい。ユーロなんかないよ）と答える。警官は“Komsi bir corba parasi”(お隣さん、チョルバ・パラスだ)と言って、なおもお金を要求する。「チョルバ・パラス」というのは、直訳するとスープのお金、スープ代だが、実はワイロの隠語でもある。夫は警官に対し、“Ｐarayi ne yapacan(=yapacaksin)?”（金が何になるんだい？）“Al sana corba, ｃorbanin hasi burada”(ほらよ。スープだ。スープの本物はここだ)そう言って、５袋ほどのインスタント・スープの包みを渡し、“Hadi cuss(tschuss)”(じゃあな)と去っていく・・・このＣＭが流れるや、トルコ外務省は「不快だ」とするブルガリア大使館からの正式抗議を受けることになり、外務省からさらにＢ社へと通告が行われたらしい。Ｂ社社長はそれに対し、やや逃げ腰ながらもきっちり自己弁護している。つまり、毎夏のようにトルコ移民がワイロを要求されていることは新聞にまで掲載される事実であり、それをそのまま映像化したまでで、悪い意図はどこにもない。第一、ブルガリア警察であるとは、ひとことも表現してないし、ユーゴ警察に似ているとも言える。特定の国に見えないよう、相当努力したつもりだ、と。トルコ人好みのエスプリ（洒落）と風刺に満ちた、なかなか面白いＣＭだと私は思うが、ブルガリア政府と警察にしてみれば、トルコ人にとっての「お隣さん」とは自分たちのことに他ならないのだから、躍起になるのも無理はない。ところで実際に、トルコ移民たちはブルガリアの警察官から頻繁にワイロを要求されているのだろうか？実際に、そうなのだという。パスポート・コントロールや税関、道路上で、「チョルバ・パラス、もしくはハヴァ・パラス」と言って、５～１０ユーロ取り上げられるというワイロ問題が、年々拡大しているのだそうだ。（ハヴァ・パラスとは、直訳すると空気代だが、成句として「ショバ代」のような意味をもつ）昨年ブルガリアでは、ワイロ問題に対する大規模なオペレーションが行われ、２００名を越す役人・公務員が更迭されたそうだ。しかし、ワイロは一向になくならず、トルコから新聞記者や少数の国会議員が監査の目的でブルガリアに視察に出掛けたところ、彼らさえワイロを渡す羽目になったという。ワイロ体質改善中なんだから、事実とはいえ、ＣＭなどで恥を喧伝されては困るというところだろう。ブルガリア警察には、これを鑑として、ワイロの習慣とワイロ警官を一掃するよう、せいぜい努力してもらおうではないか。なおこのＣＭ、シリーズ化する予定だったらしいから、コンセプトの変更を余儀なくされたことだろう。面白ＣＭとして、続きを見たかったなあ・・・と部外者は暢気に思うのだが・・・。

  2005/02/18

• 今日の新聞記事から２題～ワン湖の危機＆Ｆ１サーキット準備着々進行中

  ４日間のバイラム休暇が終わり、会社勤めの方々には再び忙しい日常が戻ったことだろう。一方、我が家の面々ときたら、すっかり怠けモードから抜け出せないでいる。いや、怠けムードを醸し出しているのは、なにより私自身だ。なにひとつ予定が入ってなかったのが最大の原因だが、バイラム中天気が不安定だったのもいけない。朝は晴れ間が見えて、「お、今日こそは晴れか？」というもぬか喜び。次第に雲が増え、やがてポツポツ、最後には雷雨に変わる。そのせいで洗濯にも身が入らず、吊られて家事全般に身が入らない。ＰＣに向かうも、日記に書くこともない。挙句は、近所のバッカルの２階にあるレンタルＶＣＤショップで借りるロマンティック・コメディものの映画などを、夜な夜な子供が寝付いた後で観るという不摂生な生活。すっかり夜更かし朝寝坊が身に付いてしまった。バイラムの明けた今日は、雲ひとつない晴天だったが、またしてもバッカル以外どこにも出掛けずに済ましてしまった。これでは、いけない。まずはリハビリとして、本日の新聞記事のご紹介から始めてみようと思う。（記事はいずれも、１月２４日付『Hurriyet』紙から採用）【ワン湖が死にかけている！？】トルコ最大の湖であるワン湖の汚染が、日を追って危険な局面に達しようとしているという。湖周辺の異なる１８箇所から採取した水質サンプルを検査したワン・ユズンジュユル大学、人文科学部地理学科の副助教授オルハン・デニズ博士によれば、湖の汚染の割合は４０％に及ぶこと、この状態が続けば、湖の寿命は２５年しか残されていないという。塩と炭酸ナトリウムを含有し、３９００ヘクタールの面積と周囲５３８ｋｍに及ぶ湖岸を有するワン湖には、集落から流れ込む下水をはじめとする汚水と廃棄物から一切免れていない。湖の汚染は、この地域への人口移動と平行するように高まっていることに注目する博士は、こう語る。「ワンの人口は、人口移動に伴って１５万人から４０万人に達した。秩序なく性急に行われた人口移動が、現在ある下水網と浄水施設の不足状態をもたらした。この人々の今日住む地域には、下水設備はない。廃棄物は渓流にのって湖に届く。人間の健康のためには、１００ミリメートルで７００であるべき大腸菌の割合が、ワンの湖岸では２１００、ビトリスのタトゥヴァン地区の岸では５３００にも達している。防止策が講じられず、汚染がこのように続けば、ワン湖の寿命は２５年しかもたない。２５年後には、湖畔にさえ近づくことはできなくなるだろう。鹹（かん）湖（流出河川のない閉じた湖）であるワン湖は、全ての集落に下水道が引かれ、防止策がとられた状態において、５０年後にようやく清潔な状態に戻ることができる」ワン湖を汚染から守り、周辺の集落に下水道システムを建設するために、公共事業省が４８兆リラ（約３８億円）の予算を組むことを表明したという。・・・今まで汚水も産業廃棄物も全て垂れ流しだったということが、想像できたことながら恐ろしい。【Ｆ１サーキットの６０％が完了】Ｆ１ワールド・チャンピオンシップのホスト都市となるイスタンブールが、Ｆ１サーキットの建設を猛スピードで続けている。トゥズラ（Tuzla）-テペオェーレン（Tepeoren）地区に位置する巨大サーキットの６０％が終了し、アスファルト処理の最初の段階も完了した。サーキットの最終段階で最も重要な最表部のアスファルトに関しては、５月に着手される。時計方向と反対回りとなるイスタンブル・サーキットは、専門家によれば難度の最も高いコースのひとつと見られている。敷地２２１万５千平方メートルの土地に建設中のサーキット。コースの外周には１２万４千個のタイヤでバリヤが築かれ、サーキットの幅は１２．５ｍから２１．５ｍの間に設定されている。６つの右回りカーヴ、７つの左回りカーヴ、４箇所のストレート、４箇所のアンダー・パス、３箇所のオーバー・パスが設けられている。観客収容人数は１５万５千人。観戦料は２０ユーロから３５０ユーロの間で設定されている。なお、交通の大混乱を避けるために、高速道路からサーキットへの接続も急ぎ建設中である。８月２１日には、世界２０３カ国１５０万人の人々が、イスタンブール・グランプリをいちどきに観戦することになるだろう。・・・トルコの一般道の、質の悪いアスファルト道路を知っているだけに、繊細なコンディショニングが要求されるＦ１に耐えうるアスファルトが出来上がるか心配である。

