227743 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

アインス宗谷の雑記ノート

アインス宗谷の雑記ノート

JNR編集・時刻表

 1987年4月をもって国鉄が分割民営化されてJRとなったわけですが、そのJR最初の時刻表がこの「JNR編集・時刻表」で、国鉄(JNR)が編集したJR時刻表はこの号のみということで、ちょっと手に入れにくかった号です。

 ダイヤ自体は、前年11月の国鉄最後のダイヤ改正のものなので、この号での話題は少なく、表紙にも「新旅客会社スタート」「春の臨時列車ご案内」と書いてあるだけで、以外とそっけないのですが、なかの各路線を見ていくと、今はほとんど見られなくなった「急行」が結構多かったり、その後、JR各社が登場させる新型特急車による「スーパー○○」というような列車名がないなど、今見ると、国鉄色が濃い時刻表といえそうです。


 この号で、ちょっと気になるのが北海道のローカル列車で、函館、旭川周辺の普通列車にやたら愛称がついていること。

 国鉄晩年の頃、地方都市で普通列車の本数を増やし、利便性を向上させるという施策が採られ、1時間に1本程度しかないことが当たり前だった広島や新潟などで、10分~20分おきに普通列車が走るようになりましたが、そのPRのため、列車に愛称をつけ、なかには前面にそのマークをつけて走っていたりしました。
「マイタウン列車」や「タウントレイン」、「くるくる○○号」なんて名前がついていましたが、時刻表にとくに掲載されていませんし、とくにその必要もないでしょう。

 ところが、北海道の函館、旭川地区の列車の愛称は、ご丁寧にこの「JNR編集時刻表」には載っています。

 函館地区では、函館線の函館-七飯・大沼公園間、江差線の函館-上磯間の区間運転の列車に愛称があり、前者は「うきうき号」後者は「わくわく号」と付けられ、車両側面のサボに「うきうき」「わくわく」と表示されていました。

 旭川地区は、もっと種類が多く、函館線滝川-旭川間は「いしかり」、石北線旭川-上川間は「そううん」、旭川-伊香牛間は「とうま」、宗谷線は旭川-名寄間は「かえで」、旭川-比布間は「ほくれい」、旭川-永山間は「ながやま」と付けられ、宗谷線の快速は、列車毎に「ピヤシリ」「えんれい」「すずいし」などの名が付いています。
 富良野線は、旭川-富良野間が「ラベンダー」、旭川-美瑛間が「しろがね」と名付けられていました。
 他に、石北線の網走発着の普通列車には、「はまなす」の愛称が付いています。

 実際、この頃、富良野線に乗ったときは、車内案内で「富良野行きマイタウン列車ラベンダーです」と放送していましたし、駅の電光表示などでも、「普通 うきうき 七飯」などと掲出されていました。

 翌年3月のダイヤ改正号の時刻表には、宗谷線の快速以外の愛称は掲載されなくなりましたが、列車の愛称は、しばらく付けられていたと思います。


 さて、時刻表の前の方のページに戻ると、「フルムーン」の広告ページがありますが、発売日が国鉄民営化前(確か2月21日ごろだった)なので、国鉄としての広告。他に「三菱銀行」「日本興業銀行」の広告や伊豆急「リゾート21」が新型電車として広告に載っていて、時代を感じさせます。


 ちなみに、このJNR編集時刻表1987年4月号は定価740円、翌年3月の改正号は780円で、現在は1050円です。
(2005,5,31改訂)


© Rakuten Group, Inc.