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2025.05.04
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カテゴリ:資格試験

中小企業診断士試験の財務・会計科目において、単なる計算や暗記を超え、「数字の裏側にある経営判断」を読み解く力を養うための3冊を、学習法を交えて詳述します。各書籍の特徴を解説するだけでなく、試験対策として具体的にどう活用するか、さらには学習を進める上での心得やスケジュール例まで網羅的に提供します。この記事を読み終えたときには、「読む」「解く」「考える」の三位一体で、財務・会計を武器に変える学びの全体像がつかめるはずです。

はじめに:数字だけで終わらせない学びの必要性

中小企業診断士試験の財務・会計科目は、多くの受験生にとって最大の試練ともいえる存在です。簿記問題のパターン処理やキャッシュフロー計算は、参考書や問題集を繰り返すことで習得しやすい一方、事例に絡めた応用問題や経営分析問題で求められる「背後にある意図の読み解き」は、机上のトレーニングだけではなかなか身につきません。実務家として企業を診断するときに真に必要なのは、数字が示す「変化の理由」を自分の言葉で説明し、経営者に納得してもらえる提言を行う力です。

そこで本稿では、単なる手法の暗記を超え、財務・会計を「物語として読む」ことで理解の奥行きを深める3冊を厳選しました。各書籍を通じて得られる視点と学習上の活用ポイントを詳細に解説し、最終的には「理論⇔事例⇔自己演習」を繰り返すサイクルを提示します。本記事を学習プランに取り入れることで、得点力だけでなく、診断士としての応用力・実務力も大きく高まるでしょう。

1冊目:3表の“連動”を体感で理解する――『財務3表一体理解法』

ストーリーでつかむ、3表の因果関係

『財務3表一体理解法』は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書という3つの財務諸表が、企業活動のどういった局面を映し出しているのかを、小説形式のストーリーで学べる入門書です。主人公はベンチャー企業の若手経営者。資金繰りに悩み、銀行からの融資条件に苦しむ彼が、3表を連動させて読み解くことで、どのタイミングで何を改善すべきかを直感的に理解していきます。

たとえば、ある章では主人公が大量仕入れに踏み切ったものの、思うように売れず在庫が山積みになる場面を描写。在庫増加によって流動比率が悪化し、銀行からの評価が下がる一方、売上は計上されるため損益計算書上は利益が出ている──というアンバランスな状況を物語として体験できます。このときキャッシュフロー計算書を見れば、「在庫増加が営業CFを圧迫している」という真の問題点が浮かび上がり、主人公は迅速に「在庫圧縮策」を打つ判断を下します。このストーリー体験により、受験生は単なる仕訳の結びつきではなく、「なぜキャッシュフローを見るのか」「なぜBSとPLだけでは全体像をつかめないのか」を深く納得できるのです。

試験対策への応用ステップ

  1. 章末演習を“自分ゴト化”する
    各章末の練習問題に取り組む際、問題文を読んで解答する前に、まず「自分がその経営者の立場だったらどの数字に注目するか」「次に何を確認すべきか」をノートに書き出します。回答・解説を読んだ後は、自分の仮説と解説の違いを整理し、なぜその差が生じたかを分析しましょう。
  2. 自社(または架空企業)でミニケースを作成
    学んだエピソードをもとに、自分の職場や過去に関わったプロジェクトをモデルにしたミニケースを作成。実際に3表を作り、どこにボトルネックがあるかを検証する演習を定期的に行うことで、理解が確実に定着します。
  3. キャッシュフロー中心の論述練習
    問題演習ではPL項目への言及が多くなりがちですが、本番の経営分析問題では「営業CFの見方と打ち手」が問われるケースも増えています。学習の最後には、必ずCF計算書をもとにした短い論述(200字程度)を自分で書き、自習帳にストックしてください。

これらのステップを通じて、『財務3表一体理解法』で得た“ストーリー体験”を、自分自身の思考プロセスに落とし込んでいくことが重要です。

2冊目:会計制度を「社会の言語」として捉える――『会計の世界史 ―500年の物語』

制度発展のドラマを読み解く

『会計の世界史』は、ルネサンス期の商業革命から現代の国際会計基準(IFRS)に至るまで、約500年にわたる会計制度の歩みを、社会的背景とともに解説する教養書です。本書を読むと、複式簿記がフィレンツェの商人によって発明された背景には、都市国家を巡る勢力争いや教会の財務運営が関係していたこと、あるいは産業革命期に株式会社が誕生した直後、投資家保護と信頼性確保のために会計基準が整備されたことなど、会計ルールの誕生は常に社会的要請から生まれてきたことがわかります。