  2005/01/24

• 追記**今日の新聞記事から３題～ネムルート・ダー、ボブ・ディラン、ケバブの大食い

  本日２００５年１月１０日付の『Hurriyet』紙から、目に付いた興味深い記事を３つご紹介。【ネムルート・ダーにロープウエー】　　アドゥヤマン県庁は、ユネスコの世界文化遺産リストに登録されている　　ネムルート・ダー（山）にロープウエーを建設する作業をスタートしたとい　　う。　　ネムルート・ダーには昨年１２万人の観光客が訪れたが、ロープウエーが　　　　建設された暁には、観光客が殺到するであろうと見られている。　　アドゥヤマン県知事は、ロープウエーのために準備されているプロジェクト　　の試験作業がすでに始まっていることを明らかにしたという。いったい・・・ユネスコはこの事実を知っているのだろうか？人類共通の遺産として、保護・保存に努めていくよう条約にも謳ってあるはずなのに、観光客の誘致を目的としたロープウエーなどが建設されたら、有名な石像群の風化を早めるだけなのではないのか・・・？これって・・・世界遺産条約違反にはならないのだろうか・・・・？【ボブ・ディランの祖先はトルコ人】　　これまでの人生と４０年に渡る経歴を筆に託して３巻からなる本を書き　　綴ったボブ・ディランが、その１巻目において、祖母はクルグズ（Kirgiz）と　　いう姓を持つトラブゾン出身のトルコ女性であると書いているそうだ。　　自らのルーツに関して、ディランはこう書いているという。　　「ロシア南部の港町であるオデッサから（祖母たちは）アメリカに渡った　　のだが、もともとオデッサにもトルコのトラブゾンという港町から移住した　　のだそうだ」　　「祖母一家は、元はアルメニア国境にある小さい村キャウズマン　　（kagizman）出身で、姓はクルグズである。祖父一家も、同じ地方出身で、　　皮なめしと靴作りの仕事をしていた。祖母の祖先は、イスタンブールから　　この地方に移ってきたそうだ」　　「（ネリー・ターク（Turk）という名前でトルコ人の友達もいた母親は）家から　　一歩も出なかった。　　私もその頃は、誰もがラ・バンバ（La Bamba）という名の歌で知っている 　　リッチー・ヴァレンスの、神秘的なトルコの人々と大空に輝く遠い星々を歌詞　　にしたインナ・ターキッシュ・タウン(In a Turkish Town)を歌ってたもんさ」　ここにも一人、トルコ移民の子孫がいた。「移民」として生きる人々の息遣いが、こんな小さい記事にも感じ取れる。とはいえ移民で構成されているアメリカ。祖先がトルコ人であっても、とりわけ驚くことでもないのだが・・・・。この話は、ボブ・ディランの祖先の地であるトルコ東部、カルスとその一地方であるキャウズマンで熱狂的に歓迎されたようだ。早速、クルグズという姓を頼りに、ディランの親戚が生存していないか調査が行われた。残念ながら、その姓を持つ人間を発見することはできなかったようだが。キャウズマン市長は、世界的に有名な歌手の祖先が住んでいたということ、いわば同郷人であることを非常に光栄に思い、１日も早く本人を招待し、コンサートを開きたい。祖先を見つけるためにも最大限の協力は惜しまないと、語る。「本人がここにやって来てコンサートを開けば、貧困と闘うキャウズマンの町を再生できる。不幸な歴史を一転させることができる」また、ディランの文章ではひと言も触れられていないカルスの市長までも、「必ずや本人とカルスでお会いしたい」と意気込みを見せている。やれやれ・・・結局、町起こしのネタにされてしまうのか・・・。そのうちカルス周辺の市町村に、ボブ・ディラン通りとか、ボブ・ディラン広場とか、銅像や記念館まで建てられたりしてね。* * * * * *なお、翌日付の『Hurriyet』紙の記事によれば、トラブゾンに住むクルグズ一家が親戚ではないかと名乗りを上げたようだ。トラブゾンで、自分たち以外にクルグズの姓を持つ家族は聞いたことがないと、息子は語る。母親は、テレビで見たボブ・ディランの顔が、２５年前に亡くなった夫によく似ていると語る。（確かに写真を見比べてみると、骨格、鼻の形など似ている）息子は早速、祖母の親戚筋から情報を得ようとしたが、バイブルトのトマラ村から移住してきたという祖父以前のことまでは分からなかったそうだ。・・・・ここしばらくは、ボブ・ディランの親戚を名乗る人たちが、次から次へと登場してくるに違いない。【ケバブ（焼肉）大食いチャンピオン】　　スィワス（Sivas）で開催された大食い大会（大会名は不明）で、　　シャンルウルファ出身の男性が、なんと２５人分！のカルシュック（ミックス）・　　ケバブと１０リットル！のアイラン（ヨーグルト・ドリンク）を１時間半を　　かけて見事に平らげたという。　　この男性、以前にも５２人前！のドネルを食べてギネスブックに載った　　ことがあるそうだが、普段から１日に１０個から１５個のエキメッキ　　（トルコのバゲットで、長さは３０ｃｍにもなる）を食べ、５０杯のチャイ　　（トルコ風紅茶）を飲むという。　　ちなみに、この男性の体重は１２２ｋｇだそうだ。ううっ～～。もう読んだだけでお腹一杯。（気持ち悪くなってきた・・・）世に大食漢は数々あろうが、この人すごすぎる・・・・。

  2005/01/10

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  画像追加**「カレイチ・ルネッサンス」に政府が乗り出した！

