コイン詰め込み問題~解説~
昨年12月27日の記事で書いた「コイン詰め込み問題」の解説です.もう一度問題を載せます.縦4cm,横2000cmの長方形の箱があります.この中に1円玉(直径2cmの円)を並べるとき,何枚並べることが可能か?ただし,重ねたり縦にしてはいけません.まずは普通に詰めた場合はどうなるかというと(普通という表現が微妙ですが)上図のように詰めるはずで,コインの枚数は2000枚となります.これが答えだと問題にならないので,もう少し変わった詰め方をします.どんな詰め方かというと次のように詰め込みます.第一印象はそれじゃあ2000枚より少なくなるんじゃないの?と思ってしまいますが,これでいいんです.ただずらしてるだけじゃないですよ.よく見てくださいね?最初の3枚は下に接するように配置し,次の3枚は上に接するように配置しています.わかりますか?拡大してみましょう.説明の都合上,既に点に名前を付けて,長さも書き込んでいます.では,順に説明していきます.まず,BP=3はいいですよね?問題はPQの長さ.三角形FJKが二等辺三角形であるからPQ=FK-1=2FR-1となり,あとはFRを求めればよい.三角形HIJが正三角形であるから,JR=AB-SJ-FP=4-(1+√3)-1=2-√3となります.ここで三角形FJRを取り出して考えます.円Fと円Jは接しているのでFJ=2だから,下図のようになります.三平方の定理より,と求まります.したがって,BQの長さは次のようになります.横に3枚並べれば6cmですが,この並べ方だと5.9639…となり少しだけ詰め込んでいることになります.円E,F,G,H,I,Jで表される6枚のコインを1セットとして考えます.横の長さが2000cmなので,2000÷5.964=335.34…となることから,この6枚のセットが335セット入りそうです.入りそうと言ったのは,右にはみ出てる部分(6枚のうち上側の3枚)がちゃんと入るかどうかが分からないからですが,実際に335セット入ることが次の計算によって分かります.335セット入れたあと,2cm以上余っているのでちゃんと入るということです.さらに,2cm以上余っていることから,斜線で表したコインがもう一枚入ることになります.6×335+1=2011となり,2011枚は入るということが言えます.しかし,2011枚が答えかどうかは分からないです.この問題は未解決問題らしく,2011枚は入ること(上記が証明)と2013枚以上は入らないことが証明されています.したがって,答えは2011枚か2012枚ということみたいです.この問題をネットで調べても,2011枚か2012枚という「答え」しか出てこず,具体的な図を使って説明してるページを見つけることができなかったので,自分のためにも作ってみました.少し分かりにくいところがあるかもしれないですが,現在僕が調べた限りで最も詳しく書いたページであるという自信はあります.常日頃「思い込んでいる」ことは多々あります.この問題においても,2000枚より多く入るわけがないと思うでしょう.しかし「もしかしたら2000枚より多く入るのではないか?」と考える人がいたからこういう詰め込み方が考えられたのだと思います.「絶対無理,絶対出来ない」と思い込んでいること・・・本当にそうですか?出来ると信じて頑張ることが大切だと思います.~キリ番のお知らせ~14001 2007-01-09 00:13:43 タカティーンさん 14000 2007-01-09 00:12:51 ***.bbtec.net 13999 2007-01-09 00:11:59 ***.in-addr.arpa タカティーン先生惜しかったです!