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テーマ:日々自然観察(10123)
カテゴリ:内山の自然
皆さま、《コスモス街道》を、応援してくださいね♪→** ユっぴー・コスモスです。 『月刊こすもす』(ここ内山地区にプリントショップ・コスモスさんが配布してくださる地域新聞)7月号に掲載された、 内山在住、羽毛田さんのエッセイを、 下に転載いたしますね。 (Web上で読みやすいように、ユっぴーが改行・行空けしています。) ♪ ♪ ♪ --- 内山のたからもの その1 --- 佐久市には1億3千万年前の中生代白亜紀から200万年前の 新生代第三紀にかけての化石を産出する堆積層があります。 「初谷層」・「内山層」・「駒込層」・「八重久保層」・「かぶといわ兜岩層」で、 そのすべてを内山地区で確認することができます。 「初谷層」は 中生代白亜紀(13000万~7500万年前、 大型恐竜が歩き回っていた時代)の浅海にあたり、 黒色粘板岩(ねんばんがん)と黒灰色砂岩を主とする交互層で、 香坂・志賀・内山・田口の東部から下仁田町・南牧村西部まで広がっています。 白亜紀の浅い海だった場所なので、 恐竜の魚竜類やカメ類、大型海竜などの化石が出る可能性はあります。 絶滅前のアンモナイトが産出してもおかしくない時期ですが、二枚貝が多いのが特徴で、 中には高圧を受けて貝内部がけいさん珪酸と置き換わり石英化し 白色透明に光っているきれいなものもあります。 「内山層」は 新生代第三紀漸新世(ぜんしんせい 3800万~2800万年前)末期にあたり、 黒灰~灰色の泥質(でいしつ)岩・砂岩・砂質泥岩を主とする浅海性交互層で、 内山と田口東側に広がっています。 化石は巻貝や二枚貝が多く見られます。 「兜岩層」は 新生代第三紀中新世(ちゅうしんせい 2800万~1200万年前)の後半から 鮮新世(せんしんせい 1200万~200万年前)の前半と推定されていて、 化石を産出するのは灰色の砂質・泥質の凝灰岩(ぎょうかいがん)の交互層です。 本層は「内山層」と同じ分布を持ちますが、 淡水(荒船湖)の湖底層(火山性噴出物を主とする湖底堆積層)である点が大きな特徴で、 昆虫やカエル、植物の化石を産出します。 昆虫化石を産出する堆積層はきわめて珍しく、日本国内には数箇所しかありません。 いずれの堆積層も、国定公園内は採集が禁止されていますので、 採集には許可が必要となりますが。 沢や川原で転石として少量を採集する分には問題はないと思います。 化石もさることながら内山ではたくさんの鉱物を採集することができます。 ひすい輝石(きせき)、オパール、ウッドオパール、珪孔雀(けいくじゃく)石(クリソコラ)、 黄鉄鉱(パイライト)、磁鉄鉱、黄玉(トパズ)、加水ざくろ石(ハイドログラシュラ・ガーネット)、 方鉛鉱、銅鉱、珪化木、こはく、クリストバル石、トルマリン、 かっせき滑石(半透明緑白色)などです。 内山の「オパール」は宝石にはなりませんが、 緑から白色のとてもきれいなもので、 たい積岩のすきま隙間に温水(温泉水)が通過した際に その隙間に置いて行かれた珪酸を主とする成分が固まったものです。 またウッドオパールは、温水通過の際に堆積岩中の木の化石の一部が 珪酸と置き換わったものです。 貝化石が豊富ですので 貝の内部が珪酸と置き換わったオパールも存在する可能性があります。 前述の「初谷層」の石英化した貝化石は、オパール化する貝化石と成因に共通点があります。 (つづく、文責羽毛田) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.01.23 13:55:02
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