絵入り方向板・南大阪・吉野線方向板、かつて、電車の前面につけられていた種別や行き先を示す板。 私鉄の中でも、近鉄の方向板は少し大型で、デザインの種類も多く、普通は青、準急は緑(赤の時期もありました)、急行系は赤と、色分けされていました。 他に、臨時列車や団体列車、シーズンの定期列車に取り付けられるイラストなどが描かれた方向板も数多くあり、ファンを楽しませていました。 この方向板、ファンの間では「看板」と通称され、イラストなどが描かれた「看板」は、「絵入り看板」として人気がありました。 とくに、飛鳥や吉野、葛城高原などの観光地と、近鉄バファローズの本拠地だった藤井寺球場を沿線に持つ南大阪・吉野線は、その数が多く、シーズンになると、「絵入り看板」目当てのファンの姿が多く見られたものです。 この「建国号」。私は、実際につけられていたのを見たことがないのですが、16000系特急車が走る前、一般車両による運転時のものでしょう。 毎年8月1日に開催されるPL花火大会。この日本一の規模といわれる花火大会の会場の最寄の富田林駅へは、今でも臨時列車が設定されています。 「あすかみよしの号」は、シーズンに運転されるあべの-吉野間の快速急行のうち、春の桜やぼたん、秋のなし狩り時期以外に運転される際につけられていたと思います。 桜の時期は「さくら号」ぼたんの時期は「ぼたん号」、なし狩りの時期は「二十世紀号」として運転されていたと思います。 藤井寺球場で近鉄バファローズの試合が行われる際、試合開始時刻にあわせ、吉野発あべの行き臨時快速急行として運転されたのが快速急行のバファローズ号。他にあべの発藤井寺行きの臨時急行・準急のバファローズ号がありました。また、定期列車にも、藤井寺駅まで小型のバファローズマークの円板がつけられていました。 吉野駅で発車を待つ快速急行バファローズ号。ここから藤井寺まで乗る人は、はたしてどれだけいたのか。 急行開運号は、橿原神宮への初詣客用にあべの-橿原神宮前間に運転される臨時列車。近鉄のダイヤは、平日用はAダイヤ、土休日用はBダイヤといわれますが、南大阪線の年始ダイヤはCダイヤといわれ、別立てのダイヤが組まれています。 この開運号は、Cダイヤ適用日に運転されますが、定期急行と停車駅が異なるため、急行開運号ではなく、「開運急行」と案内されるのを多く聞きました。 あべの発で尺土から御所線に直通する休日運転の急行につけられたのがこの葛城高原号。 つつじの時期は、次のような「つつじ号」として運転されました。 (2006年5月6日) |