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内山のワクワク♪見つけ隊

★サンタフェ、?「愛の逃避行」?★

★ サンタフェ、愛の逃避行?? ★

  【注】
  これは、ユっぴー・コスモスがかつて(2001年1月)、
  さるメーリング・リストに投稿した支離滅裂なストーリーです。

  「虹少女」が相思相愛の「ヒラメの爺」を、
  なぜか、「喰ってしまわねばならない」という「定め」がある、というのが前提。

  その「定め」をどのようにして成就したか、という馬鹿げたお話を、
  ユっぴーの大好きな「サンタフェ」の街を「ロケ地」に、
  いかに詩情豊か?に仕立て上げるかが楽しかったです。(笑)

   ※「ヒラメの爺」は最終的に、赤とグリーンのソースを添えた、
    白身魚のソテー、になって、虹少女に食われてしまいます。
    そんな話キライ、という方は、お読みにならないように~。




* * * *   【 虹少女がヒラメの爺を喰ったお話 】   * * * *


・・・爺は ヒラメ だった。 綺麗な瞳の、虹色のヒラメ・・・。
光の当たる角度によって鱗(うろこ)の色が変わり、美しい…。

「サァ爺! 砂漠に咲いた美しい花のような街で 最期の時を私と過ごそうっ」

レインボー・ガールはヒラメの爺を胸に抱き、東京湾から一気に上昇し、
太平洋上空を凄い勢いで北米大陸に向かって飛んで行った。

途中、激しい暴風雨地帯を通り抜ける時、バサーッと音がして、
爺は畳一枚ぐらいの大きなヒラメに変身したので、虹少女はその上に乗って
一緒に飛んで行った。ヒラメの爺は自分の行き先を知っているらしく、
躊躇なく真っ直ぐに飛んで行った。

やがて、米大陸が見えてきた。ピンク色のスモッグに覆われた大都市を
飛び越える……ロサンジェルスだ。それから、壮大なコロラド川を飛び越え、
アリゾナの広大な砂漠地帯を飛び越え、ニューメキシコ州に入る。
リオグランデ川を眺め、アルバカーキの街の飛行場が見えだすあたりから
徐々に高度とスピードを落とし、やがて、砂漠の中の街、サンタフェ が、
眼前に・・・。

・・・虹少女を乗せた爺は、とうとうサンタフェへやって来た!

街の上を超低空でゆっくりと旋回し、舞うようにヒラヒラと飛び回った。 
この美しい街を愛で、味わおうとしているかのように・・・。
店も住宅もホテルも、、、少ない例外を除いてほとんどの建物が土と丸太で
できている。木々や花々が、その乾いた土色の壁に調和して、
心に安らぎを与えてくれる。

大きな虹色のヒラメと虹少女は飛び回った…。 
街の中央広場であるサンタフェ・プラザ。いくつかある教会。美術館、博物館。
ホテル。州議事堂。 個性的なギャラリーが建ち並ぶ、キャニオン・ロード。
インディアン・ジュエリーや工芸品のショップ。 チリー(トウガラシ)の
ショップ・・・。

時折、虹少女が地上に飛び降りると、爺は普通のサイズのヒラメになって、
その腕の中に収まる。そして虹少女と一緒に、教会内部の"奇跡の螺旋階段"を
見物したり、ウィンドウ・ショッピングをしたり、
美術館でジョージア・オキーフの絵を鑑賞したりするのだ。

途中、Barに寄ると虹少女はカウンター席でコインを出して
ビールを注文した。ビールは栓を抜いただけで、壜のままよこされる。
自分で半分飲むと残りはヒラメの爺に飲ませてあげた。
爺はゴクゴクと飲み干すと、とても満足そうな様子だった。

虹少女はヒラメの爺とアチコチ飛び回りながら、
クツクツと笑ったり、
「わぁっ ○○~~!」とか、「ふぅ~ん。○○かぁ~~。。うふっ♪」
などと喋っていたが、
夕闇が迫って来るにつれて、、、しだいに無口になってきた。

