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つっぱしり豚くん放浪記

つっぱしり豚くん放浪記

親豚になるには

親豚になるのは、どんな豚でもなれるのか・・・?

普通に考えると、「なれる!」ですね。

でも、家畜としての豚の世界では、「なれない」なのです。
親になるために生まれたものしか親になれない、言い換えれば肉になるために生まれてきたものは親にはなれないのです。あくまでも、家畜の豚の場合ですよ、これはね。

豚は、男親は筋肉がしっかり付いていて肉もおいしいように作られ、母親は体が柔らかで母性にすぐれ、良く子育てをするように作られています。その両親のかけ合わせで、その子豚はおいしい肉がしっかりと付いてたくさん育つという風なしくみを利用して作られます。

家畜としては、豚の世界では雑種強勢ということが人によって使われます。
つまり違うもの同士を掛け合わせることによって、それらの両方のいいものを兼ね持ち、更に両親の平均能力よりも優れるという、生き物の特性を活かして豚が作られます。
だから、肉になる豚は、こういう両親の交配によって生まれたもので、最高の肉になるように考えられて作られてきました。そういう歴史の中で生まれてきています。

だから、肉になる豚を親にはしないのです。
もちろん親にはなれますよ。だけど、本人はすごく発育がよかったり肉がおいしいかもしれないけど、子育てがうまくなかったり肉がつきすぎて足が弱かったりするので、親には向かないのです。

親には向かないけど、おいしいでしょ。それがその肉豚が生まれてきた宿命だから。だから僕たちは感謝しておいしく食べてあげなければいけないのですよ。

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