  アンタルヤの旧市街カレイチ（城塞内、の意）は、建都以来のアンタルヤの地理的中心であり、同時にアンタルヤ市民にとっての精神的「中心」でもある。観光産業の中心が市の郊外へと移ってしまい、現代生活を送るには適合しなくなった古い家を見放して、多くの住民がカレイチを出てしまった現在でも、カレイチがアンタルヤの象徴であることには変わらず、廃れるに任されるべき存在ではない。カレイチを一度でも訪れたことのある方なら気付かれたことだろう。絨毯屋、土産物屋、レストラン、カフェ、ホテル、ペンションなどの並ぶ表通りから一歩裏道に入れば、崩れかけ、打ち捨てられた廃墟同然の民家が、あちらこちらに残されている。持ち主は当然いる。地元の住民だけではなく、アンタルヤを出て今では他の都市に住み着いている、元アンタルヤの住民、そして市外、中には国外からやってきて、投資や商売、住居のために、その土地を家屋ごと購入した人間である。残念ながら、やって来る人間より、出て行く人間の方が多く、廃屋が減ることはまずない。 そんなカレイチの惨状はもちろん知りながら、カレイチに土地を購入した私たち。「腐っても鯛」ではないが、どんなに廃れようとも、カレイチにはカレイチならではの魅力―例えば、オスマン様式の家々が軒を並べる独特の景観、歴史的重層性、小路が複雑に入り組んだ迷路的空間、わずかに開いた門や高い塀越しに伺えるオレンジやレモン、椰子やバナナといった植物の醸し出す南国的雰囲気―があるし、どんなに光を失ってもアンタルヤの“真珠”であり続けると思う。私たちが今始めている建物づくりは、カレイチの独特な景観と雰囲気は壊さないままに、周囲の景観、文化的環境、雰囲気を多少なりとも向上させる効果をもたらすだろうと自負している。自分たちの目標も実現しつつ、カレイチ全体へのわずかな貢献もできるのではないかと思うのだ。私たちに、もしふんだんに資金があったら、現在打ち捨てられている古い民家を次々と買い取って修復したいところである。おそらくそう望んでいる人は少なくないと思う。なにより、持ち主自身が修復や建て替えを望んでいるに違いないのだ。それを簡単にさせないのは、第１に法律、第２に資金と時間の問題である。カレイチの町並みを特徴付ける張り出し窓を持つ古い民家は、オスマン帝国時代末期に建てられたものが多く、古いものは築１２０年くらい、新しいもので築８０年くらいのアンティーク建築である。それ以降の「新しい」建物に関しては建て替えも可能だが、これらアンティークの建て替えは禁止されており、修復しか道が残されていない。修復にはたいへんなお金と時間がかかる。中に人が住みながらできることではない。新しい住居に移り、中を空にしたものの、修復のめどがつかず、手放すか放置せざるをえなかったケースも多々あると思う。こうした建て替えしか認められていない古い民家の売値だが、そのままでは人がとうてい住めないような廃屋が、占有面積、老朽度、立地条件はまちまちにしても、最低７００万円くらいから、上は２千万、３千万、５千万円もする。さらに修復には、購入金額と同じくらいの費用がかかるといわれる。もちろん修復も、かならず博物館の管理・査察を受ける。私たちの建築予定の場所には、築４０年くらいの「新しい」家屋しか建っていなかったので、これを壊して新たに建物を建てることが許されたが、この時も、建築プランを作るより以前に博物館の立会いによる「発掘」（発掘リポート参照）が行われた。修復にあたるケースでも発掘は必ず行われる。発掘の結果、その上に建物を建設したり人が居住しては差し支える重要な遺跡、歴史的遺物がないことが証明されてはじめて、博物館側から建築・修復可との判断が下され、設計をスタートさせることができる。もし、自分の土地から大きな遺跡が発見されれば、そこに建物を建設したり、居住することは不可能になる。中には、私有地の自由な利用を求めて、博物館側に対し訴訟を起こそうとする人もでてくる。出来上がった建築プランに対する文化的尺度から、博物館側の建築・修復許可が下りたとしても、実質の建築・修復許可はベレディエ（区）から得なければならない。私たちのケースでは、博物館への発掘申請からここに至るまでに、すでに１０ヶ月近くかかっている。これまでは、資金調達が無事にできたからこそ順調に来れたのだが、もし資金が底を付けば、建設は中断せざるを得ない。いくら時間に余裕があっても、資金のめどなしに建築も修復も不可能である。こうして、さまざまな理由から、カレイチ内の古い民家の多くは、修復もされないで放置されているのが現状である。* * * * * *前置きが長くなったが、こうしたカレイチの窮状に対し、この度ようやく政府からの手が差し伸べられることが決まった。昨年の最後にもたれた内閣決定において、カレイチを「文化と観光の保護・発展地域」とすることが正式承認され、文化観光省の直接の管理下に置かれることが、２００４年１２月３１日付けの官報で公示されたという。具体的にどう運営され、どのような成果が表れるのか、いまだ海のものとも山のものとも分からないが、現在進行中、そして今後計画されるさまざまなプロジェクトが、今までよりは数段早く承認され、実現を見るのではないかと期待されている。４日にアンタルヤ入りした文化観光大臣エルカン・ムムジュは、早くも高まる期待に対し、「プロジェクトの準備には最低１年はかかる」と釘を刺した。実はこの件に関しては、昨年末に材木を購入した木材業者からすでに聞かされていた。木材業者の話では、カレイチ内のあらゆるプロジェクトに対し、国庫から低金利での資金貸付が行われるとの話だった。「それ、本当かなあ～」と疑りつつも、その場を盛り上げるために私は叫んだ。「ヤシャスン！バカヌムズ・ムムジュ！（バンザイ！我らが大臣、ムムジュよ！）」「セブギリム・バカヌム、テッシェキュル・エデリム！（愛する我が大臣、どうもありがとう）！」実際、エルドアン首相と並び、文化観光相ムムジュは、このところずっとアンタルヤの観光開発にご執心で、次々に開発プロジェクトを立ち上げているのである。というわけで・・・・朗報であることには間違いないが、一方で不安がないわけではない。現在、基礎工事を目前にしている私たちの土地が、文化観光省のプロジェクトによって、別の目的のために割り当てられた区画に含まれたとしたら、どうなるだろう。建設も終わり、建物の使用が開始した後で、プロジェクトに沿わないとして、改築を迫られたとしたら・・・。あるいは、他の区画に移動せよと、移転を求められたら・・・・。カレイチ全体のルネッサンス（再生）のためには、政府の援助は非常に心強いが、お仕着せのプロジェクトに従わざるをえないとしたら、私たち一家にとっては目の上のたんこぶか、ただの足枷に過ぎなくなってしまう。少なくとも私たちに不利益をもたらすものでないことを祈りたい。私たちの今後の人生は、カレイチ次第なのだから・・・・。

  2005/01/05

• マイナス２７℃～プラス２２℃ ＆ 消えゆく湖、トゥズ・ギョル（塩湖）

  質問：気温差は何度？回答：４９℃これは何かというと、ここ数日のトルコ全国でみた気温差である。シベリア寒気団の影響で、トルコ東部の極寒地では、日中の最高気温がマイナス５～１０℃、夜間の最低気温がマイナス２７℃という厳しい寒さが、連日のように続いている。激しい気温の低下で、車のディーゼル・エンジンが凍りついたり、鳩が凍死したりしているそうだ。一方、ポカポカ陽気の続いているアンタルヤ。昨夜、少々の雨が降ったせいかどうか、今日は一層気温が上がり、２２℃という春の陽気になっている。アンタルヤからアダナにかけての地中海沿岸地方と東南部は、トルコでも最も温暖な地方にあたっているが、今年は本当に暖冬。当分の間、外出禁止が奨励されているトルコ東部の方々には申し訳ないが、アンタルヤの人たちはセーター１枚で気軽に散歩に出ているほどだ。- * - * - * - * -暖冬は、地球温暖化現象のひとつの現われだと思うが、トルコでもこんな影響が出ているらしい。今日の新聞で、こんな記事を見つけた。トルコ第２の湖であり、トルコを代表する塩湖として有名な、その名も「塩の湖」トゥズ・ギョルが、年々小さくなっているというのだ。塩湖は、古代に海の底であった土地が隆起した後、窪地に水が流れ込んで出来上がった湖だそうで、元々土壌中に塩分が多く含まれている上に、流出河川がないため、水中塩分濃度の高いのが特徴になっている。トゥズ・ギョルは、トルコ全国の塩の産出量の５５％をまかなうほどで、水分蒸発の激しい夏季ともなれば、干上がった湖面は塩の結晶で覆いつくされる。１９９７年には２６万ヘクタールを占めていたトゥズ・ギョルの面積だが、この７年間に１０万ヘクタールも減少し、現在は１６万ヘクタールにまで落ちこんでいるという。同様の現象は、トゥズ・ギョルのみならず、トゥズ・ギョルを含むコンヤ盆地一帯に広がっているという。トルコの国土全体の７％にあたるコンヤ盆地には、トゥズ・ギョル特別環境保護地区、ベイシェヒル湖国立公園、クズルダー国立公園、ウフララ特別環境保護地区をはじめとした数々の自然保護地区が含まれており、いずれの地域も、地下水源と湖水の枯渇、地表の乾燥・ひび割れ・砂漠化などの危険に冒されているという。ＷＷＦ（世界自然保護基金）トルコ支部の話によれば、世界的にも重要な２００のエコロジック・エリアのひとつがこのコンヤ盆地であり、コンヤ盆地には、全世界で絶滅の危険に瀕している１３種の鳥類のうち８種類が繁殖できる可能性を持つ１６地区が含まれるという。しかしながら、ここ近年の湿地帯の減少のせいで、鳥たちはコンヤ盆地から姿を消した。過去１０年で、８種類のうち５種類にあたる鳥類の数は、７５％以上も減少したのだという。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（以上、『Hurriyet』紙土曜版より引用）乾燥した赤茶色の土壌を特徴とする、アナトリアの起伏ある大地。そのアナトリア中部を占めるコンヤ盆地一帯は、広々とした草原地帯である。豊富な地下水脈の力を借りて、塩分の多い土壌でも、さまざまな作物が栽培されている。小麦、ライ麦、大麦、カラス麦、レンズ豆、インゲン豆・・・・。そして、有名なテンサイ（サトウダイコン）。貧土の大規模な耕地化のせいで、地下水源が枯渇し始めているところへ、年々減る降水量が追い討ちをかける・・・・。青々とした野菜畑も、金色に光る麦畑も、いつか見ることの出来なくなるときが訪れるのであろうか。コンヤ盆地の危機は、アナトリア全体、トルコ全体、ひいては世界的な問題といってもよい。我々の地球の砂漠化は、今後どうしても避けられないことなのであろうか・・・？

