箱庭

2012/10/09(火)10:50

満洲国AAR「満洲の曙」 第16章

HoI2AAR(326)

 ソビエト連邦書記長 ヴャチェスラフ・モロトフ 「・・・ご苦労さん、同志ジューコフ。状況は?」  ソビエト連邦統合参謀総長 ゲオルギー・ジューコフ 「・・・よいとは言いかねますな」 「極東方面では、むしろ我々が押しています。兵を集めれば反撃態勢も整うのですが・・・。奴ら、苦戦すると見るや即座に核を使って来るので下手に動けません」 「忌々しい核の亡者めが・・・」 「問題は核だけではありません。敵の主力と思われる大部隊が中央アジアを突破中、大祖国戦争時に疎開させた工業地域が敵手に落ちるという事態が発生しています」 「・・・大清帝国との国境線への部隊配備を怠ったのは不覚であったな・・・」 「現在、モスクワ以南に配備している部隊を急ぎ迎撃に向かわせております」 「頼むぞ、同志」 「は。・・・同志書記長、この戦争はいつまで続くのでしょうか?」 「・・・さて、私には見当もつかんよ。スターリン大元帥ですら分かるかどうか」 「・・・何にせよ、我らの敗北でこの戦争を終わらせるわけにはいきません。微力を尽くしたいと思います。それでは」 「うむ・・・」 *  1959年7月30日、モンゴルの首都ウランバートルが陥落。大清帝国はモンゴルを併合し、帝国の一部に組み入れた。しかし、極東では溥儀の思惑通りとはならず、ソ連軍が予想を超える兵力を極東に配備していたため、溥儀は足の速いヘリ部隊を一部北上させて分断するとともに、後詰めとして前進していた山岳兵軍団の分派を決断した。この頃には爆撃機1個師団が壊滅するなど、想定以上の激戦がそこでは繰り広げられていた。  中央アジアを駆ける主力部隊は、南方のペルシア方面と中央アジア方面を分断する作戦に着手し、破壊力で勝る帝国軍はペルシア方面へとソ連軍を押し出していた。その間にも大清帝国の核攻撃は断続的に行われ、ソ連は空から降り注ぐ悪夢にうなされる事になる。しかし、大清帝国は早くも兵力不足に喘ぎ始めており、激戦が続く事が予想された。  大清帝国が第2次世界大戦に参戦してから半年が経ったが、広大なソ連の大地に足を踏み入れた大清帝国陸空軍は、後方のパルチザンや共産軍の反撃に苦しめられながらも前進を続けていた。ペルシア方面ではインド軍の攻勢が始まり、核の援護を得ながらソ連軍に負けず劣らずの物量戦を展開する。  特に中国統一戦争でも活躍した近接航空支援機が前線に近い基地を得ると、その攻撃力をいかんなく発揮し、共産軍の地上部隊を粉砕した。航空攻撃の威力を再確認した溥儀は、戦術爆撃機と戦闘機部隊の量産を指示する事になる。 * 1959年12月1日 大清帝国新京国務院 「予想を越えて、順調だな」 「まだ開戦後半年ですが・・・カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン一帯は完全に制圧しましたからね・・・」 「ペルシア方面にインド軍を送れるようになったのは正直助かったな。これ以上戦線が拡大するのは何ともし難い。さて、現状の報告を、川島」 「はい。進軍の様子についてはこれまで随時報告して参りました通りですので省かせて頂きます。それでは敵戦力の状況です。スパイからもたらされた情報によると、総戦力の兵力は6割程度に減少しています。包囲戦術を全く使用していないため、ほとんど核攻撃と空爆によって減少したものと推測されます」 「400個師団、恐らくは他の共産国軍の兵もある程度減っているだろうから単純計算で500個師団分は殺したか・・・ククッ」 「・・・陛下、どす黒いオーラが・・・」 「500万人だぞ? これが笑わずにいられようか」 「・・・もう、いいです」 「結構。川島、続けよ」 「は。続きましてこれからの作戦展開に関してですが」 「・・・ご覧の通り、冬将軍がとっくに来ています。進軍速度は下がり、指揮統制値の回復も遅くなりますので、拡張作業は中々はかどらなくなるかと」 「構わん。ただし、インド軍と共同でもよい、ペルシア方面とバクーの油田地帯は確実に抑えよ。ペルシアでは雪は降らないだろうし、油はいくらあっても足りる事はないのだからな」 「それは確約致します。ただ、少しばかり主力部隊の進軍速度を緩めて頂けませんでしょうか。そうすればウクライナ方面に達する頃には同時に欧州を目指す事が可能になるのですが」 「泣き言は許さん。それに、ペルシア方面軍はペルシア占領後トルコを横断してバルカン半島を制圧し、イタリアへ向かわせる予定なのだからな」 「・・・承りました。そのように作戦計画を練り直します」 「うむ、励むがよい」 続く。 HoI2集 満洲国AAR

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