カテゴリ:読書
変なタイトルで申し訳ありません。 以前にも書きましたように、私には書斎で読む本のほかに、ベッド用、トイレ用、携帯用など場所やニーズに合わせて何種類かの本を常時用意してあるのですが、今トイレにあるのが『定本 種田山頭火句集』(彌生書房 1994年 2940円)。 山頭火(明治15~昭和15)は尾崎放哉とともに、生き方にも作品にも興味をそそられる俳人の一人です(私の友人に言わせると家族や周りの者にとって迷惑至極の勝手者)。今まで写真句集や啓蒙書の類いは何冊か読んでいたのですが、まとまったものを読みたくて買ったのがこの本。 頭にイメージを描きながら一句ずつ読んでいくと、居ながらにして放浪の旅人になった気分が味わえます。 ○伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も ○月からひらり柿の葉 ○この水あの水の天龍となる水音 いくらでも並べることが出来ます。イメージも鮮明で、あくせくしていないところに癒しの気が漂います。 ただ山頭火の句も若い頃のもの(大正初期の『層雲集』)は、一句の中にイメージをたくさん押し込め、息詰まるような勢いをもつのが特徴です。 ○絵本見てある子も睡げ木蓮ほろゝ散る ○庭石濡らして微雨過ぎし青葉止まず ○汽車とゞろけば鴉散る銀杏真裸なり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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