553422 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

福岡市個別指導塾慶應修学舎の記憶「石橋の思考」

福岡市個別指導塾慶應修学舎の記憶「石橋の思考」

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2009.01.03
XML
カテゴリ:政治経済論
最近、アダム・スミスの『道徳感情論』を読みました。
「国富論」の著者として有名なスミスですが、この本では人間の内面にある“感情”と“共感”を出発点として、社会や道徳のしくみを丁寧に描き出しています。

読んでいて、心のどこかがすっと整っていくような、不思議な感覚をおぼえました。

スミスは、利己的に見える人間の行動も、それが社会の中で正当なものとして認められるためには、「第三者の視点」──つまり“公平な観察者”の共感を得られなければならないと説いています。
その公平な視点を持ち、他者からどう見えるかを内省すること。
それが、良心や常識、そして「正義感」と呼ばれるものの出発点になるのだといいます。

なるほどなぁ、と感じました。
これまで人類が積み重ねてきた思想や理論の深さを、今さらながら真正面から受け止めている自分がいます。
目新しい言葉ではないけれど、だからこそ、ずっと変わらずに大切にされてきた人間観が、そこにはありました。

利己的であることが、すべて悪いわけではない。
けれど、自分の利益ばかりを追いかけてしまえば、誰かの共感を得ることはできません。
だからこそ、他者の視点を持ち、共感という“想像の橋”をかけながら行動することが、社会のなかで信頼を築くために必要なのだと思います。

こうして、誰かが誰かを思いやる気持ちが、少しずつ社会の土台になっていく。
それこそが、スミスが描いた「フェアプレイの世界」であり、「内なる道徳」によって支えられる社会の姿ではないでしょうか。

私は今、「どうすれば共感の連鎖を生み出せるか」「どうすれば幸せや希望を循環させられるか」を、真剣に考えています。
それが、今年の自分にとってのひとつのテーマになりそうです。

経済が落ち込み、不安が続く時代だからこそ、ただお金を流すだけでは足りない。
政府や社会全体が、まず「幸せや希望を循環させる」ことに本気になってほしい。
スミスが示した“人間らしい視点”を、いまこそ思い出すべき時なのではないか──そんなことも思いました。

たった一人の思いやりが、誰かの心に届く。
その誰かがまた、別の誰かに優しさを渡す。
そんな共感のリレーが、巡り巡って、社会をあたためていく。

道徳とか倫理とか、そういう言葉がちょっと重たく感じるなら、
「人を大切にする」っていう、もっと素朴な感覚でいいのかもしれません。

アダム・スミスの本は、そうやって私たちの毎日に、
思いがけないヒントをくれるような気がしています。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.05.05 14:43:40
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X