会計を「数字の羅列」ではなく、「企業と社会が交わす約束の言語」として捉える視点は、特に事例企業分析問題で威力を発揮します。たとえば試験で「なぜ当該企業は減損会計を多く計上したのか」「新たに採用した会計基準が企業価値評価に与える影響は何か」といった設問に直面したとき、本書で学んだ歴史的経緯や制度意図を引き合いに出すことで、説得力ある解答が可能になります。

学習への組み込み方

  1. 章ごとの要約とキーワード抽出
    各章の読み終わりに、歴史の流れを自分なりに500字程度で要約してください。その際、「何が問題だったからその制度が導入されたのか」「それが今日の会計にどんな影響を残しているのか」をキーワードとして書き出します。
  2. 制度変遷マップの作成
    A4用紙などに横軸を時間軸、縦軸を制度の目的(投資家保護/税収確保/利益操作防止など)として、主要な会計ルールの導入時期と目的をマッピング。これを繰り返し眺めることで、会計ルールが社会要請に応じてどう進化したかが一目で理解できるようになります。
  3. 事例設問への活用練習
    実際の過去問や模擬事例の中から、会計基準変更や減損会計などをテーマにした設問をピックアップ。学んだ歴史的背景を踏まえた解答を論述し、講師や学習仲間とディスカッションすることで、知識を運用する力を鍛えます。

3冊目:楽しみながら実践力を磨く――『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる世界一楽しい決算書の読み方』

クイズ×対話で学ぶ新感覚アプローチ

『会計クイズを解くだけで…』は、実在企業の決算書を題材に、クイズ形式と対話形式を組み合わせたユニークな学習書です。各チャプターでは、著者が登場キャラクターとの対話を通じて「この数値の変動には何が潜んでいるのか?」を問いかけ、読者は自分で仮説を立てながら読み進めます。答え合わせパートでは、会計数値の裏にあるビジネス戦略や社内の意思決定過程まで詳細に解説。まるで現場で上司に問い詰められながら議論しているかのような臨場感が特徴です。

こうした“双方向型”の学習は、読むだけの解説書とは異なり、読者自身が能動的に思考を巡らせるため、理解が飛躍的に深まります。また、クイズの難易度は初級から上級まで幅広く設定されており、自分の理解度に合わせてステップアップできる点も魅力です。

演習を学びに変えるコツ

  1. クイズ前の予測メモ
    各問題に挑む前に、問題文を読んですぐに「自分ならこう答える」と思った仮説を短いメモで残します。後で解答と照らし合わせる際、このメモが自分の思考プロセスを振り返る有力な手がかりになります。
  2. 会話パートの別視点探索
    本書には著者とキャラクターの対話が多用されていますが、対話の中で語られない第三の視点(たとえば取引先や競合の立場)を想像し、自分なりの“もしも”シナリオを書き加えてみましょう。これにより、会計数値を多角的に解釈する訓練ができます。
  3. 問題演習会の開催
    学習仲間と集まり、本書のクイズを互いに出題し合う「会計ナイト」を開催すると効果的です。自分が解説する立場になることで、知識の穴が明らかになり、さらなる学びが得られます。

学びを深化させる3ステップ学習サイクル

ここまで紹介した3冊を効果的に組み合わせる学習サイクルは以下の通りです。

  1. 物語体験フェーズ(『財務3表一体理解法』)
    ストーリーで3表の因果関係を体感し、要所要所で自分の仮説を立てながら読む。
  2. 歴史的背景フェーズ(『会計の世界史』)
    会計制度の発展過程を社会的要請と紐づけて学び、制度の意義と狙いを深く理解。
  3. 実践演習フェーズ(『会計クイズ…』)
    双方向のクイズと対話を通じて、実在企業の決算書に対する仮説構築力・読解力を鍛錬。

このサイクルを1ヶ月〜2ヶ月単位で回しながら、日々の問題演習や過去問確認と並行して学習を進めることで、インプット・理解・アウトプットをバランスよく高めることができます。

読むから“考える力”へ──未来の診断士像を描く

財務・会計科目は、単なる計算力や知識量ではなく、数字の背後にある経営判断や事業ストーリーを読み解く「思考の深さ」が合格とその先の実務力を分ける鍵です。今回紹介した三冊は、それぞれ異なるアプローチであなたの理解の奥行きを広げ、実践力を磨いてくれる良書ばかりです。

  • 『財務3表一体理解法』で企業活動のリアルを物語体験し、
  • 『会計の世界史』で会計制度の魂を歴史から理解し、
  • 『会計クイズを解くだけで…』で現場感覚を遊びながら養う。

この三位一体の学びを通じて、参考書では得られない「考える力」を手に入れれば、試験での高得点はもちろん、診断士としての現場で誰よりも頼りにされる存在になれるでしょう。ぜひ、本稿をガイドに学習プランを再構築し、財務・会計をあなたの最大の武器に育て上げてください。








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最終更新日  2025.05.04 06:50:07
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