|
テーマ:戦争・紛争・テロ(901)
カテゴリ:国外・国際問題
イラクに20日、正式政府が誕生した。首相に指名されていたイスラム教シーア派のマリキ氏が提出した閣僚名簿を国民議会が賛成多数で承認した。憲法制定と選挙実施を主な任務とした移行政府に代わり、03年春のイラク戦争でフセイン政権が崩壊してから3年1カ月ぶりに、イラクは独自の憲法に基づく議会と政府を持つ国家として再出発した。
マリキ新首相(前列中央)と新政権の閣僚メンバー 最大の課題である治安を担う内務、国防などのポストは最後まで決まらず、首相と副首相が兼務した。閣僚ポストをめぐる各政治勢力の対立解消は先送りして、政権発足の形を整えた。 米軍を中心とする多国籍軍のイラク駐留期限は、国連安保理決議により06年末までと決められている。イラク側の要請で期限を短縮できるが、多国籍軍に代わって治安を担うはずのイラク治安部隊が、宗派の利害から抜け出すめどは立っていない。 日本政府は、南部サマワに展開する陸上自衛隊の撤退について4条件を設けていた。正式政府の発足は前進だが、すべての条件がクリアされたわけではなく、撤退の判断にはなお時間がかかる可能性がある。 承認直後の演説でマリキ新首相は、まず「治安問題に断固たる決意で対処する」と強調。また「政治プロセスに進展があるまで、多国籍軍については国連安保理決議に従う」と述べ、当面は駐留継続を求める姿勢を示した。 正式政府の閣僚ポストは首相、副首相を含め40。兼務があるため37人(うち女性4人)となった。シーア派の「統一イラク連合(UIC)」18人、「クルド同盟」6人、スンニ派「イラク合意戦線」5人、アラウィ元首相の「国民イラクリスト」から5人。不明3人。 このうち、少数派からはキリスト教徒2人、トルクメン人が1人いる。多数派のシーア派による独占ではなく、議会勢力に応じた「挙国一致」の態勢がとられた。 また、電気の供給は首都でも1日1時間ほどに減り、ガソリンなど燃料の不足も深刻化している。 ■新生イラクの政治体制 議会制民主主義をとる共和国体制で、大統領、内閣、国民議会(定数275)で構成する。いずれも任期4年。議会の権限が非常に強いのが特徴で、議会解散権、首相罷免、大統領解任の権限も議会が握る。解散は、議員の3分の1または首相の要請、首相罷免は議員の5分の1または大統領の要請、大統領の解任は、最高裁による大統領の憲法違反などの確定判決に基づき、いずれも議会の絶対多数の賛成のうえで認められる。大統領は象徴的な存在で、行政の実質的な権限は首相に集中している。 米大統領、イラク新政府を「民主化の完了」と歓迎 ブッシュ米大統領は20日、イラクの正統政府発足を受け声明を出し「イラクの人々は今や完全な政府を手にした。困難を伴った民主化へのプロセスは終わった」と歓迎するとともに、治安回復を目指して新政府を引き続き支援する考えを示した。 正統政府の発足で、ブッシュ政権にとって駐留米軍の撤退実現に向けた大きなハードルを越えたことになる。ただ、イラク国内の宗派間対立や武装勢力の攻撃が続く中、今後、具体的な撤退のスケジュールを立てられるかどうかは予断を許さない状況だ。 新政権が発足したイラク、自爆攻撃などで24人が死亡 新政権が発足したイラクで20日、爆発で24人が死亡、政府が抱える難題が浮き彫りになった。 イラクで自爆攻撃などにより24人が死亡した。 事件のあったサドルシティーの病院の外で嘆き悲しむ女性 バグダッドでシーア派が多く居住するサドルシティーでは、爆弾が爆発し少なくとも19人が死亡。またシリアとの国境に近いスンニ派居住区カイムでは警察署で自爆攻撃があり、警察官5人が死亡した。 なにわともあれ、発足にこぎつけました。内紛をまとめ 治安を回復する これを実現してもらいたいですね ★ 戦争・テロ・紛争 ニュース ★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月21日 00時34分33秒
コメント(0) | コメントを書く
[国外・国際問題 ] カテゴリの最新記事
|
|