唐突ですが、発声に関するうんちくを…。(カラオケに活かせるかも…)
発声の分類に関わる、声区という考え方があります。
ただしこの声区は、音楽的な立場によって考え方が様々です。
代表的なものは、低声区、中声区、高声区と三つに分けたり、低
声区を胸声区、高声区を頭声区と二つに分けることもあります。
さらに仮声区と言って、高声区の上に置いた発声法があります。
これはいわゆる裏声(ファルセット)のことです。(このファル
セットには、falsetto...false、嘘の、間違った、偽の、といっ
た意味があるそうです)
クラシック音楽では、多くの場合この声区が変る境目(換声点)
が分かってしまうことを嫌います。
また、換声点で調子が外れたり音色が変ってしまうことをブレ
イク(声が裏返ること)言います。
一方の声区に不慣れだったり声が大きすぎたりして、発声のバラ
ンスが悪いと、このブレイクが目立ちます。
"声区融合"と言って、聴いている人にできるだけ換声点がわか
らないようにし、声区間を自由に行きできる。さらには複数の声
区の特徴を兼ね備えた声を出すテクニックもあります。
この声区融合が進めば、ブレイクを起こさずに歌えるようになり、
より高い音をしっかりした実声で歌えるようになるといわれてい
ます。
この技術が進むにつれ、声区の分別が歌い手本人にもわかりにく
く曖昧になっていくそうです。
声区融合に関するテクニックには、voix-mixte・voce-finta、等
があります。一般的には、ボイスミックスという言葉で言われて
いるようです。
以前から書いているように、カラオケで歌われるような歌謡曲な
どのポピュラー音楽は何でもアリです。
声区融合を無視しても全然構わないと思います。
ヨーデルは意図的に換声点をまたいで声を裏返すテクニックです
し、山下達郎などは裏声の達人だと思います。
演歌歌手にも裏声を巧みに使いこなす人がいますよね。
ただ、音楽のこのような知識は、無理な発声で喉を痛めたりする
ことを防いだり、トレーニングに活かすことができると思うので
頭の片隅にでも入れておいてください。
今夜で締め切ります。
『一夜漬けボイストレーニング』