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カテゴリ:歌手への道
プリマドンナと言われる人の資質について考えさせられる公演を最近2度見に行きました。
ちょっと前(7月19日)になりますが、アンドレア・ロストのみなとみらい大ホールのリサイタルを鑑賞。 会場に出てきただけで、オーラがすごい。 そしてフェロモンがすごい。(かわいいです) ルチアの「あたりは静けさに包まれ」がジュリエットのワルツに変更。 ノルマのCasta Divaが「ヴィリアの歌」に変更されました。 ジュリエットのワルツはHigh-Dはパス。 そうとう調子が悪かったのだと思います。 この変更は本人が一番悔しいはず。 ベルカントの美しい旋律を描くところを聞いてほしかったに違いない。 でもね。 観客を満足させようという責任感というか、決意のようなものが、メラメラと燃えていました。 これぞプリマドンナと思いました。 もう一つは7月29日にサントリーホールのブルーローズで行われた「テンダのベアトリーチェ」 タイトルロールの出口正子さんのプリマドンナっぷりです。 出口正子さまのYouTubeのルチアの動画は、繰り返し見ていました。 でも何年か前の南條門下のコンサートのルチアを聞いて、あまりの衰えぶりにショックを受けて、今回も聞きに行くべきかどうか悩んでいました。 めったにない上演機会だし、日本オペラ振興会のアミーチクラスでお世話になっている琉子健太郎さんがオロンベッロを歌うので足を運びました。 出口さまが真っ赤なドレスで舞台に出てきた時には、来ない方が良かったかも?と感じたのです。 というのは歩くのが大儀そうに見えたから。 足は声の支えのために大切ですから。 歌いだしてみるとやはり声に艶がありません。 声量は十分ですし、飛んできますが、響きに不満がありました。 でも公演が進むと徐々に気にならなくなってきたのです。 艶のある響きより、楽譜を読みこんだ丁寧なフレージングや、表現のすばらしさ。 ベアトリーチェという気高い女性が、まさにそこにいるのです。 事前にペトルッチ楽譜ライブラリでベアトリーチェの歌唱を中心に予習していったのですが、 ベアトリーチェの旋律は上から下まで、コロラトゥーラも,カデンツァもたっぷり。 出演者の中で誰よりも難しく、量的にも多い。 出口さまからもメラメラと作品と真摯に向き合うプリマドンナの決意が燃え出していました。 最後のEsを外してしまったのはご愛敬で、挑戦する前の表情を見れたこと自体が観客として幸せです。 プリマドンナの資質が二人のパフォーマンスで見えた気がしました。 さて、我らが琉子健太郎先生はすばらしいオロンベッロでした。 私が言うのもおこがましいですが、高音の響きがきれいに抜けて、甘く力強い声。 10年前からお世話になっているのですが、今回が最高!!!でした。 そんな琉子先生に賛助出演していただくコンサートが10月5日にあります。 私を含め3人ともアマチュアながら真剣に歌に取り組んでいるソプラノです。 琉子さんにはデュエットの相方を歌っていただきます。 リゴレット、仮面舞踏会、ロメオとジュリエットと豪華! 入場無料ですが、100名のホールなのでご来場の際はご一報いただけると助かります。 (私のアドレスがブログトップページにあります) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 2, 2018 09:31:50 PM
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