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カテゴリ:内山の歴史
《コスモス街道》を、応援してくださいね♪→ ユっぴー・コスモスです。 『月刊こすもす』(内山地区にプリントショップ・コスモスさんが配布してくださる地域新聞)2月号に掲載された、 内山在住、羽毛田(はけた)卓也さんのエッセイを、 下に転載いたします。 (Web上で読みやすいように、ユっぴーが改行・行空けしています。) ★参考 → ★羽毛田さんの、自然・歴史エッセイコーナー★ ♪なんだか、今月の羽毛田さんのエッセイは、 まるで情景が目に浮かぶようで、とても楽しいですよ♪ ♪ ♪ ♪ --- 文化のはじまり 縄文 その3 内山縄文物語 --- 今から約5000年前(B.C3000年、縄文時代中期)の 苦水のAさんのお宅におじゃましてみましょう。 木々の葉が落ち始めた11月です。 Aさんのお宅は8軒からなる集落のなかで一番新しい家です。 玄関は南東を向いています。 玄関をくぐるとすぐ階段があって、 床まで150cmほど下ります。 床にはヨシのござがひいてあって、 中央に石で囲った四角い炉があります。 屋根の垂木(たるき)からは、草木で作ったたくさんの籠(かご)や袋が下がっています。 何か入っているようです。 毛皮もたくさん下がっています。 北側の壁には大きな植木鉢のような土器(深鉢)が15個並んでいます。 盛り上がった唐草の模様で区画された中に縄目の模様がついています。 「今、はやりの模様なのよ。この口の部分は私が考えたの」 とお母さんは、 炉にすえた深鉢でぐつぐつ何か煮ています。 「鹿の干し肉と山いも、きのこが入ったごちそうよ」 と笑っています。 家族構成は、お父さんとお母さん、子供が4人、犬が3匹です。 お父さんに道具箱を見せてもらいました。 縦斧(たておの)・横斧(よこおの)・弓・弓矢・狩猟ナイフ・木工ナイフ ・銛(もり)・石器製造用の鹿角やハンマーなど たくさんあります。 「お気に入りは、この間、八ヶ岳の黒曜石で作った狩猟ナイフだ」 と大切そうに見せてくれました。 手のひらにすっぽりおさまるきれいなナイフは石匙(せっぴ)と呼ばれ、 鹿の角で作られます。 お母さんの道具箱には、 調理ナイフ・石皿・敲(たた)き石・擦(す)り石・木べら・木製おたま・石錐(いしきり)など。 そして子供の道具箱には、 ナイフ・木のおもちゃ・ヤス・縦斧・石錐・敲き石(多目的石器)など たくさんありました。 二番目の子が 「僕が作ったいのししだよ」 とうれしそうに木のいのししを見せてくれました。 道具は、他に家族で使うものとムラのみんなで使うものがあるそうです。 子供はペンダントをしています。 いのししの牙で作ったもので、勾玉のような形をしています。 「けがや病気から僕たちを守ってくれるお守りなんだよ」 とみんないっせいに見せてくれます。 2歳と3歳の子は女の子で、ペンダントの他に腕にきれいな貝の腕輪をしています。 お母さんは漆(うるし)塗りの縦(たて)櫛(ぐし)を頭に飾り、 細かい模様の入った鹿角製のペンダントヘッドの首飾りをしています。 結婚のとき鹿角製の腕輪といっしょにお父さんからもらったそうです。 お父さんは大きなヒスイの首飾りをしています。 「強い男の勲章(くんしょう)だ」 と笑っています。 お父さんは弟3人と昼過ぎから行商に出かけるということで、 足に毛皮の靴と、毛皮の脛(すね)あてをつけています。 また背中に毛皮のバックを背負っています。 中は鹿皮と鹿角、こぶし大の黒曜石の固まりがたくさん入っています。 神奈川県の川崎の海辺のムラまで行って、 たくさんの干した魚や貝、塩と物々交換するそうです。 またお母さんと子供たちのために、石鏃と貝かざりを交換してくるそうです。 首から提げたポシェットには、 狩猟ナイフと、たくさんの石鏃、携帯食料が入っています。 お父さん達が出かけると、 お母さんと子供たちは、小さい子をおばあさんに預けて、 これから来るきびしい冬のために、手分けをして、 滑津川で魚を獲ったり、山菜を採ったり、木の実を集めたりするそうです。 となりに住んでいるおじいさんとおばあさんは、 籠やござを作ったり、ムラ全員のための冬場の保存食を作ったりするそうです。 (文責羽毛田) 《コスモス街道》を、応援してくださいね♪→ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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