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カテゴリ:内山の自然
ユっぴーです。
内山地区に毎月1日に配布される新聞『月刊こすもす』に掲載中の、 羽毛田卓也さんの「内山自然史シリーズ」から転載します。 内山の自然と歴史を、学術的にひもといてくださっています。 --- 内山のたからもの その2 内山で産出する鉱物のうち、「おうてっこう黄鉄鉱」「じてっこう磁鉄鉱」「どうこう銅鉱」「ほうえんこう方鉛鉱」などは、たいせき堆積岩が熱や圧力によって変質した際に生成されたものです。「がんどう含銅方鉛鉱」は、こぶし大のてん転せき石として川原や沢にある場合が多く、石の脈に沿ってうまく割ると、中身が黒はがね色の方鉛鉱の四角いけっしょう結晶でびっしりということがあります。ただ割り方を間違えると粉々になってしまうこともあります。「磁鉄鉱」と「含銅方鉛鉱」を探す場合は、他の同じくらいの大きさの石よりかなり重いので、簡単に区別がつきます。黒灰色の重い石を探せばいいのです。内山産の「けいくじゃく珪孔雀石」はがんすい含水けいさんどう珪酸銅鉱物で、「銅鉱」が温泉水と圧力で変質したものと考えられます。マリンブルーでとてもきれいなのでがんばって探してみてください。地山のろしゅつ露出している斜面で見つけることができます。「黄鉄鉱」はごく普通に見られ、変質を受けた内山層砂岩や火成岩のすきま隙間に、キラキラと金色に光っているのがこれです。1ミリ以下の結晶が多く、まれに4ミリ程度の良い結晶が密集しているものもあります。たくさん見つかるので内山の鉱物入門にはこの鉱物がいいでしょう。 「ヒスイきせき輝石」と「ざくろ石」は、ほぼ同じ岩石帯から産出します。石英せんりょくがん閃緑岩やかんらん橄欖がん岩とじゃもんがん蛇紋岩の交互層に産出しますが、それらの岩石帯が第三紀の火山活動による噴出物に覆われているためか、分布が少ないのか、ごくまれにしか産出しません。「ざくろ石」は径1ミリ以下の粒状結晶で、蛇紋岩中に薄層となって産出します。この蛇紋岩はきりょくぎょうかいがん輝緑凝灰岩や内山層砂岩と接触しているものもあり、複雑に入り組んでいます。「ひすい輝石」はそうした中から2センチ前後の塊状結晶となって産出します。 「トパズ」は1~3ミリ程度の結晶として、変質を受けた輝緑凝灰岩の隙間などに産出します。輝緑凝灰岩は海底で火山噴火が起きて海底にたい積した噴出物の層が地上へ出るまでに様々な物理作用を受けた岩石で、非常にかた硬く、多くの鉱物を含んでいることがあります。この輝緑凝灰岩は星尾峠から田口にかけての県境付近には転石として沢などにみることができます。黒灰色小粒のトルマリンを伴うこともあります。 まだたくさんの鉱物がありますが、今回はこのへんで失礼します。子どもたちだけで川へ行くことは危ないので、必ず大人が付き添ってください。また石を割る場合は、破片が目に入り大けがをすることがありますので、目を保護する器具が必要です。通常は専用のめがねが必要ですが、サングラスでも目の負傷を防ぐことができます。磁鉄鉱や方鉛鉱などの硬い石を割る場合には大人が責任を持って行う方が良いでしょう。また破片に不用意に触れると手をけがするので、手袋も必要です。 (文責羽毛田) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.10.28 07:39:33
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