  2004/12/11

• 因習の残る社会―男の子ができないのは男ではない！？

  昨日に続いて暗い話題が続き恐縮だが、今日の新聞を読み返して、やはりこういう記事も時には紹介すべきではないか、と思いたった。トルコの東南部に色濃く残る因習(tore)が、またしても、このような事件を生んだ。日本では、さすがにこんな考え方はとっくに姿を消したと思うが、トルコでは、特に古き因習のさまざまに残る東南部では、いまだに人々を縛り付け、時には見えない「法」となって人々を裁き続けている規範がある。「女性は純潔であるべし」ということもそのひとつで最重要な規範だが、今回の事件で、「男子を持つべし」ということにも、いまだに大きな価値が置かれていることに、今更ながら驚かされた。　　　　　　　- * - * - * - * -トルコ東南部の都市シャンル・ウルファの一地方に住む男性には、６人の娘がある。彼は、「男の子ができない」という理由で、家族、親戚、周囲の住民からさんざんと圧力をかけられてきた。男子を望む気持ちは、娘たちの名前にも反映され、哀れにも６人にはこんな名前がつけられてきた。長女「待望（Hasret）」、次女「宿命（Kader）」、三女「私の苦労（Cilem）」、四女「？（ Behiye）」、五女「私は悲しい、あるいは私の悲しみ（Dertlim）」、六女「？ (Sumeyye)」という具合に。２ヵ月後に第７子の出産を控えた彼の妻も、まわり中の人々が悪口を言っては、自分に三行半を突きつけるよう夫に圧力をかけてきたと語る。彼は、家族、親戚中からどれだけ離婚を迫られても、それに頑として抵抗し続けた。ふたりの息子を持つ彼の男兄弟は、こんな風に彼をからかったという。「一人前の男には、男の子ができるんだよ。いったいお前さんは、どんな男なんだい？」ある日、もう一度同じようにからかわれた彼は、ついに鋏を持ち出して、兄弟を傷つけてしまった。裁判所に送られた彼は、警察、検察庁などで、兄弟、両親の両方から、「郷里を出て行くように、そうすれば訴訟は起こさない」と言われた。そして彼は、妻と６人の娘を連れて故郷を出て行かざるを得なくなった。日雇い労働と靴磨きで妻子を養っていた彼は、各地を転々としながら、いまだに仕事を見つけられないでいる。また、次女と三女は小学校に通っているが、高校生になる長女をいまだに学校に通わせることが出来ないでいる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（１２月２日付『Ｈurriyet』紙より抜粋）　　　　　　　- * - * - * - * -男子を持たないのは、「男の恥」であり、「女に欠陥がある」と考える社会。男子を持たないことが、「家」や家族一同にとって、ひいては村全体の「恥」とみなされる社会。これは、トルコ東南部でしばしば引き起こされる、因習がからんだ事件の数々の、ほんの小さな一例にすぎない。

  2004/12/02

• 「移民」の歴史が今また蘇る―移民をめぐる物語２題

  全国紙『Hurriyet』がギリシャ映画『花嫁たち』を紹介して以来、移民に関する記事が多くなったのは気のせいだろうか。もしかしたら、私の中で「移民」への関心が呼び起こされたことで、以前に比べて目に付くようになっただけなのかもしれないが。今日ご紹介するのは、第一次世界大戦後に行われたトルコ-ギリシャ間の「住民交換」で「移住」を余儀なくされたトルコ人と、「国土の浄化」という意図の下に住まいを追われたギリシャ人の物語をめぐる話題である。　　　　　　- * - * - * - * -【１】クレタ島へのルーツ探しの旅が始まった東地中海。エーゲ海の出口に浮かぶエーゲ海最大の島クレタ島は、トルコとギリシャのちょうど中間に位置し、さながらトルコとギリシャの間に置かれた飛び石のように見える。現在ギリシャに属するこの島は、トルコ語ではギリット（Girit）と呼ばれ、オスマン・トルコ時代にはトルコ領であった。１９２３年にトルコとギリシャの間で調印された「住民交換」の結果、クレタ生まれのトルコ人たちは先祖伝来の地クレタ島から放出され、トルコ本土に移り住むことになった。しかし彼らは、クレタ島を、そして自らクレタ人であることを片時も忘れることはなかった。記憶の中、心の中でだけでなく、言語や料理においても、クレタ人である証拠は生き続けていた。クレタ人は自らを、ギリシャの他の島々に住む者とも、大陸側に住む者とも常に区別してきた。プライドの高い人々として知られるクレタ人は、自らを他のギリシャ人とは別の人々として考えてきたのだ。この自意識は、トルコに住んでいたギリシャ人との間に居住地を交換し、トルコに住むこととなったクレタのトルコ人の中でも生き続けた。クレタ独特の言語、文化、料理、知性を携えながら、アナトリア各地へと彼らは分散していった。それから８０年が経った。ここ数年、クレタのトルコ人の第３世代の人たちが、自らのアイデンティティーを求め始めているという。観光客としてだけではなく、自らのルーツを探すためにクレタ島を訪れるトルコ人の数が急増しているというのだ。彼らは自ら「家族・親戚の家を見つけに行く旅」「クレタとの邂逅の旅」をオーガナイズもする。祖父母が暮らし、両親が、伯父伯母が生まれ育った家を見つけ出し、先祖の墓を訪れる。両親の通った学校を見に行き、近所の人から話を聞く。クレタ人である自らのルーツを確かめるために。一方、それに歩調をあわせるかのように、クレタのトルコ人を題材とした書籍の量も増えているという。クレタ料理のレストランが誕生し、クレタ料理が、ギリシャ料理あるいはエーゲ海料理とは区別して表現されるようにもなった。こうして、長い年月をかけてアナトリアの大地に浸透したかに見えた「クレタ」が、今また日の光の下に晒されようとしている。―第１世代は、新しい環境に慣れるよう努力した。第２世代はそれに成功した。そして第３世代は、ルーツを探しに出始めた―クレタ島には、特にハニアとレスモ（レティムノン）には、オスマン・トルコ時代に建設された古い邸宅やモスクが今でも数多く残されているという。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００４年１１月２８日付『Hurriyet』紙より引用）【２】映画『雲を待つとき』公開までの道程またギリシャ人の移民を、しかし別の視点から取り上げた映画が誕生した。トルコの女性監督イェシム・ウスタオール（Yesim Ustaoglu）による『雲を待つとき（Bulutlari Beklerken）』がそれである。これもまた、時代は同じ第一次大戦後。黒海地方にあったギリシャ人の村々が、オスマントルコ軍によって空にされ、これらの地に住んでいたギリシャ人は南への移動を余儀なくされる。この移動の過程で生まれるさまざまな苦悩、悲嘆・・・を、この映画は描き出す。イェシム・ウスタオール監督には、前作『太陽への旅（Gunese yolculuk）』という、クルド問題を扱った作品があるが、この作品はトルコ国内でさまざまな議論を呼んだという。当初トルコ国内での上映が禁止されたが、１９９９年のベルリン映画祭で「青い天使賞」と「平和賞」を受賞したことで、日の目を見た作品である。監督は、２年前には同映画祭の審査員にも選ばれている。脚本は、ロバート・レッドフォードが設立したサンダンス・インスティテュートの主催する、若手・独立系の映画製作者を支援する目的で開催されるサンダンス・フィルム・フェスティヴァルで最優秀脚本賞を獲得し、１５万ドルの資金援助を受けた。また、まだ撮影が開始する以前に、テレビ放映権を買い取ったジャパン・ナショナル・テレビジョン（※NHKか、あるいは日本テレビの間違いか？）も、資金援助を行った機関のひとつに挙げられる。さまざまな国の、さまざまな機関からの資金援助のもと、撮影を開始したウスタオール監督の映画の完成には、３年間を要した。撮影は、黒海沿岸の都市で紅茶の名産地、リゼ近郊の小さな村から、さらに３ｋｍ奥まったヤイラ（高原）や、ケマル・アタチュク生誕の地セラニックで行われた。映画の出演者には、ベテラン舞台俳優の他は、生まれてこの方一度もカメラの前に立ったことのない近隣住人が選ばれた。ウスタオール監督はこう語る。―ロシアの占領下において、オスマン・トルコ政府は西の村々に住んでいたギリシャ人を流罪にした。そのために人々は大きな苦痛を味わった。移動の途中に近しい人たちを失くした者もいた。私はこの事件を、心理ドラマとして描き出す。これは・・・流刑になる過程で、過去を失った女性のドラマである――『太陽への旅』の公開には困難が伴った。始めは許可されず、公開は遅れた。しかし今では、物事をずっと楽に進めることの出来る国になった―映画『雲を待つとき』は、来年１月７日にロードショー公開される。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００４年１２月１日付『Hurriyet』紙より引用）　　　　　　- * - * - * - * -私が、巨額をつぎ込んだハリウッド型の超大作より、こんなマイナーな映画作品にばかり心惹かれるのは、なぜだろうか？私自身の中に、常にマイノリティへの同情や共感があるのは確かなのだが・・・。

