有為メモ。

2005/12/24(土)20:57

美術館巡りのイヴ

日常(107)

あれだけ前夜から緊張して眠りにも就けず出発前まで今にも心臓が口から飛び出しそうなほど激しく全身が硬直していたにも関わらず、叔母さんに車で駅まで送られて電車に乗り、名古屋について馴染みのカフェで紅茶を一口飲んだらあっという間に心身ともに弛緩して肝が据わってしまった。 一体どうしたことだろう。座りなれた椅子と紅茶の香りと唇にしっくり馴染むカップの感触に、脳の片隅が名古屋の街を闊歩していた昔の感覚を思い出したのかもしれない。気分だけが何に対しても物怖じしない生意気な小娘に戻っていく。 とにかく後は軽やかな気分で地下鉄を乗り継ぎに乗り継ぎ、松坂屋美術館のウィリアム・モリス展と名古屋市美術館のレオノール・フィニ展を巡り、両展覧会とも現地で作品を堪能するのと共に蒐集品である図録もしっかりと手に入れてきた。 なんとなく時の流れを感じたのは、数年前通っていたカフェのうちひとつはマネージャーが替わって私が異常なほどのVIPとして扱われる事もなくなり、もうひとつは消えてセルフサービス式のイタリアンバールに姿を変えていた事。 芸術と移ろい往く町並みの両方を鑑賞した一日。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る