夏休みの宿題 どうでしょう?
明日から新しい学期ですね(北のほうの学校ではもうすでに新学期が始まっていますが)。宿題は全部できあがっていますか? 小学生をお持ちの方などは、もういったい誰の宿題なのかわからない状態でてんてこまいなんじゃないですか。 私は子どものころからかなり変っていたようで、苦手な工作以外の宿題はぜんぶ夏休みのはじめのうちに仕上げてしまっていました。早ければ3日、遅くても1週間以内には片付けてしまいました。 夏休みは遊ぶもの。ふだん経験できないようなことに時間を使うべし。いちいち覚えていませんが、楽しかったことだけは確かです。 宿題に読書感想文というのがあって、嫌でしたねえ。中学の時は百科事典で適当な作品のあらすじだけ読んで感想文を捏造していましたっけ。 高校の国語の宿題で書かなければならなくなった時、初めて読む決断をしました。できるだけ薄っぺらな本にしようと、カフカの『変身』を選びました。読みが浅く、サラリーマンの悲哀がどうのこうのという、まったくピントはずれの感想文を提出しました。それから半月ほどたったころでしょうか、本の後ろにあった解説に気が付き、初めてこの作品のテーマが何であるのかを知りました。 私としては顔から火が出るほど恥ずかしく、全文書き直すつもりで先生に返してもらいに行ったのですが、先生は曖昧な受け答えをするばかりで頑として返してくれません。どうやら中を読みもせず、提出したかどうかだけチェックして、早々に捨ててしまっていたようです。 このこと以外にもいろいろと、この先生は私にとってはまことにありがたい反面教師でした。後に私は高校の国語教師になりましたが、可能なかぎり読書感想文は書かせたくありませんでしたし、長期休暇中の宿題には反対し続けました。感想文を気にしなければ読書はもっと楽しくなるし、宿題がなければ休みはもっと充実するのです。 宿題がなければ子どもは遊びまくって悪いことを覚えるですって? そうかもしれませんが、多すぎる宿題はずるい子どもや要領のいい生徒をたくさん生み出し、クラスの人間関係をまずくすることも事実です。