民族内の対立を描いた映画を観た
私には同じ傾向の作品をまとめて観るとか読むという性癖はありません。むしろ雑食の快感を愉しむ方です。もし毛色の近いものが立て続けに並んだとしても、それは偶然です。 最近家で観た映画はどちらも民族内の対立を描いたものです。しかもそのいずれの場合も、現在にまでその影響をまだ色濃く残している点では共通しています。けれども、片や歴史をリアルに、片やファンタジーの味付けで寓話化したものなので、観終わった後の印象は相当違います。 その二つの映画とは、「麦の穂をゆらす風」と、「トンマッコルへようこそ」です。「麦の穂・・・」の方は、少し前に「マイケル・コリンズ」を観ていたので、複雑な事情もよく飲み込めました。独立への足がかりのためには不平等な条約でも妥協して受け入れるのか、それとも完全な独立を勝ち取るために仲間のさらなる犠牲を覚悟で戦い続けるのか。こういう映画を観ていると、自分が当事者だったらどちらを選択するだろうといつも苦しくなってしまいます。つまり、彼らも常に苦衷の選択を強いられながら歴史を作って行ったということですね。「トンマッコル・・・」の方では、韓国映画恐るべしの感をいよいよ強くしました。笑わせながら戦争(朝鮮戦争なので、戦争一般とはニュアンスが異なりますが)の愚かさを観る者の心に訴えるその間合いのテクニックに脱帽です!麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション(DVD) ◆20%OFF!