  2004/12/01

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  アンタルヤに地ビール誕生！**画像あり

  アンタルヤでは、２２日月曜から２８日日曜までの今週一週間、様々な見本市の会場として市民に親しまれている通称“ジャム・ピラミット（ガラスのピラミッド）”で、グダ・フアル（食品見本市、フードショー）が開催されている。私は、何を隠そう見本市の類が好きである。事務機・文具メーカーで働いていた頃は、ギフト・ショーの準備、展示、片付けなどの裏方仕事だけでなく、ブースに立って来場者に説明したりする仕事もしたし、見本市独特の賑わい、華やかさ、人の行来を眺めているだけで、なんとなく気持ちが浮き立つのだ。ギフト・ショー以外にも、独身時代は、家具・インテリア関係の見本市や旅行博にはしばしば出掛けた。極めつけはフード・ショー。食い意地が張っているということもあるのだろうが、フード・ショーほど愉しい見本市もそうあるまいと、私は思う。ワインのテイスティングや講習会、チーズの試食、冷凍食品や保存食品の試食などなど、要は目だけでなく舌をも愉しませることができ、各社用意しているパンフレットがまた知識・情報盛りだくさんで、ツアー中の薀蓄話として非常に重宝したものだった。昨日行く予定が、時間の関係で行けなかった私たちは、今日午前中のうちに出掛けてみることにした。マンションの駐車場に止めてある、お馴染み我が家のポンコツワゴン。ふと見ると、横のスライド・ドアにわずかに隙間が出来ていた。「少し開いてるよ」と夫に知らせると、「じゃあ、閉めて」という。重くて、ちょっとしたコツが必要なために、私と夫と、数人の知人にしか閉められない、このスライド・ドア。いつものように、思いっきり勢いをつけて閉めたつもりが、さっき同様、少し浮き上がってしまった。「それじゃあダメだよ。後ろに回って・・・（足で蹴って）」私は夫の言葉を最後まで聞かず、後ろの方から思いっきり手で押した。勢いが足りないせいで、１０ｃｍ手前で止まったドアを再び押し戻そうとすると、なんと！ドアがはずれて落ちてしまったのだ。「アッラハッラー！（なんてこと！）どうしよう！」夫が慌てて降りてきて、私を叱責する。「だから、足で蹴ってって言ったのに！」私は懸命に弁解した。「足で蹴るったって、私にできるわけないでしょう。女の私にそこまでさせるの？」夫は、なんで自分が降りて閉めなかったのか、とか、だから放っとけばよかったのにと、後悔と追及の言葉を繰り返す。５分ほど四苦八苦した後、完全には閉まらないまでも、夫がどうにかこうにか金具を嵌め込んでくれたので、助かった。このままドアが嵌ってくれなかったら、ドアを引きずりながら修理工場まで走るか（多分そんなこと無理だが）、レッカー車で運ぶか、とにかく何らかの方法を考え出さねばいけないところだった。今日再びイスタンブールへ、そして日本へと発つ夫は、留守中はどうせ車を修理工場に預けていくつもりだったので、「このままで構わないから」と、予定通りグダ・フアルへと出掛けることになった。入場料ひとり２ミリオン（約１５０円）を払い、中に入る。真っ先に私の目に付いたのは、ビールのポスター。しかも、なんだか見慣れない、新製品のよう。夫を促し、ビール・コーナー目指してまっすぐ進んでいった。ポスターには、『Perge Pilsner』（ペルゲ・ピルスナー）とある。Perge（ペルゲ）は、アンタルヤの東に遺る古代都市の名。一見して、これが地ビールだということが分かった。さっそく試飲。軽くて飲みやすいし、爽やかなコクと旨みがある。後味は・・・・そう、まるで本場ドイツのドラフト・ビールにそっくりだ。夫の顔色を伺う。夫はひとこと「うまいよ。これ」と、気に入った様子。トルコのビールといえば『EFES』が有名で、これも飲みやすくて美味しいビールなのだが、『EFES』に旨みを加え、さらに爽やかに仕上げたような新鮮な味わいがある。ドラフトだから、余計そう感じるのかもしれない。紙コップを傾けながら、会社の人に話を聞いた。実は、このビールを開発したのは、地元マナヴガットに本社のあるミネラル・ウォーター『süral su』スゥラル・スゥ・ボトリング社。アンタルヤの地元のミネラル・ウォーターとしてお馴染みで、実は我が家で定期的に買っている１９リットル入りの水も、スゥラル・スゥのもの。水源はトロス山脈中、キョプルル渓谷流域にあたる標高１４００ｍ台の森林に湧き出る水だという。この「天然水を用いた、トルコ初そして唯一のビール」であり、「ドイツの最新技術を用いて生産された」というのが、このビールの最大のセールス・ポイントになっている。どうりで、ドイツのピルスナー・ビールを彷彿させるはずだ。夫も「水がうまいから、ビールがうまくなるんだよ」と、知ったような口振り。現在、市場参入の準備中とのことで、来年中には、まず地元アンタルヤで販売開始となるそうだ。それが上手くいけば、もちろん全国発売もと意気込みはなかなか。しかし、まずはビール発売に先立って、地ビールならぬ地コーラ『Side COLA』スィデ・コーラと、『Side Portakal』スィデ・ポルタカル、『Side Limon』スィデ・リモン、『Side SODA』スィデ・ソーダ、『Side gazoz』スィデ・ガソスという炭酸飲料のシリーズが、およそ３ヶ月後に発売される予定だという。ちなみにSide(スィデ)も、ペルゲ同様、アンタルヤの東部に位置する古代都市遺跡である。こちらの方もコーラと炭酸オレンジ飲料の試飲をしてみたが、コーラはまるで気の抜けたかのようで、見込みはなんだか怪しい気がした。まあ、アメリカン・ブランドのコーラに比べ、甘みの強いトルコ産コーラ『コーラ・トゥルカ』が大ヒットするのだから、どうなるか分からないが、ネーミングはちょっと今ひとつ。地元の会社として、ぜひ健闘して欲しいものだ。結局、ビール以外にめぼしいものの見当たらなかった私たち。瓶や缶のデザイン、値段etc、まだまだハッキリと決まっていないそうだが、この『Perge Pilsner』、ドラフトは間違いなくイケる。会社の方々には、ぜひとも発売にこぎつけて欲しいし、来年アンタルヤにいらした方々にも、ぜひ一度ご賞味いただきたいビールである。

