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カテゴリ:情報的生活行為
青い壷 新装版 (文春文庫) [ 有吉 佐和子 ] 読了。 固定してる陶器の壺があって、その周りを魚眼レンズのようにフィルムが回る感じで、お話が合計13話、の短編集。一つ一つのお話は、それぞれに個性があって、作者がいい加減に取り扱っていない事、つまり、各お話にちゃんと焦点が合っており、それはそれで、短編として読ませる、、と同時に、一回り大きなパラダイムも存在していて、スケールを大きくしてる。 有吉佐和子 恐るべし。 あたしは、この13のお話の中で一番面白かったのは、この部分を引用した、第9話。 第9話中、引用ここから→ p230 10行目から→・・ 疲れと食物に関する不満が、一挙に爆発したのは、御所の案内人が、「お婆ちゃん、お婆ちゃん、はい、こちらに集まって。いいですね。聞こえますか。この仙洞御所は、太閤秀吉と仲の良かった後陽成天皇が、秀吉の死後隠棲された曰くのある建物ですよ。お婆ちゃん、こちらをご覧なさい、見えますね、お婆ちゃん」 と、親切この上ない説明を始めたときであった。 「なんでしょう、まあ、お婆ちゃん、お婆ちゃんって。失礼な」 「自分もお爺さんの癖してねえ」 「内容も程度が低すぎますよ」 「聞くに堪えない。私、文部省に投書しようかしら」 弓香ばかりでなく、ほぼ全員が案内係の態度に気を悪くしていた。五十年前に日本で最高の女子教育を受けたインテリ老婆たちは、案内人の心配りにすっかり激高してしまったのだった。そこで、この親切な男は、すっかり存在を無視されてしまった。彼の謂うお婆ちゃんたちは銘々勝手に歩き回って個人見学を始めたからだ。 「お婆ちゃん、お婆ちゃん、そっちは立ち入り禁止です。そちらのお婆ちゃん、こちらへ戻って下さい。ここはグループで見学してもらうところですから。よろしいか、お婆ちゃん、こちらです。こちら。そっちと違います。こちらへ来てください。」 案内人は、どうやらかなり老耄(ろうもう)の進んだ一群を引き受けてしまったと勘違いしたらしかった。三々五々と散らばる連中を、大声で呼び立て一ヶ所に搔き集めようとして大童(おおわらわ)になった。 ←引用ここまで。p231()内はルビ。太字は引用者。 ばーちゃんバーチャルちちちっち、うんぽこうんぽこ、っちゃっちゃずずずん、、 婆^ちゃるばーちゃん、、やだやだ、おおおおおばああちゃん! とか、ラップに出来そうなくらいにお婆ちゃんが出て来て、ビックリだった。 それと、最近、あたしとて、卒業後50年の同窓会とかしてるし、。。 お話し中の、登場人物、弓香は東京から、これも、いさんとこさんは東京から参加したしね。ついこないだのことである。 思ったんだけど、お婆ちゃん、って言葉は今はあまり言われないね。 家族間には残っていそう。 だけど、 案内人(今は、ボランティアガイド、、とか言わない?)だって、言わないと思う。 お婆ちゃんは、どこへ行ったんだろう。 ばあば、に化けてるか? 高齢者、という言葉が台頭したか。。 半世紀前の人気作家の小説に登場してるんだから、この単語は受け入れられている。当時。。 言葉、というレベルでは、消えてしまってるが、 さては、地下に潜ったか。 老い、は消えてはいない。多少は、、若くはなってるとは言え・・。 世間はどうか。 なかなか、、どうして、、オモテには出ないだけで、しっかり思想として、 根を張っており、お婆ちゃん、と気軽に書いたり言ったりしない分、 年寄りに関しては、ネガティブな印象を積み上げて行ってるように 思うがどうか。 (しかも、このお話では、これらレッキとしたお婆ちゃんたち、古希、くらいのお年なんだもの) 古希を過ぎて、喜寿になり、老いぼれてしまったお婆ちゃん、記す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2026年07月20日 06時16分56秒
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