箱庭

2012/11/23(金)20:54

アメリカAAR 「アメリカ戦記」 第26章

HoI2AAR(326)

1954年12月1日 ワシントンD.C. ホワイトハウス 「・・・以上が、フランスにおける部隊の展開状況になります」 「・・・」 「どうかされましたか?」 「どうしてだろう。いつも軍のトップがいつも同じようなセリフを言ってから会話パートが始まる気がするよ」 「それを言っちゃダメです、大統領」 「と言いますか、何の話をしているんですか」 「・・・いや、妙な電波を受信しただけだ。それで、押すか引くかの2択というわけか」 「はい。ドイツ本国を目の前にしてですが・・・」 「だが当初の計画にはフランス北部で限定的な攻勢をかけ、枢軸軍の部隊とマンパワーを航空攻撃で削ってから本格的な攻勢に出るという案もあったろう?」 「ですが、時間がかかります。過去のプレイでは2年かかってようやく攻勢に出られましたが、今回敵側の前線兵力が多く、一撃の損害が大きくなるのでは、とも思えます」 「それは今から攻勢に出ても同じなのでは?」 「これから冬だ。ロシアよりましとは言えヨーロッパの冬も意外に厳しいからな」 「ええ。それに両者の正面兵力も大きいですから、どちらにせよ今すぐ攻勢に出るのは危険です」 「恐らく、枢軸軍はパリ奪還に動いて来るでしょう。ブルターニュの枢軸軍の掃討も終わっておりませんし・・・」 「まぁ、動けないのには変わりないということか」 「そうですね・・・。ですが、新聞やテレビはそう思わないかもしれませんよ」 「マスコミの方には新たな攻勢を準備中とだけ言っておこう」 「軍でもそのように発表しようと考えていました。作戦開始の日は軍機と言い張れば何とか持ちこたえられるでしょう」 「同盟諸国にもそれで通します」 「結構。さて・・・状況確認はすんだな。まずはブルターニュの敵残存兵力の掃討を優先しよう。パリ前面では・・・攻勢を受け一度でも敗退したら全軍を一旦スペインとイギリスに返そう。セーヌ川もあるし、冬季になるなら防衛側の方が有利になるしな」 「かしこまりました」 「・・・こういう流れもどこかで・・・」 「それを言っちゃダメです、大統領」 「これもパターン化させる気ですか・・・?」 *  1955年が明け、フランス戦線ではますますドイツ国防陸軍第15軍の劣勢が明らかになって行った。ドイツ国防陸軍はベネルクスやドイツ本国、イタリア戦線から引き抜いた部隊で増強された第19軍、第7軍を西方軍集団の指揮下に再編成し、セーヌ湾からディジョンに至る約600kmに至る長い戦線に展開させて何度か渡河を試みたものの、装備の整ったアメリカ陸軍第2大陸派遣軍の防衛線を冬の間に突破することができなかった。そうしている間に第15軍はブルターニュ半島の西端の港湾都市ブレストに追い詰められ、1月10日における戦いで最後の枢軸軍部隊が降伏。第15軍の降伏とともに第2大陸派遣軍はドイツ国防陸軍西方軍集団と向き合った。  大戦果を立て続けに挙げた第2大陸派遣軍司令部は、枢軸軍は予想以上に弱体化していると判断し、兵力を集中して航空支援があればセーヌ川を渡河することは可能と考えた。偵察と諜報活動の結果アミアンからコンピエーニュの中間地帯が比較的防備が薄いことが分かり、ここを機甲軍団で突破した後ソンムやパ・ド・カレー一帯の枢軸軍を包囲するという野心的な作戦を立案し、アメリカ本国に送った。リッジウェイやアイゼンハワーは予備兵力が充分に動員できつつあることから態度を変えて作戦を承認。機甲軍団による突破作戦はマーケット作戦、オーステンデ一帯の旧ベルギー領への上陸作戦はガーデン作戦と命名され、路面が凍結したままの2月1日からスタートした。 続く。 HoI2集 アメリカAAR

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