  2004/11/26

• 山田寅次郎を、中村獅童が演じる

  『日本におけるトルコ年』であった昨年は、様々な催しに並んで、新聞、テレビ、出版業界でも、随分トルコに関わる動きがみられたようだ。おそらく、エルトゥールル号遭難事故、山田寅次郎、イラン・イラク戦争時の日本人救出劇など、一連の日本トルコ友好秘話についてもさんざん紹介されたことだろうし、それによってさらに深い関心と知識を持たれた方々も多くいらっしゃることだろうと思う。そんなトルコ好き、トルコ通の方への新たな朗報である。本日付けの『Hurriyet』紙にこんな記事が掲載されていた。【寅次郎将軍、ドキュメンタリーになる】以下、新聞記事の抄訳からー　　　　日本における「トルコ年」の催しの一貫として、日本のテレビ局ＮＨＫとＴＲＴの共同制作による、　　　　日本人山田寅次郎の『土耳古画観』と題された旅行記にはじまり、当時のトルコ文化を紹介　　　　するドキュメンタリー・フィルムの撮影がイスタンブールで続けられている。　　　　日本人にとってのブラッド・ピットともみなされる俳優、中村獅童が、山田寅次郎を演じるために　　　　トルコへやってきた。　　　　日本の伝統芸能、歌舞伎の舞台における重要な俳優の一人である中村は１１月３～４日の　　　　両日、ﾏｽﾗｯｸ･ｶｽﾙ（Maslak Kasri)とﾕﾙﾄﾞｩｽ･ｼｬｰﾚ･ｷｮｼｭｷｭ（Yildiz Sale Kosku)において、伝統的　　　　衣装を身に纏い、寅次郎を演じる予定である。　　　　ドキュメンタリーのトルコ部分がＴＲＴの共同制作で実現されることになるこの作品では、「宮殿」、　　　　「結婚」といったトルコの伝統を紹介するシーンが、寅次郎の時代に相応しい形で新しく甦ること　　　　になる。　　　　このドキュメンタリーは、まず日本のテレビ局で、その後ＴＲＴで放送される予定である。　　　　１８６６年に東京で生まれた寅次郎は、エルトゥールル号の悲劇で殉教した５８１人の船員たちの　　　　家族のために集めた義捐金を届けるために１８９２年にやってきたイスタンブールで、２０年を　　　　過ごした。この間、オスマン側将校たちに日本語を教え、チチェッキ・パサージュ（花小路）に開い　　　　た店舗で商売に従事した。ベイヨールで初めての日本の土産物店の共同経営となったのだ。　　　　当時の上流階級を、寿司に初めて慣れさせた人物と認められる寅次郎は、エルトゥールル号の　　　　悲劇で亡くなった人々のために、大島で慰霊碑を建立する先導者となった。オスマン帝国皇帝アブデュルハミッド２世の時代に、「民間親善大使」「民間外交官」として日本-トルコ間の文化交流に貢献した山田寅次郎（１８６６－１９５７）に関して、私は名前こそ聞いたことはあったが、恥ずかしながら詳しくは何ひとつ知らなかった。これを機会にネットでいろいろ調べてみて、明治という時代に輩出した類まれなる国際人という感想を持った。私たちトルコ在住日本人の先駆者であり、日本の伝統文化を紹介しつつトルコの社会文化に積極的に溶け込み、２０年に渡るトルコ生活を切り上げて日本に戻ってから後も、トルコとトルコの文化、風土への愛着を持ち続けたという寅次郎の存在を、私たちはもう少し知ってもいいのではないだろうか。寅次郎の晩年、８５歳の時に残したとみられる一文が紹介されていた。―機を得ば再び身を飛行機に託して新月の都（イスタンブール）を訪ふを辞せず―９０歳でこの世を去るとき、寅次郎の脳裏には、イスタンブールでの日々が走馬灯のように浮かんでは消えたに違いない。　　　- * - * - * - * - 山田寅次郎の人物像とその生涯、果たした役割については、以下のようなページに紹介記事が載っています。私が下手に概略をまとめるより正確度が高いかと思いますので、関心をもたれた方は、これらのページを参考にしていただければと思います。（※なお私自身は、これらサイトとの利害関係は一切ありません。あくまでも情報量を判断基準としてご紹介するものです）検索エンジン等を利用すれば、さらにたくさんの関連ページが見つかるはずです。合わせてご覧になってみてください。新オリエント特急　夢紀行【日本人の足跡】（１００）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（１） 【日本人の足跡】（１０１）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（２） 【日本人の足跡】（１０２）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（３） 【日本人の足跡】（１０４）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（５） 【日本人の足跡】（１０５）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（６） 【日本人の足跡】（１０６）日本・トルコ交流の開拓者　山田寅次郎（７）

