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デラシネの日録

デラシネの日録

今日は絵本のお話(2003年11・19)

 卒論で「読みあい」について、まとめる学生がいるため、絵本をぽつぽつ読んでいる。「読みあい」というのは、児童文学作家であり、児童文学研究者であり、大学でも教え、読書療法の実践者でもある、村中李衣さんの言葉である。読書療法といった、明確な治療意図をもった言い方でなく、読み聞かせのように、一方からの働きかけを強調する言い方ではなく、「読みあい」という。
 同じ絵本を同じ方向から見、一緒に読むことによって、共有される空間・時間を重視したいいかただ。たとえば、老人ホームで読みあいをする。「そんなことして、どうするの?憶えていないのに、意味がないのでは?」という人がいる。でも、その絵本を読んでいる間、時間・空間は確かに存在する。そこに意味を感じるのである。
 卒論生は、その読みあいを身近な家族や友人と行うことによる変化を、味わいながら、卒論をまとめている。読み聞かせたい「あの人」を想定して、絵本を選んでいる。
 私は絵本には詳しくないので、せいぜい、『おおきな木』などの、シルヴァスタインの絵本、定番の『ぐりとぐら』をすすめるくらいである。『ぐりとぐら』はちょうど『ぐりとぐらとすみれちゃん』がでたばかりで、セットで売っている。すみれちゃんは四歳くらいかな、ふくふくしたほっぺがかわいいお友達である。
 おなじ『こどものとも』シリーズで、最近読んでおもしろかったのが、『だるまどんとてんぐちゃん』である。これは、シリーズ全部読んでみたが、一番おもしろかったのは、やはり最初に読んだインパクトからか、『だるまどんとてんぐちゃん』である。
 と考えると、シリーズ全部がかなりおもしろい『ぐりとぐら』は、まれなシリーズだなと思う。ついでに言うと、『ぐりとぐらのうたうた12つき』と『ぐりとぐらのいちねんかん』も、楽しい。


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