694177 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

たぬきぶたの日記2

たぬきぶたの日記2

小海線 甲斐大泉他

小海線 2時間待ったこだわりの1枚

<2008年1月17日の日記から>

小海線には7月から9月にかけて撮影に行っていた。

「高原のポニー」とかわいい愛称を付けられて人気であった。

もう少し写真が残っているので、アップします。

いろんな異なる撮影日ですが、まあ雰囲気は分かってもらえるのではないかと思います。




これは小諸から帰りの列車だと思うが・・・??



小海駅では停車時間が長いので、みなさん記念撮影やらで賑やかです。

服装から察すると9月頃ではないかと思われます。



線路沿いの撮影風景です。このころはすでに何回か来ていたので、ゆとりがありました。

SLだけを写すより、SLブームの中でみんなが撮影していることに喜びと楽しさを感じていた。

昭和50年までに無煙化を終了するという計画のために、次々と煙がなくなっていった。


次の写真は1枚きりのチャンスを狙って苦労した作品です。

自分の作品の中でも思い入れのある1コマなのです。



小海線の写真は人気もあったし、東京からも気軽に写しに来ることができる範囲なので

多くの人が有名なポイントで撮影している。

そうなると、違うところに撮影ポイントがないかと探していくのがマニアなんですね。

ここにはもう一人が同行しています。知り合いなんです。

互いに一人でここに来て、偶然にも野辺山駅の構内で出会った。

「え~!、ほんとに~。わざわざ兵庫からここまでですか?」

「そりゃそうだよ。君も?」

「いやあ、僕は大学が地元ですから、時々来ていますよ。」

「そうか、近くて良いなあ。」

「そりゃ、SLを写すために、大学を選びましたからね。」

(こんな理由で選んだ奴は他にはいないでしょうね)

このおじさんは僕が高校時代から付き合いのある、駅デパートのパネル屋さんです。

当時はSLやポスターを木製パネルに貼って部屋を飾る趣味が少し広まっていました。

写真をパネル張りする技術はプロの写真屋さんから教えてもらっていましたが、

ポスターなどの紙を貼る技術はこのおじさんから学びました。

共通の趣味でいろんな話しをしましたね。そのおじさんが遠く離れた信州でばったりと、

出会ったものですから、ほんとに偶然というのはあるものなんですねえ。

「人が写していないところを捜そうや。」

「賛成、どこかあてがあるのですか?」

「ちょっと、聞いたんやけどな、ええ場所があるらしいわ。」

「ほな、そこ行きましょか。」

「ただし、めっちゃ遠いらしいで。ええか。」

「そんなん、慣れてるわ。みんなが持っている写真より違うのんがええな。」

という訳で、線路沿いをてくてくと歩きます。ここの一駅間は長い。

相当歩いてやっと着いた。そこがこの渓流の場所です。

「チャンスは一枚だけやな。」

列車が来るまで2時間ぐらいあったかな。この時間つぶしが大変です。

ただひたすらに待つ。回りには何も楽しいことはない。

幸いにも話し相手がいたので時間つぶしには困らなかった。

このおじさんとは1年ぶりぐらいに会ったことになる。

いろんな話しが出来ました。こちらの大学に来てからの撮影状況やら、生活の話しなど、昔からこの人とお店で長話しをしていたので、ほんとに懐かしかった。

さて、撮影の話しに戻ります。

こういう場所は難しいのです。

よほどの勾配があれば汽車はボッボッボッとブラストを響かせてやってきますが、

そうでないときは、いつ来るか分からない。

SLのことですから時間は正確ではありません。

そして、渓流ですから流れる水の音でブラストが聞こえにくい。

写真を見たら分かるように、シャッターチャンスはほんとに一瞬です。

それに鉄橋の場合、SLの先頭が橋脚の上だとバランスが悪くなるので、少し通り過ぎたあたりでシャッターを押します。

つまり、普段は連続シャッターを押す僕ですが、ここは1枚に集中します。

こんなに長く待って、写し損なったら、もうほんとにがっくりです。

さらに、うまく写しても、現像でフィルムを傷つけられたり、

明暗や階調がきれいに出ていないこともあります。

だから、きれいに撮れた写真の影には膨大な数のボツ写真があるのです。

平均すると1本のフィルムに1コマあれば良い方ですね。

その、瞬間を狙った写真です。





© Rakuten Group, Inc.