  2004/11/03

• トルコを訪れる外国人観光客のプロフィール、ほか本日の新聞より４題

  今日は町中の銀行まで出掛け、学校への支払い等のためまとまったドルを下ろし、ついでに伸び伸びになっていた子供たちの秋服を買う予定だったが、身体が重くいまひとつ元気が出ない。外出は諦めて、２～３時間横になることにした。そういうわけで、今日は本日２５日付『Hürriyet』紙全国版から、私の個人的関心を惹いた記事をいくつか紹介しようと思う。【わが国にやって来る観光客の、わずか１３％が金持ち】　　　今年、観光業界からの１６０億ドル近い収入が見込まれるトルコは、中間所得層の観光客を重要　　　な割合として受け入れている。　　　観光客一人平均７７２ドルが消費されるトルコで、一人当たりの消費額の最高はオランダ人と　　　イギリス人である。　　　今年、７－９月間にトルコを訪れた７１０万人を越える外国人の７５．２％は中間所得層からなって　　　いる。外国人の１３．３％が高額所得層からなる一方で、低額所得層の割合は１１．６％である。　　　－中略－　　　トルコに多くの観光客を送り込んでいる国の中で、最も個人あたりの消費額の多いのが９８４ドル　　　のオランダ人、次いで９４１ドルのイギリス人である。　　　トルコにやってくる観光客の約２０％をなしているドイツ人はといえば、一人当たり平均８５７ドルと　　　なっている。なるほど。順当な結果である。ちなみに、日本人はトルコでどれくらい消費しているのだろうか？私の予想ではせいぜい４～５００ドルというところだが・・・。できれば、“トルコにお金を落としていく外国人観光客トップ２０”くらいまで発表して欲しかった。ちなみに、ここで上位に名前の挙がった北～中央ヨーロッパの観光客の多くが目指すのは、陽光眩しく、青い海の広がるエーゲ海岸、地中海岸であることは間違いない。彼らの好む旅は長期滞在型であるから、食事代やお土産代を節約したとしても、宿泊費が総経費を押し上げてしまうのだろうと思う。【オーレンで、古代港フィーバー】　　　バルケスィル（Balıkesir）市のブルハーニイェ（Burhaniye）郡、オーレン海岸（Ören plajı）で、　　　古代都市アドラミティオン（Adramytion）の港の一部であったと想像される遺跡が出現した。　　　市長の要請によってブルハニイェへやって来たイスタンブールとチャナッカレの海上保安庁の　　　ダイバーたちは、オーレン海岸の脇にあるフィヨルト・モーテル（Fiyort Motel）の前でダイビングを　　　行った。　　　３名からなるダイバー・チームは、切断された石から造られた２つのＵ字型の港と、１本の道を　　　発見した。石はそれぞれに鉛で繋がれていることを発表した市長は、　　　「アドラミティオン港がオーレンにあったことが確実となった。　　　古代港を明らかにする作業のためのスポンサーを探している」と語った。アドラミティオンは、地図でみるとエドレミット（Edremit）―トルコ北西部、エドレミット湾に面した都市―の北部に遺る古代都市で、アドラミッテイオン（Adramytteion）とも表記されている。ほとんどどのガイドブックにも記載されていないので、この都市の詳細は不明だが、現在のエドレミットの都市名がここに由来することは明らかである。しかし、トルコは遺跡の宝庫。市長の気持ちはよく分かるが、発掘・修復のめどがつかず風化、浸食、自然崩壊するにまかされている重要遺跡が星の数ほどある状況では、スポンサーもそうそうは付くまい。古代の港には、もうしばらく海の底で眠りについていてもらうしかなさそうだ。【フランスで、トルコの食品に対し覚醒剤捜査】　　　パリで先週末に終わりを迎えた、国際食品見本市（SIAL）に参加したトルコ企業６４社の食品を　　　パリに運んだ２台の国際間輸送トレーラー（TIR）が、フランス麻薬警察の手によって見本市会場　　　の端に寄せられ、突つき返すようにして細かく捜査され、それには警察犬も動員されたことが　　　明らかになった。　　　荷物を満載した２台のトレーラーから下ろされたアシューレ（穀物、乾果などを砂糖で軟らかく煮た　　　デザート）、オリーブオイル入りドルマ（ピーマンや茄子、ズッキーニなどの中をくり貫いて、お米を　　　詰めて煮た料理）、いちじく、ツナ、ハチミツ、干しアンズ、ジャムの箱などがひとつひとつ開けら　　　れ、警察犬に臭いを嗅がれた。　　　２年に１回パリで開催され、何百社もの外国企業が参加する国際食品見本市で唯一、トルコから　　　来た、トルコ製品を積載した２台のトレーラーに積まれた食品だけが開封され、警察犬に臭いを　　　かがれた事実は、トルコのビジネスマンたちに反発をもって迎えられた。　　　“密告にもとづいて”捜査を実施したことで満足している責任者と、特別な訓練を受けた警察犬　　　まで動員した結果が得られなかったことによって、トルコの食品が見本市に出品する許可は　　　得られた。　　　フランス警察の手によって行われた捜査のおかげで、見本市の運営側から世界で最も優れた　　　１２食品に入賞したTUKAŞ社の作ったアシューレもチャンスをつかんだことになる。栄誉を掴んだ　　　アシューレには、見本市終了後の華麗な授賞式において、賞が授与された。フランスにおけるトルコへの不信感を象徴したようなエピソード。トルコは実際、麻薬・覚醒剤のヨーロッパに向けた中間積み出し港となっているらしいのだが、それはトルコ経済の闇の面。国際見本市に出展するほどのトルコを代表する企業が覚醒剤などと関わりがあるとは到底思えない。まさか、国際見本市という場で、大掛かりな麻薬取引でも行われると考えたのか？すでに終わってしまったことだが、トルコ側からの公式なクレームがあってもいいような「事件」である。そして、イギリスからご覧の皆さま。最後にこのニュースがくることをお許しあれ。【チャールズ皇太子、領事館のために来たる】　　　イギリスの王位継承者チャールズ皇太子が、昨年の爆弾テロ襲撃事件で損害をこうむった在　　　イスタンブール、イギリス総領事館のオープニングを執り行うために、昨日特別機でイスタンブー　　　ルに到着した。　　　チャールズ皇太子は、空港からその足でまっすぐ領事館に向かった。皇太子は１時間に渡る視察　　　の後、滞在予定のチュラーン・（パレス・ケンピンスキー）ホテルに移った。　　　皇太子の視察中、領事館の面する小路から報道関係者は締め出され、小路は車・歩行者の交通　　　を禁じられた。　　　総領事ロジャー・ガイ・ショートや９人の領事館職員と共に１６人を失う原因となったテロリストの　　　襲撃後に修復された総領事館の公式オープニングは本日執り行われる。　　　チャールズ皇太子の２日に渡る訪問の間には、イスタンブールとアンカラにおいて、様々な会見が　　　持たれる予定である。　　　アンカラではアフメット・ネジデット・セゼル共和国大統領と会見を、またレジェップ・タイイップ・　　　エルドアン首相との晩餐会で一同の前に姿を現す予定である。総領事館のオープニングに「わざわざ」の感のある皇太子の来土であるが、長引く爆弾テロ後遺症のために訪問を延期されていたのであろう。公式というより、「お忍び」的な雰囲気が漂う。なにより、記事の扱いが意外に小さいのに驚いた。当のイギリスではどう報道されているのであろうか？　　　

  2004/10/25

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  ８００年前のハマムが蘇った！**画像あり

  何年も廃墟同然の状態で置きざりにされていた、[PAZAR HAMAMI]（パザル・ハマム＝日曜ハマム）が、この度あらたに蘇った。アンタルヤの「へそ」ともいうべき場所カレカプス（城門、の意）に、今からおよそ８００年前、セルジューク朝支配下の１２２６年に建設されたとされているパザル・ハマムは、長らく建設用の囲いに覆われ、柵の外は広告用スペース、柵の内側はストリートチルドレン、特にシンナー常習者のねぐらになるという、哀れな状態のまま放置されていた。そこを２９年間の期限付きで借り受けた企業が出現し、数ヶ月にわたる発掘と、それに次ぐ修復の後、つい先日アンタルヤの最新スポットとして登場したのだ。ちなみにハマムとは、古代ローマ浴場に起源を持つとされるトルコ式の共同浴場、いわゆる「トルコ風呂」のことで、大理石を敷き詰めた床の下を熱い温水と蒸気が回ることで、部屋全体を暖める一種の蒸し風呂である。浴場の中央には、「ギョベッキ・タシュ＝へそ石」と呼ばれる大理石製の多角形テーブルが拵えてあり、この上で寝そべって身体を休めたり、「ケセ＝垢すり」をしてもらったりすることができる他、中央浴場の周囲には個室が配してあって、そこには温水、冷水の蛇口とやはり大理石製のボウルが据えつけてあり、浅くて小さい洗面器のような桶で湯を汲み、身体を洗うことができるようになっている。　 パザル・ハマムのうち、一番大きな部分は男性用浴場が占めている。ここは、今でもまだ工事が続けられているが、もうじき金製品や革製品の店を抱えるチャルシュ（小さいショッピングセンター）としてオープンする予定である。男性用浴場のお隣には女性用浴場があり、こちらはすでにア・ラ・カルト・レストラン「Hamam BISTRO」としてオープンしている。　 そのさらに隣には、貯水槽として使われていた細長い部屋があり、今流行りのシャラップ・エヴィ(直訳すればワインハウス、要はワインバー)になる予定だ。ハマム横の広々とした階段状の庭には、日傘が広げられ、カフェ＆パスターネ（パティスリー）として気軽に利用できるだけでなく、庭を挟んでハマムの反対側はファーストフード・スタンドにもなっている。　 キャパシティーは、レストランと庭を合わせて３５０人、ワインバーで６０人という広さ。メニューはヨーロッパ・スタイルを目指しているらしく、さっと目を通しただけだが、ビーフステーキ、ヴィーナー・シュニッツェル（ウイーン風カツレツ）、何種類ものサラダ、ハーブティーやフレーバー・ティー、何種類ものコーヒーなどが目に入った。ラマザン中にもかかわらず、外国人ツーリストだけでなく、新らし物好きのトルコ人で、ここしばらくは賑わうこと受け合いである。かくいう私も、１１月に夫が帰ってきたら、ここで食事をとってみるつもりである。ただし、この最新スポットの左右には、壁の漆喰も剥げ落ちたような古いオフィスビルが聳え立っており、それがハマムの美しいドームには似つかわしくない醜い背景となってしまっている。どう目を背けても細めても、それが視界に入ってしまうことが唯一残念である。

