「果報は寝て待て」という諺がありますが、長寿番組『笑点』の
レギュラー三遊亭小遊三氏の座右の銘（自分で考えた）は、「果
報は練って待て」だそうです。若い頃、長い間ヒモのような生活
をしていたらしいですね。
＜もっとも知的な人々＞
相変わらず、日本では年に３万人以上の人が自ら命を絶っていま
す。
死を選ぶ理由をつきつめれば、自分に生る価値をみいだせなくな
ってしまうからだと思います。
そして価値というのは、恐らく絶対的なものではなく、相対的な
ものです。つまり、他の人と比べて惨めさを感じているのです。
特に日本には昔から"恥"の文化がありますから、他人の評判や
評価を気にする傾向が強いのかもしれません。
しかし他人の評判とか評価は、どんな才能を持ってしても自由に
なるものではありません。
褒められるにしても蔑まれるにしても、それは相手次第です。
ましてや、万人から評価を得るなんてことは不可能です。
極端な例ですが、9.11の実行犯は私たちにとっては悪魔で、
アルカイダにとっては英雄です。
自分に対する周囲の評判を必要以上に気にしないということは、
自己実現の必要条件でしょう。
誰かの顔色を伺って生きていないか？
八方美人が過ぎると神経症になり兼ねません。
最近、時の流れの速さを痛感しています。
「読まずに死ねるか！」
コメディアンで俳優、書評家のハードボイルド小説をこよなく愛
する内藤陳氏の名言です。
本当にやりたいことを我慢して、他人の望む人生を生きていてい
いのか？
新個人主義の旗手と言われ、ベストセラー作家で心理学者のウエ
イン・Ｗ・ダイアー博士は次のように言っています。
人生の戦いは誰にとっても似たようなものである。社会的背景の
中で人間関係を持っている人なら誰でも、同じような問題をかか
えている。意見の相違、衝突、妥協などは、人間的であろうとす
ることのあらわれである。同様に金銭、老齢化、病気、死、天災、
事故などは全て、どんな人間にとっても問題になることなのであ
る。
しかし、そのようなことが起こったとき、うまく切り抜け、失意
や不幸にとらわれない人もいれば、衰弱し、不活発になり、神経
衰弱におちいってしまう人もいる。人間である以上、問題の一つ
や二つあって当たり前と受け止め、問題の有無を幸福の基準とし
ない人こそ、われわれが知るかぎりもっとも知的な人々である。
ウエイン・Ｗ・ダイアー著・渡部昇一訳『 自分のための人生 』より
ウエイン・Ｗ・ダイアー博士は、ベストセラーを書くことを人生
の目標にしていました。
最初に出版した本は全く売れず、彼は在庫を全て買い取り、講演
の機会がある度にその本を会場で販売します。手持ちが無くなる
と出版社に注文し再販が決まります。
その本はその後、世界で１千万部を越えるベストセラーになったそ
うです。
これもある意味「果報は練って待て」ではないでしょうか？
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