004531 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

愛のカサンドラ妻 アンニュイな日は五七五

PR

カテゴリ

バックナンバー

2019.09.24
XML
カテゴリ:カサンドラの独白
姑が孤独死をした。(過程は前回にあります。)もう3ヶ月も前のこと。


諸々の手続きを済まし、最初に来たのは、スナック菓子が無性にに食べたくなるという衝動。
続いてきたのは、感情を失うということだった。感じないのだ。楽しくも悲しくも、何にも感じなくなった。

人が亡くなるということは大変なことである。うちの場合は、その倍大変だったと思う。

ます、本人に先立つものは、なかった。無いように思えた。部屋はゴミ屋敷だったから。でも、いや、少しだけ封筒に入って残されていた。保険にはかろうじて、主人名義でかけていた。医療保険に少しだけ死亡保険がついていた。そのおかげで、マイナスではあるものの、払えそうな額になった。一昨日それがわかり、何とかほっとした。

さらに、大変だったのは、掃除である。アパートは、元の状態に戻して返すのが常識である。でもそこは、ゴミ屋敷だった。壁はヤニだらけ、昼も暗い…床もニチャ付き、天井は焦げ茶色、水場は黄色と黒に染まっていた。掃除のさい、トイレは皆コンビニに駆け込んだ。

家財道具は、全て廃棄した。使えるものなどなかった…何もかもヤニだらけだった。

相続を放棄すれば、掃除さえもしなくても良いそうだ。ても、皆、部屋の掃除した。黙って、掃除した。感情のなもく、もう二度としたくないと曰いながら。

アパートの隣人は、通報してくれた恩人である。話を聞くと、昔は仲良くしていたといっていた。ただ、ここ数年はあってもさくささと部屋に入ってしまうのだと。

とても良くしてくれた。暑いさなかの掃除だったので、麦茶やスイカを差し入れてくださった。

和服姿のシャキシャキとした老婦人である。ただ、会うたびに、どうしてもっと早く見つけなかったのかと、ご自分を攻められていた。本当に申し訳なかった…あなたが悪いわけではない、感謝している旨をどれだけ言葉でお伝えしてもそれは晴れないようだった。

隣人も、一度も部屋に入ったことはないとおっしゃった。掃除中の部屋に訪れた彼女は、初めて中を見たとおっしゃった。マスクなしではいられない、室内を…

管理人さんにもお世話になった。アパートのゴミステーションに沢山のゴミを出させて頂いた。

ただ、指定日以外は出せない仕組みらしい。ステーションの前に、毎日見張る、目つきの濁った老婦人がいらっしゃった。アパートを訪れる人たちを見張っているようだった。業者の方が車を留めようとすると、その車の入れ方から素性まで全てを聞いていた。まあ、うちの親戚家族には、特に不振かっていたように感じる。まあ、無理もないことだと思う。

アパートの住民は、2つに別れた。同情惜しまない方と、蔑んだ侮蔑の目でみる人たちである。これも当然だと思う。自分の身に置き換えてもそうだろう。

昔、きれいだった頃の、姑の浴衣を娘達がごみ箱から拾ってきた。娘がまだ小さい時、これを着ていた。とてもきれいだった。義姉が捨てたものを、拾ってきたらしい。長い間使っていなかったらしく、汚れはなかった。その鼻を付くニオイ以外は。

これを持ち帰り、後日キレイに洗濯しアイロンをかけた。義姉に渡そうと思った。この浴衣を着た姑を、美しい頃の姑を知っているから。

でも、断られた。いらないと。欲しかったらあげると。

清掃は、一ヶ月続いた。空いた時間を使い、5.60ある空き瓶を集め捨てる。2.30あるスプレー缶に穴を開け捨てる…。天井を掃除するときはレインコートを着込んだ。洗剤に混じったヤニの汁が、泥土の雨のように降り注ぐ…足元は、室内だが、皆スリッパを履く。足元はいつも危険だった。マスクは真夏には熱く、喉が乾いても、室内で飲み物を飲むのはためらわれた。強烈なニオイ、ムカつき…目が開けていられないこともあった。

掃除に行った夜、一晩中腹痛に悩まされた…私一人ではなく、気分が悪くなる人は続出した。ある人は熱っぽくなり、咳が、鼻水が止まらない。喉が痛くて、気持ち悪い…

その頃からだろう。感情を失ったのは。作業は続けなくてはならない。侮蔑の目に耐えなくてはならない。親しい友人にも、姑のことは言ってない。言えるはずもない。私にだって、恥や意地がある。それに、とても困惑するだろう…恥ずかしくて言えやしない…

畳、襖、管理費、保険、仏事、墓、各種手続き、実際に動くのは私だから。主人にしかできない事もあるが、段取りは全て私だった。

昨日、墓の建立手続きを終えた。これで、墓がたてば、全て終わるはずだ。

一昨日、カウンセリングを受けた。自分へのご褒美だ。先生はいった。感情は自然に出てくるもの。無理に何かを感じないとなんて考えなくても良いと。

また先生は言った。姑は自分でその人生を選んだのだと。誰も何も悔いいることはないと。本人が望んだ結果なのだと。

あなたが精一杯やったことは事実で、できないことはやっぱりできないのだ。


心が、秋晴れの空のように晴れ渡ることを祈る。

人生は、日々の積み重ねにすぎない。













カサンドラ症候群ランキング






最終更新日  2019.10.01 10:17:45
コメント(0) | コメントを書く



Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.