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つれづれ浮世草

2005年11月16日
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カテゴリ:読書
 入院中に谷川俊規さんの『めっちゃピンぼけ』を読んだ。
関西弁に抵抗のある人には読みづらいかもしれないが、久しぶりに体の芯までズシンと来た作品なので、ぜひお奨めしたい。

詳しくはここを見ていただきたいが、いわゆる戦場カメラマンとして世界的に知られた不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹氏(最近書店で氏の撮影によるイラクの自衛隊の写真集を観た)の軌跡を基にして、ミステリータッチ?で描いた小説である。作品冒頭から主人公を殺してしまう(12歳の少女と謎の焼身無理心中?)あたり、いかにも宮嶋氏と懇意の仲であることをうかがわせる。

ぬるま湯につかっている平和惚けの我々に内紛や地域紛争の現実を垣間見せてくれる迫力満点の描写(主人公の日記)に、思わず居ずまいを正して対峙してしまった。土俵際ぎりぎりまで追い詰められて、もはやこれまでかというところで、でも踏ん張りながら思うのだ、思わなければならないのだ。平和惚けと言われようが、甘いと思われようが、それでも人同士が殺しあうことは何が何でも避けねばならぬのだと。

この作品は狂言回しの涼一(作者がモデルであろう)の感性と常識で救われている。このクッションがなければ辛過ぎて読み通せたものではない。ドラマ化、映画化の話もちらほら出てきているという。暴力シーンやレ○プシーンをどう表現するかでそれらの作品の良し悪しが左右されてしまう可能性が高い。本の存在をアッピールし読者を広げるには効果があろうが、私個人は映像では観たくない気がする。


買った場所忘れましたが、おひなさんの土鈴です(見たらわかるって)






Last updated  2005年11月16日 14時17分41秒
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ありがとうございます。   kinagi さん
 僕が書いたら、実もふたもないのですが、お金を使って買っていただいて、時間を使って読んでいただいて、その上感想まで。しかも、いいところを書いて下さってるっていうのは本当にありがたいことで。
 まだまだ、書きますし、きのう(16日)に会った
編集者の方は、明確な欠点を指摘された上で、構成力をほめてくださって「ぜひ書き続けてください」と激励もくれました。嫌好法師さんのような読者の方がおられる限り、書き続けますし、発表の場もどこかで見つけます。ありがとうございました。 (2005年11月17日 00時40分57秒)

Re:ありがとうございます。(11/16)   嫌好法師 さん
kinagiさん、お待ちしておりました。

>構成力をほめてくださって

一見無造作に並べたような日記が、年譜で整理することで見事に見晴らしよくなる手際には感心しました。期待させながら展開していく運びの巧さにもプロを感じました。 (2005年11月17日 01時29分17秒)

映像化されて   あんしんたろう さん
読んだもののイメージとあまりにかけ離れると残念に思いますよね。
読む人によって感じ方も違いますし、そこが本のいいところなのでしょうか。 (2005年11月17日 18時48分14秒)

Re:映像化されて(11/16)   嫌好法師 さん
あんしんたろうさん、こんばんは。

>読んだもののイメージとあまりにかけ離れると残念に思いますよね。

たんまに映画の方が面白いのもありますがね。

>読む人によって感じ方も違いますし、そこが本のいいところなのでしょうか。

そうですね。映像作家の趣味や感性のフィルターを通すのではなく、著者の伝えようとするイメージや思想を自分なりに感得するのがいいように思いますね、たとえ誤解していたとしても。 (2005年11月17日 23時54分16秒)

Re:『めっちゃピンぼけ』を読んだ(11/16)   まっちょマン さん
でも、本来動物というのは生存競争によって闘うものであって、人間は特別なのかも知れませんね。闘うのではなく、共存することを選んだ数少ない動物として。
戦争や殺し合いというのは、見方を変えれば本来の人間の姿なのかも知れません。

それでも、今、こういう世の中だから、共存を望んだ人間が作り出した今の社会で生きているから、戦争や殺し合いは避けなければいけませんね。

(2005年11月21日 21時57分18秒)

Re[1]:『めっちゃピンぼけ』を読んだ(11/16)   嫌好法師 さん
まっちょマンくん、いらっしゃい。

>戦争や殺し合いというのは、見方を変えれば本来の人間の姿なのかも知れません。

私はそうは思いません。それは恐らく国家というものが生み出した幻想だと思います。

>それでも、今、こういう世の中だから、共存を望んだ人間が作り出した今の社会で生きているから、戦争や殺し合いは避けなければいけませんね。

そうですね。 (2005年11月22日 03時59分11秒)

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