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カテゴリ:読書
『邂逅の森』で、史上初の直木賞、山本周五郎賞W受賞した熊谷達也の作品。
以前『邂逅の森』を読んだ時、 マタギとして誇り高く生き抜いた主人公の姿に圧倒され、心から感動した。 その本についてはまた別の機会にゆっくり語るとして、 今回はその原点となるような短編集『山背郷』について紹介しようと思う。 「山背」とは初夏の北海道や東北地方に吹き寄せ、 稲作などに悪影響を与える冷たい風である。 その山背が渡る東北の地で昭和の時代に、厳しい大自然と対峙し共生しながら、 命を賭けて日々を生きる男たちを描いている。 マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫 … 妻や息子、娘など愛する家族のために闘う男たちのたくましい姿は、 私たちに現代人が忘れかけた生の豊穣さ、人間らしさ、温かさを教えてくれる。 今日、最後の1編を読み終わったとき、鼻の奥がツーんとなった。 心が強く動かされ、その涙は快かった。 邂逅の森 山背郷 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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