箱庭

2008/01/08(火)14:53

摩耶の旅 第9回「満洲の曙」 1947年

HoI2AAR(326)

1947年が明け、2月3日には最後の枢軸国であったイタリアをアメリカ合衆国が併合。これにより、欧州におけるファシズムはスペインを除いて死に絶え、アフガニスタンや満州国がその遺骸を引き取る形になっていたが、満州国はファシズム体制とは言え皇帝溥儀の下に国民が従う専制独裁に近く、一概にもファシズムとは言い難い節があった。いずれにせよ、ファシズムにとっての夏は終わっていたのである。 ところが、世界情勢についてもすぐに落ち着くわけではなかった。2月12日、空気を読んだのか読んでないのか、北朝鮮が南朝鮮に対して宣戦布告。38度線を越えて軍を進めたのである。 北朝鮮と南朝鮮はそれぞれ共産国と連合国の軍事同盟に加盟しているため、朝鮮戦争はそのまま世界大戦へと繋がった。第2次世界大戦第2幕の始まりである。 一方で、満州国は諜報戦に従事。米国や英国等から設計図を奪い取って自国の研究に活かしているだけだったが、ついに、外国的にも大きな活動を起こす。 *  満州国皇帝 愛新覚羅溥儀 「インドと同盟を結ぶ」 「唐突過ぎますよ。って言うか何故にインド?」 「インドは膨大な人的資源に加え、中堅国程度のICと有能な研究機関を持つ。我国の国家戦略上の不利を補うには最適なパートナーだ。無尽蔵の歩兵も我国にとって大きな味方となるだろう」 「・・・分かりました。しかしインドは政体が民主制です。同盟は不可能なのでは?」 「忘れたか? 外交活動成功率は常時100%だ」 「・・・なるほど、政治的リアリティなど糞食らえですか」 張はすぐにデリーへと飛んだ。満州国からの突然の使者にインド政府は驚いたが、大統領府へと案内した。更に張がもたらしたものは満印同盟の締結という奇抜なものであり、インド政府を2度驚かせた。「ともかく時間をくれ」と言ったインド政府に、張は「私が訪問中に同盟を締結したい。これはゲームの神からの勅命(チート)である」と言ったため、インド政府はわずかな思考時間しか与えられなかった。  インド共和国首相 ジャワハルラール・ネルー 「インドの豊富な人材と資源、それに満州国の工業力と技術力が合わさる事で、両国は繁栄を手にする事だろう」 「この同盟の締結で、両国の結びつきは更に強くなった」 とかなんとか言って同盟の正当性を主張したに違いない。ともあれ、満印同盟は成立したのである。そしてその同盟関係は、溥儀の策動で強制的に深められる結果を招く。 続きを読む

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