  2004/10/18

• Ｆ１トルコＧＰ開催日程決まる！ほか、今日の新聞より３題

  今日は、本日付の『Hürriyet』紙全国版、および地中海版から目に付いた記事をご紹介します。【１】Ｆ１トルコ・グランプリの開催日程が発表となる　―トルコが、フォーミュラ１、ワールド・チャンピオンシップ・カレンダーに含まれることが、　このたび本格決定となった。　―FIA（国際自動車連盟）の発表した２００５年度のカレンダーによれば、トルコ・グランプリの開催日は　８月２１日とのこと。現在サーキットは、イスタンブール郊外で建設中のはずですが、本当に間に合うんでしょうか・・・ね。実は、この開催地決定に至る経緯を、私は２年前からずっと見守ってきました。というのも、私はかねてからトルコでのＦ１開催を夢み、その開催候補地としてはアンタルヤをおいて他にはないと、固く信じてきたからです。４０万床を越えるキャパシティを持つ数多の宿泊施設。レースの前後には、遺跡観光、マリンスポーツをはじめとした数々のアウトドア・スポーツが楽しめ、なにより気候が温暖で、山と海の織りなす景観が素晴らしく、フォトジェニックであること。世界のセレブリテたちが自家用クルーザーや自家用ジェットで直接乗りつけることのできる、地中海に面したマリーナと、繁華街までたった２０分の距離に位置する空港も備わっています。残念ながら、F1ではイスタンブールに敗れたアンタルヤですが、現在ディズニーランドの建設予定も入っており、商業と文明の都イスタンブールに対抗する観光文化都市を目指している途上なのだそうです。【２】今度はピアノ・フェスティヴァル開催　　―『黄金のオレンジ映画祭』が終わったばかりのアンタルヤで、今度は第５回ピアノ・フェスティヴァルが　　開催されるとのこと。　―日程は、明日１０月１５日から、２５日までの１１日間。　―内容については詳細不明ですが、一番の目玉はトルコを代表する国際的ピアニスト、　ファズル・サイ（Fazıl Say）の無料野外コンサートが開かれること。　―日時は、１０月１７日、１４時。場所は、カレイチ内にあるメルメルリ公園にて。先に開催された映画祭も不発に終わったのにかかわらず、次々と、懲りずに開催されるフェスティヴァル・・・。前回の市長選で選ばれた、元商工会議所長でAK党出身のメンデレス・テュレル市長は、「我々の目標は、アンタルヤをフェスティヴァル都市にすることだ」と記者会見で述べたらしい。実は、有名俳優などドタキャンでほとんど来なかった、しけた映画祭に終わった『黄金のオレンジ映画祭』を、「カンヌの上をいった」などと豪語する市長ですから、目標だけが空回りして終わることは十分予想できます。でも、この市長、映画祭の準備に当たって、わざわざ奥様連れでカンヌ映画祭の視察に行ったのですよ。それで学んできたことは、オープニングの日、市庁舎の前に赤い絨毯を敷くこと（だけ？）だったというわけ。【３】フェティエで日本のTV局が撮影　―フェティエ（Fethiye）で、日本の撮影クルーが子供をテーマとしたドキュメンタリーを撮影中。　―世界各国の子供たちの抱いている夢と生き方を映像化しようというTV局が、フェティエに住む女の子　オヤ・ヤルチュンの生活と、将来いいコックになりたいという彼女の夢をフィルムに撮った。フェティエというと、イギリス、ドイツ、オランダなど北～中央ヨーロッパの人々に人気のあるリゾート地。最近では日本人もよく訪れるようになったし、『世界ウルルン滞在記』（トルコ・エーゲ海の家族船に・・・出合った）などで名前を知った方もいらっしゃるのではないでしょうか？そして、今回もまたフェティエ。きっと同じ方がコーディネートしてらっしゃるのでしょうね。あ～あ、アンタルヤに撮影に来てくれるTV局はないのかなあ～。　

  2004/10/14

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  『黄金のオレンジ映画祭』開幕！(画像あり）

  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 この時期、遠くの地からアンタルヤに帰り着いたとすれば、まず私の眼に飛び込んでくるのは、オレンジを抱えた金色に輝く乙女の像。(少なくとも１年ほど前までは、そうだった・・・）あたかもアンタルヤの市門のような形で我々を迎えてくれる（はずの）この像は、今ならアンタルヤの各所で目にすることが出来る（はずの）もので、アンタルヤのシンボル的意味合いも持っているのですが、実は、アンタルヤを舞台として開催される、トルコで最も歴史ある映画祭『ALTIN PORTAKAL FILM FESTIVALI(ｱﾙﾄｩﾝ･ﾎﾟﾙﾀｶﾙ･ﾌｨﾙﾑ･ﾌｪｽﾃｨｳﾞｧﾙ)』､訳して『黄金のオレンジ映画祭』のシンボル。三大国際映画祭にあたるベルリン、カンヌ、ヴェネツィア映画祭が、それぞれ黄金の熊、黄金の棕櫚、黄金の獅子を冠に抱いていることから、おそらくそれらにあやかって名づけられたものと思われ、各賞授与者には、この乙女の像をかたどったトロフィーが贈呈されます。ちなみにオレンジは、ここアンタルヤのシンボル。柑橘類、なかでもオレンジの名産地として自他共に認めるアンタルヤ市ならびに市民にとって、オレンジは最も身近にあり、馴染みの深い存在。ここアンタルヤでは、オレンジのモチーフは市や観光局の広報から、会社や商店、学校のシンボルマークにまで、ありとあらゆる機会と場所に使われているのです。 今年で４１回目を数えるこの『黄金のオレンジ映画祭』。今日１０月３日を皮切りに、１０月１０日までの８日間、市役所文化ホール、アタチュルク文化センター、市内各映画館、屋外上映場などにおいて、コンペティション、回顧上映、特別上映、野外上映、講演、ワークショップ、市民コンサート、ダンス公演など、多岐にわたる催しが予定されています。上映作品は計２５０作品。鑑賞料は一律３ミリオン（約２５０円）。無料上映作品もあります。（※映画祭に関する問い合わせは、TEL: (0242)238 54 44）アンタルヤに越してきて私には３回目に当たるこの映画祭、今年は娘ふたりとも学校に通っていることですし、少しは上映を見に行けるかもしれないと、楽しみにしながらプログラムをつらつらと眺めているところです。２年前、１年前に比べれば、映画のトルコ語も多少は聞き取れるようになっているので、トルコ語のヒアリングのトレーニングも兼ねて。昨年は、２００３年のカンヌ映画祭で審査員大賞と最優秀男優賞を獲得した、ヌーリ･ビルゲ･ジェイラン脚本・監督『UZAK(ｳｻﾞｯｸ=遠き)』の特別招待上映があったのに比べると、特に私の眼を惹く作品はなさそうなのですが、“最も優れたトルコ映画１０作”（無料上映）なんて、なかなか古い名作を鑑賞する機会がない私にとっては、なかなか魅力的。ところがプログラムをみると、上映時間は早くても１８時半、２０時半なんていうのも・・・。宿題の面倒を見ながら夕食の支度をし、子供たちに食べさせて、風呂に入れさせて、寝かしつける・・・・・私にとっては一番忙しく貴重な時間帯。やっぱり、観たい作品からは縁遠い現実がありました。結局、今年も指をくわえて見ているだけなのかなあ～。(ため息）午後から、主会場にあたるＡＫＭ（ｱﾀﾁｭﾙｸ文化センター）の前まで行ってみたのですが、日曜日とあって、大変な人込みでした。ちょうど１５時半から始まったというパレードには、映画祭に招待された有名（？）俳優たちが顔を見せるとあって、野次馬だらけ。私は誰が誰やらチンプンカンプンなので、早々に退散しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  2004/10/03

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