CoDaWaRiちゃんのコダワリ日記

2007/10/15(月)10:00

それでもシアワセ?やっぱり不幸?

思うこと(28)

  孤独な画家ユトリロが愛する「運命の女」 ファム・ファタール(運命の女)マリー・クレマンティーヌ・ヴァラドンをご存知でしょうか?                                   マリーは、ユトリロの母で                                                   ロートレックやルノアール、ドガ、ゴッホなど数多くの                                       著名な画家に愛されたモデルでした。  ↓ルノアールの作品左がマリー(17歳)、                                          右はルノアールの婚約者アリーヌ・ジャリコ(24歳)  42歳のルノアールは、モデルのマリーと婚約者のアリーヌと同時進行!    18歳のマリーは、父親不明のユトリロを身ごもり                                     結局ルノアールと破局。次にロートレックと浮名をながし、                                          20歳の時に結婚を迫り、狂言自殺を図る次第・・・自由奔放に生きる女!一方、小さい頃からユトリロは、母に置いてきぼり。                                        寂しい幼少年期を余儀なくされ                                                  精神状態も不安定だったそうです。12歳の時には、ストレスから突然暴れだしたり・・・                                    15歳の時には、アルコール依存症に。酒に酔っては、暴れる、騒ぐ、人を名殴るのは当たり前の生活。 (ユトリロ初期の作品↑)挙句の果てには、酒に酔い潰れる毎日。                                      さすがの母も心配して                                                                    ユトリロが入院した病院の先生に相談します。医師は絵を描くことを進め、                                                   ユトリロは風景画を描き始めます。ひとえに絵を愛する                                                         母の喜ぶ顔が見たかったから。しかしユトリロは絵を描き始めても、                                                              アルコールへの依存症は治らず、                                                   マリーも自分勝手な恋愛を止めません。ユトリロ25歳、マリー44歳。                                                               またしてもユトリロの身に悲劇は起るのでした。それは、ユトリロの唯一の親友だった                                         ユッテルと母マリーの同棲生活。                                                         尋常ではない事態。                                                    この事件により、                                                    ユトリロは画家としての成熟期を迎えます。「白の時代」です。モンマルトルの漆喰の壁、静寂な白い風景 孤独・失望・疎外感・焦燥・愛されたいという希望いろいろな思いを抱きながら                                                 昔母と暮らした町並みを思い出し                                            ユトリロは絵筆を握ります。それは、静寂だけどとても優しい風景です。彼は幼さない頃、                                                         モンマルトルの町で、独りで漆喰の壁の欠片を                                      拾い集めては遊んでいたそうです。 きっと、母の帰りを待ちわびながら、                                         拾い集めたのでしょうね。                                                             「私を待っていてくれたの?ありがとうモーリス」                                        そんな一言が、                                                   とても嬉しかったに違いありません。                              後年、ユトリロは友人の質問にこう応えています。                                                                                       「パリの思い出に何か1つ持っていくとしたら何?」                                                         「それは、ひとかけらの漆喰さ」漆喰の壁は彼にとって、母への思いそのものなのでしょう。ファム・ファタール(運命の女)を母として                                                 愛し続けなければならなかったユトリロ。建物を覆う、漆喰の大きな壁は、                                              ポロポロと崩れ落ちてゆく、精神的な弱さと                                      ただ真っ直ぐに母を求めた純真さを                                              物語っているようです。 ユトリロは生涯に数え切れない、                                            街角の風景を描いています。終生アルコールに依存しながら・・・・。※ファム・ファタールは、運命の女・男の身を滅ぼす魔性の女の意味

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