カテゴリ:読書
ここ二、三年 落語関係の本を手当たり次第に読んでいます。
評論、随筆、新作落語集だけでなく、田中啓文氏の笑酔亭梅寿シリーズや『しゃべれどもしゃべれども』『落語娘』などの小説も当然含まれます。 今日読み終えた平安寿子(たいらあすこ)氏の『こっちへお入り』(祥伝社/2008年刊)は、落語に少しでも興味のある人なら誰でも楽しめる小説です。 これ以前の落語小説はというと、必ずと言っていいほど、主人公はプロの噺家でしたが、この作品に登場するのは素人さんばかり。でも話の中に、いろんな噺(主に江戸落語)の必聴盤とその聴きどころなどが要領よく挿入されています。 主人公(33歳の独身OL)の日常生活上のトラブルや悩みと、落語の世界が小気味よくリンクして、読むほどに心が豊かになって行くような快感を楽しむことができます。 文章にうるさい私ですが、この作者の日本語は実に自然で美しく、しかもユーモア満載、ほとほと感心しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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