続・波郷忌
深大寺山門への階段は修理中で、石を削る音や金槌の音で喧しい。ひょっとしたら石段横の落水の所に綿虫がいるかと思ってきたが、此の喧噪では綿虫も近寄れまい。諦めて深大寺本殿へ。本殿脇の無患子は黄葉となり鈴生りの無患子の実も同じく黄色くなっていた。お詣りをして波郷先生の墓へと急いだ。ところが波郷先生の墓前には先客がいた。鉢合わせを嫌って、取り合えず小林康治の墓へ。ゆっくり時を稼いで御墓前の様子をみると未だ先客が三人話し込んでいた。仕方なく御墓へ足を運ばせた。すると墓前には見知らぬ老爺一人と老婆二人がおられた。後からか考えると線香が尽きるまで波郷先生を偲んでいたらしい。墓の廻りの落ち葉を拾い、紫式部と侘助の蜘蛛の巣をとり、供花の水を替え、線香を燻らせた。そうこうしている内にまた一人知らない女性が現れた。気まずい思いはこりごりなので早々に墓前を去った。 波郷忌や黒くよこたふ印旛沼 惜命忌堂鳩土を啄めり 朴の木の空の青さや風鶴忌 最後までお読み頂き有り難う御座いました。 クリックしてね ↓ 人気ブログランキングへ