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カテゴリ:その他
帝王切開20年で倍増 背景に医師不足や妊婦の意識変化
出産時に、帝王切開手術で赤ちゃんを取り上げられる割合が、約20年で倍増している。高齢出産などによる医学的理由のほかにも、医師不足による省力化や医療ミスを避けようとする医師の心理など、社会的事情の変化が背景にある、との指摘もある。(朴琴順) 分娩に占める帝王切開の割合 厚生労働省統計によると、分娩(ぶんべん)における帝王切開の割合は84年に7.3%だったが、90年には10.0%と年々高まり、02年には15%を突破した。産科医院と病院の別でみると、医院では11.8%なのに対し、病院は17.9%にのぼる。 帝王切開は、難産や逆子、胎児の心拍が落ちた場合などに行われる。 リスクの高い高齢出産の増加が、帝王切開手術増加の背景にあるといわれる。妊婦が35歳以上の分娩は、90年には8.6%だったが、04年には15.2%まで上がった。 だがほかにも、医師不足や医療過誤の回避、妊婦の意識変化といった社会的要因もあるとする専門家は少なくない。 国立病院機構名古屋医療センター(名古屋市中区)婦人科医長の井上孝実医師が、帝王切開の増加に気づいたのは10年ほど前。名古屋大付属病院とその関連病院計約40施設の年間1万5千~1万9千件の分娩を調べると、91年に12%だった帝王切開手術は01年に20%、04年には24%に上昇していた。 同僚医師らに聞くと、以前ならまず自然分娩を試みていた逆子のケースなどで、最初から手術予定を組む例が増えた。人手不足の中で、医療事故を避けたいという医師側の心理もある、とみる。05年の最高裁統計によると、医療訴訟の約1割を産婦人科分野で占める。 予定手術なら30分から1時間程度で、昔より安全性も高い。また妊婦側も「陣痛が怖い」「双子で不安」などと手術を希望する人が多くなっているという。 「医師にとって、帝王切開は精神的にも、肉体的にも楽。少しでも分娩リスクがあって、妊婦が望めば、医師から『経膣(けいちつ)分娩でがんばってみましょう』とは言わなくなっています」と井上医師。 不必要な帝王切開が増えている、と感じているのは、母子愛育会総合母子保健センター愛育病院(東京都港区)の中林正雄院長も同じだ。勤務医らの激務が、安易な手術選択につながっている、とみる。 だが、安全になったとはいえ帝王切開は外科手術で、危険性もある。「そのリスクも知って欲しい」と中林院長。 母親らにも、安易な帝王切開を戒める声がある。千葉県習志野市の主婦、細田恭子さん(41)はインターネット上に帝王切開を経験した母親たちが話し合う掲示板を開設。自身も3人の娘を帝王切開で産んだ。術後3日は傷が痛んで歩けなかった。傷跡がケロイド状に残る恐れもある。 精神的な負担もある。「楽をして産んだという偏見はまだ根強く、母乳をすぐに与えられなかったという罪悪感を抱く人もいる。最も幸せなはずの出産後に悩む母親が多いことを、医師は知って欲しい」 帝王切開がいけないわけではないが、その背景がちょっとさびしいね ★ 一般ニュース ★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年06月10日 21時32分11秒
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