自分の"使命"を思って、心が重くなってきたのだ・・・。

何故だかは知らぬが、
彼女は ”爺を喰わねばならぬ”…という、 絶対的使命 を帯びていたのだ。
爺を喰うためには、先ず爺を殺さなければならない・・・・・。

街を夕暮れが包んでいた。
空は、哀しく美しい紅の色に染まっていた。
いつのまにか、プラザ(広場)には大勢の人々が集まっていて、
賑やかにバンドが演奏し、歌っていた。人々は互いに笑顔を交わしながら
体を揺すり、音楽を楽しんでいた。歌はどれも、熱く優しかった。

虹少女はヒラメの爺を抱いて、宵の広場に集った人々の間を黙って歩いた。
歩きながら、心をしずめようとしていた。
女性歌手が熱唱していた。その声はパワフルで温かく伸びがあった。
歌が終わると、熱い余韻が人々を包み、一呼吸おいてから、
あちこちから歓声や口笛が湧きあがった。歌い手は笑顔で手をあげて、
人々の歓声にこたえていた。

その時、虹少女は意を決し、ヒラメの爺を抱えたままスッと飛び上がった。
街を少し外れた砂漠までやってくると、そこにあった大きな岩の上に
ストンと降り立ち、座った。もう、すっかり日は暮れていたが、
満月だったので、辺りはほんのり明るかった。

膝の上に虹色のヒラメを乗せて、しばらく優しく撫ぜていた。
それから、両手で胸の高さまで持ち上げると、今度はしばらくの間、
愛の言葉を優しく囁きかけていた。
そして、ヒラメの口にそっとキスした。
次に虹少女は、ヒラメの爺を傍らの岩の上にふわっと置くと、
髪を後ろで纏めていた、トルコ石の玉がついたかんざしを抜き取った。
長い髪が、肩の上に流れ落ちて広がった。

かんざしは、先が鋭く尖っていた。
月明かりの中で、その先端の冷たい輝きを静かに見詰めてから、
虹少女はヒラメの爺の目を見た。
ヒラメの両の瞳はやはり綺麗で、……ゾクッとするほど静まりかえっていた。
爺は待っていた。
その瞳の底から静かに強く、次の行為を促しているのが判った。

虹少女は少しの間、目を閉じて心を落ち着けた。
それから膝を付いてヒラメに正面から対すると、
腕を振り上げ、正確に一刺しで、心臓を刺し通した。

しばらく頭の中が真っ白で、いつまでもスパークしていた。
それから、涙が次々に溢れてきて、ヒラメの体の上にポタポタと落ちた。
かんざしを抜き、その先端を舐めてきれいにすると、
また髪を纏め、再びそこに刺して止めた。

・・・虹少女は、ヒラメの体を抱いてサンタフェの街に戻ってきた。
プラザ近くの、ラ・フォンダ(La Fonda)ホテルの厨房に入って行くと、
老齢のシェフが待っていて、黙って優しく頷いた。
全て準備は整っており、シンプルな料理なので、
シェフにはほとんど助けて貰わずとも、調理はスムーズに進んだ。

お皿の中央に、トマトをベースにニンニク、タイム、オレガノとオリーブ油で
風味を付けた、赤いソースを敷いた。その上に、ソテーしたヒラメを置く。
ヒラメは、自然塩を振って小麦粉を薄くつけ、熱したオリーブ油で外側が
カリッとなるまで焼く。
魚が新鮮なので、中の方は生気味でもかえってジューシーでよい、と
シェフが言うので、そのようにした。
魚を盛り付けると、最後に小松菜ペーストと野菜スープをベースにした
バター風味のグリーンのソースを、そのまわりに美しく敷きつめた。
生のバジルを上に飾ると、ヒラメの爺はうっとりするほど素敵な一皿になった。

合わせるワインは、やはり辛口の白。
これは、シェフの友人のソムリエが上等のを選んでくれた。

出来上がった料理は、特別に5階のベルタワーバーに運んでもらった。
一番眺めの良い席につき、月光に照らされた山々の景色を目にしながら、
最高のワインと共に一口一口味わって、、、爺をすっかり食べ尽くした。

その夜虹少女は、ラ・フォンダ・ホテルの一室で、満足してぐっすりと眠った。
どんな夢を見たかは、皆さんのご想像にお任せする……。




 * * * * * *  【THE END】  * * * * * * 













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