「ルオマの初恋」を観た
今日も上映会場の限られた映画を観て来ました。「雲南の少女 ルオマの初恋」 新聞の映画紹介で「満々と水をたたえ、山裾を織り上げる棚田がスクリーンいっぱいに広がる」というのを見て、これはぜひ見てみたいと思っておりました。里山とか棚田とかにノスタルジーをおぼえ、惹かれるのですね、わたしは。養家はかつて半農でありました。 ところで、町の市場(バザール)に取れたての農作物や家で織った織物などを売りに来る人たち(どう見てもプロの商売人とは見えない)に、私はストーカー的興味を抱くことがあります。この人たちはどんな村のどんな家に住んでいるのだろうと。自分が旅行者でなければ、ついて行ってしまいたい誘惑にかられます。それは国内であろうと外国(特に中国)であろうと関係ありません。特に売り子が魅惑的なオーラでも出しているともうたまりません。 はい、映画に戻ります。この映画では、私の好奇心の核心をいきなり冒頭部分で見せてくれます。つまり山深い貧しい家の中での食事の場面から始まり、売り物のトウモロコシ(と牛のための草)を入れた籠を背負った少女が家を出、棚田の広がる村を抜け、仲間と小型トラックに乗って町に出て来る様子をまず映し出します。 私の中のストーカーはこれで半ば満足なんですが、このルオマという少女がとびきり可愛い子なので、今度はこの子のすべてが知りたくなってきます。この映画の監督は私の分身ではないのかと疑うくらい、私の嗜好通りに映画は進んでいきます ストーリーに特段目新しいものはないし、感動で涙が止まらなくなるというような内容でもないし。ひたすら美しい田舎の風景(習俗)とリー・ミン扮するルオマちゃんの愛らしさを愉しむ映画かもしれません(親友のお姉さんの若き日の容姿が重なりました)。もちろんこの作品に、グローバル化の波に抗う伝統や、都会に憧れる村の若者の心情などをテーマと読み取っても何ら差し支えありませんけれど。