2010/03/25(木)17:51
「ボルゲーゼ美術館展」
「ボルゲーゼ美術館展」へやっと行ってきました。会場はすいていて、ゆっくり鑑賞することができました。
ボルゲーゼ美術館というのは今回初めて知りました。
支倉常長がここの寄っていたのも今回初めて知りました。
シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿が今から約400年も前に建てた白亜の宮殿がそのまま美術館として使用されているということで、行ってみたいなと思いますが、事前完全予約制だということで、なかなか行くことはできないですね。
ということで、今回は、またとない機会です。
作品数が48点と少ないのでゆとりを持って観ることができるし、その空いたスペースに、ボルゲーゼ美術館のビデオを流してボルゲーゼの宮殿の様子を見せていたのは、良いな、と思いました。
最初の方にあるのが、マルチェッロ・プロヴェンツァーレ「オルフェウスの姿のシピオーネ・ボルゲーゼ」1618年。これがモザイクというので驚きます。非常に細かなモザイクで構成された作品です。悪くなった目をこらして見ました。
この展覧会の目玉の中の目玉はラファエロ・サンツィオの「一角獣を抱く貴婦人」1506年。
元々は描かれた女性の嫁入り道具(一角獣は貞淑のシンボル)であったと考えられるこの作品ですが、いつの間にやら「聖カタリナ像」に描き換えられてしまったそうで、その絵がこうして、ラファエロの作品で、マントの中に隠れていた一角獣が現れ出たきたというこの絵の運命に感動します。
こんな発見ってあるんですね。
途中にいきなり、アルキータ・リッチ(かつてはクロード・デリュに帰属)「支倉常長像」1615年があります。
予備知識なかったです。
大きな作品です。1600年代前半にシュピオーネに面会し、ボルゲーゼの宮殿で昼食を振る舞われたそうです。
最も気にいったの。ミケーレ・ディ・リドルフォ・デル・ギルランダイオ 「レダ」1560-70年頃と「ルクレツィア」1560-70年頃 の作品です。
これは多くの人が、素晴らしいとブログなどに書いています。
共に板絵。サイズも小さめです。
それでもなんと引きつけられます。特に、レダの振り向きざまにこちらに向けた目が良いですね。
「レダ」の絵は、この会場にももう1点あって、世の中にはたくさんあるのですね。
どんな女性なのだろうと思って少し調べてみました。
<絶世の美女として知られるスパルタの王妃レダ。ゼウス神が見そめます。ゼウスは白鳥に化けて、鷹に追われるふりをして、泉で水浴しているレダの懐へと逃れます。レダは白鳥を抱いているうちに、優しく愛撫され、夢見心地に白鳥と交わってしまうのですね。
また、その夜、レダは夫であるスパルタ王テュンダレオスとも交わって、やがて二つの卵をうみます。
その一つから、カストルとポリュデウケス(こちらがゼウス神の子)の兄弟、もう一つから、クリュタイムネストラとヘレネ(夫テュンダレオスの子)の姉妹がうまれる>というのです。
卵からうまれる、というのは神話ですね。
レダに対してルクレツィアは、古代ローマ王タルクイニウスの息子に凌辱され、自ら命を絶ってしまった可哀そうな人妻、ということです。
愛を受け入れたレダと拒んだルクレツィア、二人の対比です。
何度も書きますが、ゆっくり鑑賞できて、とても良かったです。