ごきぶり大戦! 第1章

ごきぶり大戦!第1章


私とごきぶりとの間には長い歴史がある。
まあそもそもごきぶり自体に私より長い歴史があるのは当然なのだが。
なんていっても彼らは生きている化石なのだもの。
生きている化石には、むろんかなわない。ごきぶりにとって私は小僧、いや赤ん坊にすぎないのである。ちょこざいなぁぁぁ。

私が記憶するごきぶりの最古の記憶は、小学生のときだ。カレはいやカノジョだったかもしれないが、私の純真なオトメ心を踏みにじった。真夏の暑い夜、私は 机に座ってマンガかなんかを読んでいた。すると網戸のところに部屋の明りにすいよせられて、虫達が近寄ってきた。その中で、一際目だつ大きな物体が網戸にはりついたようだった。ブンブンと音をたてていたので、私は気になって網戸の方をみた。
大きな黒い虫が網戸にはりついていた。
「やったーー。ラッキー!カブトムシ~!!」
私は満面の笑みをうかべ喜んで急いで網戸をあけその物体をつかみそうになった。。。
はれ?頭に角がない。。
なぜか触覚が。。

「ぎょえーーーーー」
ごきぶりだった。。。。

こうして浮雲とごきちゃんの長い戦いの火蓋がきっておとされたのである。


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